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中央アルプス縦走・乗鞍岳縦走(空木岳~乗鞍~上高地):日本アルプス縦走Round.4

駒ヶ根 空木岳 木曽駒ヶ岳 飛騨街道 地蔵峠 乗鞍岳 安房峠 焼岳 上高地 ( 中央アルプス)

パーティ: 1人 (山車(dashi) さん )

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行程・コース

天候

9/11,12:晴れ 9/13:朝一時雨、強風,里;曇り 9/14:晴れ 9/15:晴れ後ガス 9/16:ガス 9/17:雨

登山口へのアクセス

バス
その他: ○ 往路:JR駒ヶ根駅
○ 復路:上高地からバス

この登山記録の行程

Round.4:中ア・乗鞍岳・焼岳(駒ヶ根~西穂山荘下)2015年9月11日~17日
  ● アプローチ歩行距離: 4.7km   ● 累積標高差:   +40m  -837m
  ●  コース 歩行距離:130.3km   ● 累積標高差:+10,209m -8,577m
  ● 記号:[--] 交通機関  [・・・] 徒歩
①9/11(金) コース歩行距離:13.5km 累積標高差:+2,039m,-193m
 駒ヶ根(11:10)・・・駒ヶ池(12:12)・・・登山口(12:30)・・・林道終点(13:50)・・・池山(15:00)・・・尻無H1970m(15:54)・・・空木平避難小屋(19:00)
②9/12(土) コース歩行距離:10.3km 累積標高差:+1,453m,-1,106m
 空木平避難小屋(4:45)・・・空木岳(6:04)・・・東川岳(7:57)・・・熊沢岳(9:49)・・・檜尾岳(11:52)・・・濁沢大峰(13:20)・・・極楽平(14:52)・・・宝剣岳(15:35)・・・宝剣山荘(16:20)
③9/13(日) コース歩行距離:11.7km 累積標高差:+229m,-2,057m
 宝剣山荘(6:25)・・・中岳(6:36)・・・木曽駒ヶ岳(7:02)・・・玉乃窪山荘(7:36)・・・七合目(9:07)・・・林道(10:56)・・・茶臼山JC(11:37)・・・大原(12:58)
④9/14(月) コース歩行距離:48.0km 累積標高差:+2,087m,-2,124m
 大原(7:00)・・・天竜川(8:40)・・・<飛騨街道>・・・地蔵峠JC(9:44)・・・地蔵峠(12:00)・・・塩沢温泉(19:00)
⑤9/15(火) コース歩行距離:19.7km 累積標高差:+2,373m,-606m
 塩沢温泉(6:55)・・・阿多野郷JC(7:20)・・・峠(8:30)・・・オ-トキャンプ場(9:55)・・・真谷(10:25)・・・(11:00)林道終点(11:30)・・・トラバース開始H1980(11:55)・・・終了H2070(12:15)・・・稜線(12:24)・・・大白檜曽森林限界(13:44)・・・中洞権現(14:38)・・・(16:10)乗鞍岳・剣ヶ峰(16:26)・・・肩の小屋(17:08)
⑥9/16(水) コース歩行距離:22.8km 累積標高差:+1,522m,-2,210m
 肩の小屋(5:13)・・・平湯・十石山登山口(6:13)・・・姫ヶ原JC(6:39)・・・十石山JC(8:24)・・・白猿ヶ池JC(9:41)・・・三角点1870.9(スキー場の上)(9:58)・・・林道入口(安房平へ)(10:18)・・・安房峠(11:36)・・・焼岳登山口(12:30)・・・焼岳北峰(15:02)・・・焼岳小屋(16:13)
⑦9/17(木) コース歩行距離:4.3km 累積標高差:+506m,-281m
      アプローチ歩行距離:4.7km 累積標高差:+ 40m -837m
 焼岳小屋(7:05)・・・上高地JC(西穂山荘下))(9:41) (以下アプローチ)・・・(11:30)上高地温泉H(14:00)・・・上高地バスターミナル(14:30)

コース

総距離
約120.1km
累積標高差
上り約8,526m
下り約6,910m

高低図

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登山記録

行動記録・感想・メモ

 岩と緑の木曽山脈。印象深かったことが三つある。一つは南アルプスの眺望がきくことである。南アルプスの3,000m峰13座が見える。思い出の詰まった来し方を辿るのは楽しいものである。二つは宝剣岳である。ドキドキした。剣岳より怖かった。三つは緑と白い岩の風景である。這い松の緑は、思わずビロードを撫でてみたくなるような柔らかい印象を与える。

 日本アルプス縦走~日本弧状列島完全人力横断(御前崎~親不知)~シリーズ。今回はRound.4:中央アルプス・乗鞍岳・焼岳(駒ヶ根~中央アルプス~飛騨街道~乗鞍岳~焼岳~上高地JC~上高地)の山旅である。

