行程・コース
天候
曇りのち小雨
登山口へのアクセス
電車
その他:
往)西武特急 秩父61号で西武秩父駅(7:42着)、秩父鉄道 お花畑駅(7:51発)-三峰口(8:11着)
復)大滝温泉遊湯館からバス(17:00発)にて西武秩父駅、西武特急秩父44号(18:25発)
この登山記録の行程
三峰口駅(8:25出発)-(猪鼻熊野神社参拝)-贄川宿入口(9:00)-猪狩神社(9:50着/10:10発)-奥宮のピーク(10:55着/11:05発)-猪狩山822m山標(11:23)-タツミチ分岐(12:03着/12:15発)-秩父御岳山(12:50着/13:05発)-杉ノ峠(13:55)-秩父御岳山登山口(14:05)-普寛神社(14:40)-大滝温泉遊湯館(14:50)
高低図
登山記録
行動記録・感想・メモ
狼信仰の猪狩神社から猪狩山を越えて秩父御岳山を歩いて来ました。 紅葉は今一つでしたが、天候のせいか山の中ではついぞ誰とも会わず、山頂からの荘厳な光景と共に、山の神々しさに触れた一日でした。
≫1ヶ月振りにフリーとなった土曜日ですが、台風接近で生憎の天気予報。 それならばオオカミ像だっ!、という事で、高曇りの三峰口に降り立ちました。 何しろオオカミ像は雨が降っても逃げません。
台風の進路によってはあわよくば・・・、等と期待しながら、バスを待たずにトコトコ歩き始めます。
白川橋で荒川を渡った所に、日本武尊に所縁のある「猪鼻熊野神社」への案内標を見つけ、誘われるままに向きを変えて入山の参拝を済ませてから贄川宿に向かいます。 その昔、三峯講の宿場として賑わったという贄川宿は、今は「かかしの里」として大勢(?)のかかし達で賑わっていましたが、実際に道でお会いしたのがご老人お一人だったのが、却って印象的でした。
更に車道を歩いてトンネルを抜けると、円錐形の山の麓に古池の集落が広がっています。 秩父地方では、山間に開けた集落のことを「耕地」と呼ぶそうですが、猪狩神社は古池耕地の僅かな氏子の方々によって、古くからの祭事が大切に受け継がれているそうです。
ところで今回、雨予想の中での山行の背中を押してくれたのが、「オオカミの護符」という本です。
この歳になって奥多摩や秩父の低山を歩き回りながら、言葉にならず感じていた何かを見事に言い当ててくれたような本で、猪狩神社にまつわる描写も秀逸でした。 神社の由縁は別に譲りますが、お目当てのオオカミ像は正に別格の存在感を放っていました。
円錐形のピークへの山道は、奥宮の参道でもあり、見た目通りのキツイ急登が続きます。 ピークには猪狩社の奥宮と大山祇の祠があり、その先は林道を左下に見ながら植林の稜線を踏んでいきます。
てっきり、奥宮のあるピークが猪狩山だと思っていましたが、その先のピークに「猪狩山(822m)」の手書き山標が架かっているのでビックリ。 後で調べてみると、奥宮のピーク、猪狩山、鞍掛山の表記が地図によってまちまちで混同されている様です。 (2005年当時はこのピークに「鞍掛山(822m)」の手書き山標があったが、間違いなので撤収した、と記録したブログもありました。)
いつしか予報通りの雨が降り始め、最後のひと登りで辿り着いた御岳山の山頂は、想定通りガスの中・・・、だったのですが・・・、遠慮無しに叩いた平和の鐘の音が効いたのか、にわかにガスが切れて雲の中に稜線が浮かび上り、思わず鳥肌が立つほどの神々しい光景を見る事が出来ました。 これも大口真神のご神力だったのでしょうか!?
