行程・コース
この登山記録の行程
【1日目】
広河原(06:45)・・・大樺沢二俣[休憩 10分](09:05)・・・白根御池小屋(09:50)・・・小太郎尾根分岐(12:00)・・・北岳肩ノ小屋[休憩 30分](12:45)・・・北岳(14:00)・・・北岳山荘(15:20)
【2日目】
北岳山荘(06:15)・・・中白峰(07:00)・・・間ノ岳[休憩 20分](08:20)・・・農鳥小屋(10:10)・・・西農鳥岳[休憩 10分](11:25)・・・農鳥岳[休憩 30分](12:25)・・・大門沢下降点(13:30)・・・大門沢小屋(17:10)
【3日目】
大門沢小屋(06:40)・・・吊橋(森山橋)(09:20)・・・奈良田第一発電所(農鳥岳登山口)(10:10)・・・奈良田(10:30)
高低図
標準タイム比較グラフ
登山記録
行動記録・感想・メモ
今回は、白峰三山縦走としては一般的なコースの北岳から南下するルートとしました。
富士を眺めながらの稜線歩きは最高でしたが、思ったよりも体力が必要でした。
各区間のコースの様子は以下のとおりです。
【奈良田駐車場~広河原】
広河原まではマイカー規制なので、林道バスにて向かいます。バスは普通の路線バスと同じです。この日は登山者の数としては少ない方だったと思いますが、それでも座りきれない人が4~5人立ったままの乗車となりました。奈良田駐車場は始発ではなく、始発は一つ前の奈良田になりますので、確実に座りたい人は、駐車場から歩いて一つ前まで戻るのが確実だと思いますが、駐車場からでも早く並べば座れるでしょう。
【広河原~北岳山荘】
1年前には大樺沢から八本歯のコルを経由して肩の小屋というコースだったので、今回は大樺沢から二股を右股へ入り肩の小屋経由で北岳、北岳山荘というコース設定にしました。
広河原から草すべり方面との分岐までは、いつも通りの渋滞です。分岐を過ぎるとスムーズに歩けるようになります。渡渉部分の多くには橋が架けてありスムーズに歩けます。
樹林帯を抜けて沢を歩くようになると日差しを遮るものがなくなり、直射日光をもろに受けることになります。ただ、沢を吹き上げてくる風が冷たく、心地よく歩けます。ペース良く歩いていると仮設トイレのある大樺沢二股に到着します。
今回はここから右股方面へと入っていきます。多少のアップダウンを繰り返し30分ほど歩いていると見覚えのある風景に出くわしました。「ん?池・・・」「ま、ま、まさか!」そうなのです。右股へ入るつもりが、トラバース道に入ってしまい、目の前にあるのは御池ではあ~りませんか!しかたなく草すべりを登ることとしましたが、この草すべりコース、半端じゃないくらい急登です。
永遠に続く九十九折りを抜け、疲労困憊の状態で肩の小屋に到着です。「もう、ここで泊っちゃおうかなぁ」とも思いましたが、時間もまだ早いので、肩の小屋のカレーとラーメンでライフを回復させ、北岳を超えて北岳山荘を目指します。この間は登山道もかなり整備されているので全く問題なしです。
【北岳山荘テント泊】
北岳山荘では特にテン場を設定していません。ヘリポート用にトラロープが張ってある場所以外なら、どこに張ってもOKです。小屋の近くが便利ですが、小屋の玄関先には発電機小屋があり24時間、発電機のエンジン音と排ガスのにおいがするため気になる人は小屋の南か、風がなければ東面がお勧めです。特に東面は富士山が眺望できるのでお勧めです。ビールは生ビールと缶ビール。缶チューハイはキリンのハイリキレモンのみです。ポカリのほか、各種ソフトドリンクもあります。飲料水は玄関わきの水を無料で使えます。トイレもバイオトイレで全くと言っていいほど匂いはしません。チップを入れましょう。
縦走を計画されている方は次の日のお弁当を頼むこともできますが、なるべく早く小屋に着いて注文することをお勧めします。受け取りは翌朝の4時になります。
【北岳山荘~大門沢小屋】
これが白峰三山のメインディッシュと言ってもいいコースで、天気が良ければ富士山を眺めながらの天空歩行を満喫することができます。ただし、空気も薄く直射日光もキツイので要注意です。間ノ岳までは中白根山を始め大小のピークを越えながら気持ちいトレッキングが楽しめます。道は砂礫とガレ場と岩稜の繰り返しになります。
間ノ岳山頂は広く休憩ポイントでもあります。日本No.3からNo.1とNo.2を眺めることができます。
