(2011年12月1日配布)
山と人Interview 小林由佳
文=麻生弘毅 撮影=上田崇
特集 白銀の八ヶ岳
監修・写真=佐々木亨(フォーエバー)
特集 八ヶ岳MAP
監修・写真=八ヶ岳観光協会
Gear & Shop 好日山荘 横浜西口店
文=伊藤俊明、写真=山田真人
登山よろず相談所 雲上の人生相談 悩むが山
読者プレゼント
径なき渓を彷徨う 正解のない山歩き
文=高桑信一
The Rope Work 生活密着型・クローブヒッチ
文=柏 澄子、イラスト=江崎善晴
東西、山の博物誌 東の尾瀬、西の大山 雪と世界と歴史の話
文・写真(大山)=大村嘉正、写真(尾瀬)=花畑日尚

足のサイズより3㎝小さなシューズを履くと、彼女はひとつ息を吐き、髪をきゅっと後ろに結びあげる。ぱたぱたとチョークをはたいてから左手がホールドを掴むと、ほがらかだった表情が引き締まった。そうしてするすると這うようにクライミングボードを登りだす。その様子に息を飲んだ。
125度の壁で、彼女は音もなく舞っている。
軽やかなクライミングが、10m×5mほどの壁を無限の広がりに変えてゆく。ときおり、凪の海に突風が吹いたかのように、やわらかい背中に筋繊維の波が走り抜ける。しかし、力が入るのはほんの一瞬で、そこには重力を感じさせない脱力の世界が広がっている。
水面に踊るアメンボのよう、小林由佳さんは自在にラインを描いてゆく。
13歳でフリークライミング・ジャパンツアーに初優勝。以来、無傷の18連勝を達成し、16歳でワールドカップに初出場を果たす。そうして天才少女の名をほしいままにした彼女は、23歳になった今も、世界の一線で活躍を続けている。「最初から特別に上手だったわけじゃないと思います。ただ、クライミングとの出会いはとても幸運でした」
山好きの父に連れられて、幼稚園児のころから登山に親しんでいた。そうして7歳のとき、トレッキングシューズを買おうと訪れたアウトドアショップで開かれた講習会において、フリークライミングに出会う。父親とともに参加した彼女は、そこで指導していたジャパン・モダン・クライマーズ・クラブの宮崎秀夫さんに手ほどきを受けた。
「宮崎さんが、うまく登ることではなく、楽しく登ることを教えてくれたことがとても大きかったと思います。それから毎週、岩場に連れていってもらいました」
平日は父親が自宅につくってくれたクライミングボードで夢中になり、金曜の夜に父の運転する車で岩場に出かける。そうして車中に寝泊まりしつつ、宮崎さんをはじめとした仲間に教わりながら岩を登る。そんな彼女にとって、クライミングは競技でもスポーツでもなく、純粋な楽しみだった。
※小林由佳さんのインタビューの続きは、GUUDEIのPDFをダウンロードしてご覧ください。
PDF 16.3MB

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