お礼の鐘を鳴らして山頂を後にすると、如何にも奥秩父らしい痩せ尾根を伝って杉ノ峠まで駆け下ります。 出発の準備中なのでしょう、麓の方から時折りピューッ、とSLの汽笛が聞こえてきます。
山道と林道を交互に下り、落合で普寛神社に下山のお参りを済ませると、大滝温泉遊湯館にドボーン。
シャンシャンシャン、シャシャシャンシャンの秩父三本締めではありませんが、湯上り、駅前、指定席の三本セットで、1ヶ月振りの山行もしっかり締まりました~。
本日の総歩数31,664歩、歩行距離22.1km、消費カロリー1,384kcal、脂肪燃焼量98g也。
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今日は曇りのち雨の天気予報。朝方は西武秩父駅から武甲山の山肌を見ることが出来ました。
三峰口駅からの秩父御岳山の山塊。右奥にちょこんと顔を出しているのが猪狩山の奥宮ピークですね。
白石橋で荒川を渡ります。
橋の北詰に(←猪鼻熊野神社)の道標を見て、急遽立寄ることに。猪狩神社とも縁のある神社です。
しばらく出掛けない間に、すっかり秋が深まっていました。
猪鼻熊野神社に入山の参拝。日本武尊に縁のある神社です。
疫病退散を願って甘酒を掛け合う「甘酒まつり」で有名だそうです。
再び東に戻って、贄川(にえかわ)宿に向います。
昔は三峯講や甲州往環の宿場として賑わい、三峯神社の一の鳥居もここにあったそうです。今は静かにかかし達が出迎えてくれます。
ここからの登山道もあります。
日向大谷行きのバスに追い越されました。天候のせいか、乗客はゼロだったようです。
街道沿いにはリアルで表情豊かなかかし達が・・・。
猪狩神社、2.7km、40分と
贄川宿の外れにあった柊(ひいらぎ)神社にも立ち寄って見ました。
小さな神社ながら、オオカミ像と思しき狛犬があるので吃驚!
荒川の向うに見えるのは熊倉山でしょうか。
人家有り、発砲注意・・・。
猪狩山の山容が見えてきました。綺麗な円錐形は、なるほど御岳山の男具那(オグナ)ノ峰を思い起こさせます。
麓に広がる古池耕地の家々。代々の猪狩神社を守って来た氏子中の集落ですね。
猪狩神社と登山口の看板。
古池耕地から見上げる猪狩山(奥宮のピーク)。信仰が生まれるのが頷けます。
立派な一の鳥居。
三の鳥居の先は急な石段となっています。
石段の脇には、今は廃寺となった別当の松洗院の跡があります。
石段の途中に、お目当てのオオカミ像が見えて、一気にテンションが上がります。
今風に言うと、「ヤバイ」オオカミ像です。
社殿の二重垂木には大般若経が墨書きされて黒く見えます。
末社の稲荷社、熊野社、諏訪社、秋葉社、菅原社。夫々味があります。
春日造りの本殿は立派な彫刻に囲まれ、中でも「韓信の股くぐり」の彫刻は目を引きます。
社務所の左脇に登山道がありました。
途中、林道を横切りながらの、なかなか登り甲斐のあるルートです。
遠目で見た通りの急斜面が続きます。
途中、何箇所かロープが張ってあります。下りの時には助かりそうです。
ストックを最短に縮めて使う程の急斜面は久しぶりです。(笑)
登り始めて約45分で、猪狩山の奥宮ピークに到着。奥宮と大山祇の祠があります。
11月の奥宮祭には、古池の氏子中がお供え物を持ってここまで登り、さんまを焼いて直会を行うそうです。
ピークの先はやせ尾根です。
ダートの林道と交差した後は、その林道を左下に見ながら尾根筋を歩きます。
途中の小さなピークに「猪狩山822m」の小さなプレートが掛かっていました。ここが猪狩山なのでしょうか?
プレートのある小ピークの様子。展望はありません。
林道と着かず離れず進みます。樹林帯の踏み跡は薄く、支尾根に入り込まないよう注意が必要です。
強烈な羽交い締め!。因縁の戦いが続いています~。
こちらの根っこは、良くもまあ伸ばしたものです・・・。
林道と交差して、いよいよ秩父御岳山へ。
今年の紅葉はどうなんでしょうか・・・?