 完全人力一筆書きの旅も、ここ駒ヶ根で3ヶ所目の中継となる。ここまで途切れることなく293kmの線を引くことができた。全体の丁度半分の距離を歩いたことになり、いよいよ後半戦となる。
 これまで順調すぎて気が緩んだということではないと思うが、ここ中央アルプスは苦しい山旅となった。初日、空木岳の登りで、恐らく、高度障害の症状と思われる頭痛と吐き気に襲われ、何度も休みながら、どうにか空木平避難小屋に転がり込んだのは19:00となっていた。翌日も調子が出なかった。三日目は体調は良くなったが、濃霧と強風で天候は良くない。しかも下山である。中央アルプスは空木岳から木曽駒ヶ岳まで一日の行程で、登りと下りを加えても三日しかなく、その短い三日間が体調と天候の優れない中で終わってしまった。
 しかし、中央アルプスも捨てたものではない。印象深かったことが三つある。一つは南アルプスの眺望がきくことである。南アルプスの3,000m峰13座が見える。思い出の詰まった来し方を辿るのは楽しいものである。二つは宝剣岳である。ドキドキした。剣岳より怖かった。鎖や梯子のようにしっかりしたグリップがあると妙に安心するのであるが、ここには、それがない。従って、頂上のお立ち台には立てなかった。三つは緑と白い岩の風景である。草の黄緑から、這い松の緑、そして、恐らく白檜曽と思われる濃い緑までグラデーションをなし、思わずビロードを撫でてみたくなるような柔らかい印象を与える。そして白い岩が点や線となって、緑を引き立たせている。好きな風景である。
 次に木曽駒ヶ岳を降りて、乗鞍岳に取り付くまでのコースについて記す。その前に、乗鞍岳の登山コースを決めなければならない。南面からのコースで使えるのは中洞権現尾根のみである。野麦コースは高山植物保護で通行止め。子ノ原尾根は某社私有地が歩行でも通過禁止で使用不可。また、宿捜しも難航し、結局、途中には使える宿は一軒もなかったのである。48kmの超ロングコースとなってしまった。
 大原から西に向かって下っていくと、天竜川沿いの中山道に突き当たる。この中山道を少し南下し、木曽福島の手前で右折し、天竜川を渡る。飛騨街道である。どうも街道名は向かう先の地名を呼称するようだ。木曽から飛騨に向かうときは飛騨街道と呼び、逆は木曽街道と呼ぶらしい。私は飛騨に向かっているので飛騨街道と呼ぶことにしたい。これら中山道と飛騨街道で興味を引いた何点かを紹介する。
 まず中山道。ほんの2~3kmしか歩いていないが、ここで出会った物と人。物は相撲場。木曽町民相撲場と名付けられたそれはそれは立派な館である。木曽の檜を模したのか木造風の天蓋には和紙を張ったような、光を取り込む障子のような、明るい相撲場が、土俵ができているのである。拙い文章より写真を見ていただきたい。人は江戸から京都まで野宿をしながら中山道を歩く旅人である。大雨の中、テントに浸水する雨と格闘し、一睡もできなかった一晩。これぞ自然と一体化した究極のワンダラーではないか。
 次に飛騨街道。順番に紹介する。最初は黒川郷の道祖神。ここの道祖神は手をつないでいて双体道祖神というそうだが、地元では、男女握手像と謂われ、男女円満の姿を素朴に伝えている。次は日和田高原のイチイ(一位)について。一位の木は針葉樹で昔は笏(しゃく)の材料として用いられた。今は弓の材料やアスリートの一位祈願のお守りになっている。日和田高原に一位の原生林で囲まれた一位森八幡神社がある。一方、アスリートの心肺機能強化の高所トレーニング場として日和田高原が利用されている。
 さて、飛騨街道は高根ダムを擁する高根町に達した。ここから乗鞍岳の登りに使う中洞権現尾根の取り付き点に向かう。野麦峠は好印象のイメージを持っていた。高根町の塩沢温泉から、旧野麦街道を辿り、たくさんの栃の実が落ちた峠を越えて、阿多野郷に出る。オートキャンプ場で野麦集落に向かう旧野麦街道と別れ、林道を歩く。林道は標高1,825m付近で終点となり、ここから中洞権現尾根に取り付く。
 中洞権現尾根の稜線に出るまでは、刈り払いされている。稜線上は刈り払いされておらず、道は笹で覆われているが、笹の下の道はしっかりしたものであり、笹も道を覆ってはいるものの搔き分ける必要はなく、問題ない。ただし、晴れていればである。雨や朝露の場合は全身ずぶ濡れになるのは必定であり、雨具が必要となる。森林限界から、少し、笹藪を歩き、這い松帯となる。ここの這い松は見事である。字の如く、地面を這っている。この這い松帯は道がはっきりしない。恐らく、這い松の樹高が低く、どこでも歩けてしまうためと思われる。登りは問題ないが、下りで笹藪に入るところは注意が必要かもしれない。振り返らなかったので未確認であるが、入口が分かりにくい可能性はある。権現様が現れると、そこが主脈尾根の千町尾根登山道である。
 剣ヶ峰の頂上はガスの中であった。乗鞍岳は独立峰に近く、ランドマークとして見てきたが、逆は叶わなかった。それでもガスは頂上付近だけらしく、下に緑の水を湛えた権現池を垣間見ることはできた。ここまで誰にも会わなかったが、剣ヶ峰で初めて二人連れに会った。宿では雷鳥調査隊の人たちと同宿した。雷鳥が猿に襲われたセンセーショナルな放映が話題となった。
 乗鞍岳から焼岳へのルートについて。乗鞍岳から平湯・十石山登山口まで乗鞍スカイラインを歩く。登山口とは言っても平湯へはずっと下りである。噴煙を上げる焼岳や楽しみにしている笠ヶ岳への稜線を見ながらの快適な下りである。平湯温泉スキー場から平湯温泉とは逆方向に林道ができており、安房平で国道158号線に出る。大きくショートカットすることができた。安房峠を越え、中の湯の手前に焼岳登山口がある。
 焼岳は活火山である。大正時代の噴火でできた大正池は梓川が堰き止められたものである。噴火から100年たち、池は土砂に埋まって、景観は大分変っているようであるが、山は今なお、噴煙を上げ、南峰は立ち入り禁止、北峰の噴出口には硫黄が黄色に析出している。北峰を下って小さな丘を越えるが、ここにも小さな噴出口がいくつかあり、間欠的に噴煙を上げていた。
 今回の旅は西穂山荘直下の上高地への分岐で打ち止め。上高地までバスが入り、アクセスが最短となるので、ここに決めた。
 次回はRound.5:北アルプス南部(上高地JC~種池山荘)を記す。西穂から奥穂までの縦走はこの旅の最大の楽しみでもあり、最も不安な区間でもある。果して憧れのジャンダルムには登頂できるのか?!

