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白銀と神秘の世界を独占 雪化粧の夜叉ヶ池

夜叉ヶ池( 東海・北陸・近畿)

パーティ: 1人 (Yamakaeru さん )

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行程・コース

天候

晴れ(午後から降り気味)

登山口へのアクセス

マイカー
その他: 福井県(今庄)側からアクセス。広野ダムを目指す。この時期は冬季閉鎖中で登山口までは侵入できない(岐阜側も同じ)。広野ダムまでは綺麗に除雪されている。道の行き止まりのスペースに車を駐車。数台は駐車可能。

この登山記録の行程

広野ダム(04:55)・・・登山口(06:59)・・・尾根伝いに頂に向けて直登・・・夜叉ヶ池(10:30)・・・夜叉ヶ丸(11:07)・・・登山口(12:20)・・・広野ダム(14:24)

コース

総距離
約15.6km
累積標高差
上り約1,737m
下り約1,737m

高低図

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登山記録

行動記録・感想・メモ

恒例の「銀世界を独占」。
去年は、冠山周遊。今年は銀世界に加えて、雪化粧の神秘的な風景を見てみたくて夜叉ヶ池をターゲットとした。
「銀世界を独占」は、冬季通行止めを乗り越え、周囲10km、人が立ち入らないような山奥を目指し、好きなコースを突き進む。あるのは動物の足跡と、ただただ凛と広がる銀世界。
エスケープルートがないため、リスク管理はしっかりする必要があるが、圧巻の大自然とそこに自分だけのトレースを付けることを許された特別感は、一度やったらやめられない。

今回は、年に何度か必ず訪れる大好きな山、夜叉ヶ池。季節折々にそれぞれ違った神秘さを見せてくれるが、雪の中の趣は一際だろう。
ただ、シーズンオフになると一番の問題は登山口までの長い林道が封鎖されること(これは岐阜側も同じ)。
何度か歩いたことがあるが、ほとほと登山前に浸かれてしまう。ましてや雪があると考えただけでも憂鬱になる。

ということで少しでも早く登ろうと、夜のうちに山を目指す。
食料は今庄蕎麦道場近くにあるコンビニ(ファミマ)で買い込む。いつものパターンだが、これが失敗。
なんだかお店が見当たらないと思ったら、電気が消えていた。
コンビニって24Hじゃないのか???どうも定常的らしい。確かに24H開店していても、サルぐらいしか来ないか。
さすがに非常食だけで挑むには無理があるので、別なコンビニを探してさまよう。これで2時間近く浪費。なんのために早起きしたのか。

広野ダムを目指す。ダムまでは道路も綺麗に除雪されている。道路突き当りのスペースに車を停めさせてもらう。
時計は5時少し前。真っ暗闇をヘッドライトで照らしながら、雪道を進む。今日の気温は高め。夜間でも凍っていないため、一歩いっぽが沈み込む。

ところどころに雪崩が発生していて、道を塞いでいる。時にはガードレールがひしゃげて根こそぎ持っていかれていた。
巻き込まれないよう、注意しながら乗り越える。
目前5mほどのところに、突然、金色の煌々と光る物体が現れた。自分のライトに反射しているテンの目玉のようだ。
静寂な世界を邪魔したようで申し訳ない。人を恐れないのか、道案内かのように自分が通り過ぎるまで、金色の光は輝いていた。

想定していたよりも倍以上の時間をかけてようやく、登山口にたどり着く。
周囲はすっかり明るくなっていた。毎年の経験であるが、平地の雪道が一番体力を消耗する。
見慣れた鳥居は半分ほど、雪に埋もれていた。
鳥居をくぐり、橋を渡って登山開始。。。。と言いたかったが、いきなり雪崩で道がふさがっている。
これも慎重にトラバースしながら、先を進む。が、見慣れた登山道はあちこちで雪崩でつぶされて形がなくなっている。
先には結構な高さを持つ崖沿いのポイントもあるため、このまま進んでは危険と手前の斜面を登って尾根を目指す。

地図で尾根が山頂まで伸びていることを確認する。ただひたすら登っていけば山頂にたどり着くはずだ。
ただし、登り始めだけと思っていた急登は、尾根沿いにたどり着いてからも続く。最初の急登ほどではないが、常に登りの雪も相まって実にいい運動だ。

机上シミュレーションでは、スケジュール次第では次の山も目指そうと思っていたが、沈み込む雪に想定の倍以上をかけてようやく頂につく。
ただ、頂に登ってしまうと夜叉ヶ池を通り越してしまうので、頂の手前をトラバースしながら池を目指す。
笹に囲まれた池も、すっかり雪に覆われて、僅かな凹みから池の存在を知る。
真っ白な夜叉ヶ池。梅雨時期にはモリアオガエルの産卵で作られる白い泡が湖畔を取り囲み。秋は真っ赤な樹木が映り込む夜叉ヶ池も今は厚い雪の下。
見慣れた風景も、まったく違ったものに見える。そうそう、これが見たかった。三周ヶ岳の山頂が真っ白で昨年の冠山を思い出す。
あの笹だらけの山も冬はこんなにカッコいい頂を見せるのだと、これも今日の大きな収穫だ。

日ごろ、近づけない池の奥を回り込む様に散策し、写真を撮る。この角度からの写真はなかなかないと、自分で自分に自慢する。
岐阜側の分岐に向かい、反対側の風景を眺める。こちらも人が入り込めない秘境になっている。

真っ白になった頂「夜叉ヶ丸」を目指す。雪のせいで一段と急こう配になっていて、むしろ反り返っている。
ストックと膝を使いながら、気分的には垂直の壁を登っていく。岐阜側には雪庇が出来上がっているため、できるだけ福井県側を登る。
ニッコウキスゲの斜面も今は雪の中。しばし360度の大パノラマを堪能。遠くに伊吹山、能郷白山、白山が綺麗に見える。
今この瞬間、10km四方には自分しかいないと思うと(たぶん)、この風景が全部自分のものにできるなんと贅沢なことか。
今どき恥ずかしい「やっほー」も思う存分できる。 :)
ここまでセーブしてきた水で喉の渇きを潤し、出発。
気分的には三国岳の方に足を延ばしたかったが、午後はさらに気温が上がり歩く条件が悪化すること。また、天気が崩れることを考えて、おとなしく来た道を戻ることにした。
コンビニを探して時間を無駄にしなければ、ひょっとしたら行けたかも知れないが、夜叉ヶ池の新しい登山ルートを(個人的に)開拓できたので、至極ご満悦。
下山時には、ニホンカモシカが挨拶に来てくれた。こちらも人懐っこく、じーっとこちらを近くの斜面から眺めていた。

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装備・携行品

みんなのコメント

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  • レポを拝見して、私も白銀と神秘の世界を独占したくなりました。でも登山口まで雪の林道を2時間歩かないと見れないですね。

  • コメントありがとうございます。上下運動よりも平地が1番体力使いますよね。昨年の冠山もとっても綺麗でしたよ。

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