農鳥小屋は間ノ岳と西農鳥岳のコルに位置しますが、間ノ岳とはかなりの高低差があり、ガレた道の下りとなりますので転倒などには気を付けましょう。もしかして誰かに見られているかも(^_^;)
農鳥小屋に着くとドラム缶の上にチベット人が座っています。
これ実は農取小屋の名物オヤジで、れっきとした日本男児です。
ただし、少々耳が遠いので、話かかけても無視されることが。「あぁ、日本語がわからないのか。チベットから出稼ぎで大変だねぇ」と思ったくらいです。
農鳥小屋以降は大門沢小屋まで休息するところがないため、ここでしっかり休憩し、飲料などの補給もしておきましょう。ただし、オヤジには要注意です。理由は「農鳥小屋 オヤジ」で検索すれば分かります。オヤジのことはさておき、もうひとつの名物はトイレです。当然、ここでは用を済ませておくべきですが、驚愕のトイレです。これもネットですぐにわかるでしょう。自然保護のためにも、一日も早い改修を願うばかりです。
農鳥小屋から大門沢小屋までの時間は、売店に貼ってあるオヤジお手製の案内板によると「早い人4H、普通の人5H、のろまな人6H」となります。これ当たっています。登山者を気遣うオヤジ愛です。
休憩後、出発間際にオヤジからアドバイス。
オヤジ「今日は東からガスが上がってくる。こんなことは見たことがない!」
ワタシ「エーッ、(天気)崩れますかぁ?」
オヤジ「う~ん…多分、いいとは思うがな」
ワタシ「ホッ、よかった」
オヤジ「でも、見たことない。不気味じゃー!」
ワタシ「エーーーッ、どっちなのぉー」(T_T)
そんな微笑ましいやり取りを終えてリスタート!西農鳥に向けて下げた高度を上げていきます。
いつもながら登り返しは乳酸がパンパンで結構疲れます。
西農鳥を超えてしばらく進むと農鳥岳です。これで白峰三山縦走です)^o^(
農鳥岳から少し下り広く緩やかな尾根に出たところに大門沢下降点を示す鐘が設置してあります。ガスったときに迷わないための鐘だそうです。
そして、ここから大門沢の地獄の下りが始まります。
この道、最初こそハイマツの中を進みますが、森林限界以下になると状況が豹変します。1m以上の段差は当たり前。脇の草は伸び放題。橋なども朽ちて脇を通過するなど、つまり全く整備されていないということです。昔はそれなりに手が入っていたようですが、最近は全く手が入っていない様子。しかも、それなりの勾配があるため、気を許すと転んだり滑落の危険もあります。下りだったので、なんとか行けましたが、登りのコースとしてはお勧めできません。アルプスの整備された登山道に慣れた方は要注意です。体力がかなり必要なコースになります。
【大門沢小屋テント泊】
大門沢小屋のテン場は小屋から1段下がったところにあります。2段の平場がありキャパは10~15張程度でしょうか。この日は先客がソロの1張のみ。余裕です。天気が良ければ、このテン場から富士山が望めるらしいのですが、今回は1度も見ることができませんでした。ビールは生と缶の両方です。缶は沢水で冷やしてあります。この日は客が少なかったのか、在庫がなかったのか種類は限られていました。ただ、テン場のすぐ脇にも沢水が引いてあり、しびれるほど冷たいので、持ってきた缶を冷やすには十分です。
男子トイレは「どこからでも見てください!」と言わんばかりの大解放。個室は農鳥小屋ほどではありませんが、沢に直結しています。これを見て、これより下流の沢水に触れることを躊躇してしまいました。
【大門沢小屋~奈良田駐車場】
小屋から下の登山道もお世辞にも十分整備されているとは言えませんが、さすがに小屋より上の状態よりはましです。勾配もかなり緩くなるため、かなり楽にはなりますが、標高を下げると多くの沢を横断することになります。沢に架かる橋は相変わらず朽ちていることが多いので注意しましょう。ダムに近づいていくと人工的な立派な吊り橋が多くかかっています。なんだか、ちょっぴりホッとしてしまいます。
バス路線までで出るとトンネルの手前にマイカー規制のゲートがあり、ガードマンのおじさんが「あと30分!頑張って。駐車場の前の道を上がっていくと奈良田温泉があるから寄っていきな」と声をかけてくれました。
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