関連レポート
○日本アルプス縦走~日本弧状列島完全人力横断(御前崎~親不知)~
 ・全体版:2015年6月30日(火)~2016年7月22日(金)
  <http://www.yamakei-online.com/cl_record/detail.php?id=72911>
 ・Round.1:御前崎スタート(御前崎~畑薙第1ダム) 2015年6月30日~7月5日
  <http://www.yamakei-online.com/cl_record/detail.php?id=72732>
 ・Round.2:南アルプス・南部(畑薙第1ダム~三伏峠)2015年7月19日~25日
  <http://www.yamakei-online.com/cl_record/detail.php?id=85112>
 ・Round.3:南アルプス・北部(三伏峠~駒ヶ根) 2015年8月8日~13日
  <http://www.yamakei-online.com/cl_record/detail.php?id=85249>
 ・Round.4:中央アルプス・乗鞍岳・焼岳(駒ヶ根~西穂山荘下)2015年9月11日~17日
  <http://www.yamakei-online.com/cl_record/detail.php?id=85409>
 ・Round.5:北アルプス南部(西穂山荘下~種池山荘)2015年10月2日~10日(土)
  <http://www.yamakei-online.com/cl_record/detail.php?id=112065>
 ・Round.6:北アルプス・北部(種池山荘~親不知) 2016年7月17日~22日
  <http://www.yamakei-online.com/cl_record/detail.php?id=115955>

最新レポート
○関東地方境一周
 ・群馬県境:巻機-丹後、縦走 敗退記
  <http://www.yamakei-online.com/cl_record/detail.php?id=92462>

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装備・携行品

シャツ アンダーウェア ロングパンツ 靴下 レインウェア 登山靴
バックパック スタッフバック 水筒・テルモス ヘッドランプ 予備電池 タオル
帽子 地図 コンパス ノート・筆記用具 登山計画書(控え) ナイフ
ツエルト 健康保険証 ホイッスル 医療品 ロールペーパー 携帯トイレ
非常食 行動食 GPS機器

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登った山

焼岳

焼岳

2,455m

乗鞍岳

乗鞍岳

3,026m

木曽駒ヶ岳

木曽駒ヶ岳

2,956m

宝剣岳

宝剣岳

2,931m

檜尾岳

檜尾岳

2,728m

熊沢岳

熊沢岳

2,778m

東川岳

東川岳

2,671m

空木岳

空木岳

2,864m

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