タツミチの分岐。天気予報通りに雨が降ってきました。
大滝(強石)への分岐を見ると、頂上は指呼の間です。
山崩れによる通行止めの案内板があります。「山と高山地図」の記載ルートは影響ない様です。
秩父御岳山の山頂には、普寛社の祠と「平和の鐘」がありました。
想定していたとはいえ、雨とガスで何も見えません。
誰も居ないので、平和の鐘を3回、遠慮なく、思いっきり叩きました!
小振りとは言え、担ぎ上げるのは大変だったろうな~。
・・・等と考えながら、狛犬の写真を撮っていると、、、
オヤッ!?、何やらガスが消えて来た様な・・・。
オ~ッ!雲が切れて明るくなって来ましたよ~!
西側のガスも切れて・・・、
山が姿を現して来ました~。
その奥の両神山こそは現れませんでしたが、、、荘厳な光景です。
鐘の音が、山の神さまに聴こえたのでしょうか・・・(三峰から雲取山の方角)
ほんの5分程の間でしたが、思わず鳥肌が立ちました。(和名倉山、飛龍山の方角)
大滝(強石)方面への尾根は、両側が切れ込んだやせ尾根で、ロープが張られています。
茶色い杉の枯葉の路。これも秋の光景ですね。
使われなくなって放置された鉄塔。余り見かけない光景に、思わずパチリ。
途中何度か作業林道が交差しますが、強石・落合(杉ノ峠経由)の道標を辿って行きます。
杉ノ峠には、道祖神と小さな祠が佇んでいました。
名前の通り、杉の巨木の峠です。
ここで強石への道を分け、温泉目当てに落合に向います。
林道と山道を交互に歩いていきます。
林道の路肩一面が苔に覆われていました。
落合の入口にあった、庵の澤稲荷社にも下山の挨拶。
ウム~。キツネ像はどうもピンと来ません・・・。
まあ、ここまで来ると、いじらしくもありますが・・・。
最後は、落合の普寛神社に参拝。江戸末期に秩父御岳山を開いた普寛導師さんの生誕の場所で、墓所も有ります。
昭和世代ながら、かなり個性的な狛犬です。
よく見ると、大きく開かれた阿形の口の中に穴が・・・、まさか、水を噴き出すのか!?
普寛導師さんの墓所。石碑には木曽御嶽山の王滝口を開いた功績などが記されていました。
普寛神社から大滝温泉遊湯館まで、ほんの5分ほどです。
馴染みの湯上りセットとロング缶で一本目。
駅前セットの「ヤマメのイクラ」と焼酎の笹茶割で二本目。
最後は特急指定席セットの「ミソ豚コロッケ」とハイボールで三本目。秩父三本締めでした~!
【おまけ】ここから先はオオカミ像の写真です。山と関係ありませんが、時間と興味のある方はご笑覧下さい。
今回のお目当ての猪狩神社のオオカミ像はかなりハイレベルです。昭和8年に小鹿野から運ばれてきたそうです。
阿形の背中。肋骨が良い感じに浮き出ています。
荷車に積んで運んでくる途中で一泊したところ、夜中にオオカミの遠吠が聞こえ、朝になると荷車の周りにオオカミの足跡が残っていたという逸話があるそうです。
単なるリアリティでは無く、神々しささえ感じられます。
角度によっても表情が変わる様な・・・。
足元にお賽銭が置かれているオオカミ像(狛犬を含めて)を初めて見ました。
こちらは吽形です。
優しげな顔立ちにも見えますが・・・。
横顔はきりりとしていますね
静寂な雰囲気に溶け込んで、格を感じます。
話は全く変わって、こちらは贄川宿の柊神社の狛犬(キツネ?オオカミ?)なのですが、三峯神社の御神木の前のオオカミ像に似ているので、写真で比べてみました。
こちらが三峯社の物です。
こちらは柊社の吽形。銘は明治24年となっていました。
こちらはずっと古い三峯社の方。雰囲気がそっくりですね。きっとこれを模倣して作ったのだと思います。
最後に、こちらが今回の猪狩神社参りのきっかけにもなった「オオカミの護符」(新潮社刊)。良い本です。
装備・携行品
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