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自宅から登山口までの交通手段や経路は、山歩きの計画を立てるうえで重要な要素のひとつです。初心者向きの日帰りコースであっても、登山口に着いて実際に歩きはじめる時刻によっては、行動時間のゆとりが変わってくるからです。
コースの所要時間を前提に、ゆとりのあるスケジュールが組めるかどうか、交通機関のダイヤを調べ、アクセスをよく検討することが大切です。
山にロープウェーやケーブルカーがあってコースタイムを短縮できることもあります。
ガイドブックや登山雑誌のガイドページに書かれているコースの歩行時間を「コースタイム」いいます。コースタイムは3~4時間までが初級者向き、6~7時間が中級者向き、8時間を超えると上級者向きと考えましょう。
ガイドブックに記載されているコースタイムは「成人男性が10kgほどの荷物を背負って無理なく歩ける、休憩を含まない所要時間」というのが基準ですが、読者想定によって、初心者向きの書籍では割増して記載される場合があるなど、コースタイムは厳密なものではなく、目安として考えましょう。
雪が積もっていたために予定より時間がかかった、草木が多い茂っていたなど、登山時期や気象条件によっても左右されます。
なお、ヤマケイオンラインでは、この登山地図を無料で閲覧可能なサービス「ヤマタイム」を公開しています。ぜひご利用ください。
コースタイムには、休憩時間は含まれていません。登山中は休憩はもちろん、途中で食事を取ったり、トイレに立ち寄ったりして、予想以上に時間がかかるものです。こうした休憩時間を計算して、ガイドブックのコースタイムより、時間がかかるものとして計画を立てましょう。
また、下山の時間も忘れずに計算しておきましょう。登山は下山中のほうが事故が多いものです。疲労や日没を考えて、余裕を持ったスケジュールを立てるのが基本です。
標高差とは、上昇、下降する高さのことで、傾斜の緩急ともいえます。平面の地図上では距離が短くても、傾斜が強くなると体力的な負担が大きくなり、歩行時間も大きくなります。
コース全体で、登山口から、山頂、下山口まで、上昇・下降する標高差が大きいコースほど、それだけ体力を要求され、コースのグレードも高くなります。標高差は地形図から判読することも可能ですが、初心者の方には、高低図(断面図)が記載されているガイドブックがよいでしょう。
目安として、山頂の高さから登山口の標高の引き算で、1日分のコースが、標高差600m以内なら初心者向き、600~1200mになると中級者向き、1200m以上は体力面も含めて上級者向きと言えるでしょう。
登山計画を立てたら、行動予定を登山計画書にまとめ、自分と同行者だけでなく、家族や周囲の人々(職場の同僚など)に共有しておくことも大切です。
また主要な登山口には登山届ポストがあり、登山計画書を投函するように推奨しています。これは万が一アクシデントが生じたときに、所管の警察や山岳救助隊が捜索する際の資料となります。
なお、ヤマケイオンラインでは、一般的な登山届を作成するサービスを提供しています。ぜひ、ご利用ください(※会員登録が必要です。登録は無料です)。
また、以下にはPDF形式のフォーマットも置いておきましたので、ご利用ください。
Step1 自分に合った計画を立てよう | Step3 山歩きのシーズンと気象 |
山歩きは、やさしいコースから、経験を要するコースへと段階的にステップアップしていくことが大切です。そのため山のガイドブックでは、コースを初心者向き、中級者向き、上級者向きといったグレード(難易度)区分しています。
では、どんな点でグレードが変わってくるのでしょうか。チェックポイントをあげてみましょう。