18年1月1日より埼玉県防災ヘリの山岳遭難救助が有料化。対象山域は6山域、5分5000円と告示

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 今年3月、埼玉県の防災ヘリコプターによる山岳遭難救助を有料化する「埼玉県防災航空隊の緊急運航業務に関する条例」の改正案が成立したが、同県は10月24日、対象となるエリアと救助手数料、徴収から減免・除外される対象を告示した。条例は18年1月1日から適用される。公的ヘリによる救助の有料化は全国初となる。

 手数料はヘリの燃料代実費相当額で、防災ヘリコプターが救助のために飛行した時間5分ごとに5000円。5分未満の場合は5分とし、5分を超えて5分に満たない端数がある場合は切り捨て、としているため、飛行時間3分の場合は5000円、9分の場合も5000円となる。ヘリによる救助に要する平均時間は1時間程度ということで、その場合は6万円となる。

 ヘリ救助が有料化される山域は別表のとおりだが、「甲武信ヶ岳から水平距離5㎞」と「笠取山から水平距離5㎞」の円を重ねると、奥秩父主稜線のうち、将監峠~笠取山~雁峠~雁坂峠~甲武信ヶ岳の奥秩父主稜線縦走路はすべて含まれている。

 昨年度に救助活動をした12件のうち7件が、今回指定された範囲内で発生したという。

 なお、有害鳥獣捕獲者や建設業者、山小屋運営者、学校行事参加者などからは徴収しない。また地震などの災害が原因の遭難者や生活保護受給者等は減免される。

 詳細は下記のほか、埼玉県危機管理防災部消防防災課のウェブサイトへ。

 

■「埼玉県防災航空隊の緊急運航業務に関する制度」概要

◇対象となる地域
小鹿野二子山:西岳中央峰山頂から水平距離1キロメートルの区域
両神山:山頂から水平距離3キロメートルの区域
甲武信ヶ岳:山頂から水平距離5キロメートルの区域
日和田山:南麓の男岩から水平距離100メートルの区域
笠取山:山頂から水平距離5キロメートルの区域
雲取山:山頂から水平距離3キロメートルの区域

◇手数料として支払う金額
救助活動における県防災ヘリコプターの飛行時間5分につき5000円で、計算にあたっては、5分に満たない端数は切捨て。 なお、飛行時間は、防災ヘリコプターが防災航空センター(川島町)からの離陸した時刻から、医療機関(救急車)への搬送完了の時刻までとする。 

◇条例の適用除外者
以下に該当する場合は、手数料の支払対象者とはなりません。
(1)消防、警察など人命救助の活動のため山岳区域に立ち入った者
(2)林業、有害鳥獣の捕獲、建設業等の活動のため山岳区域に立ち入った者
(3)山小屋の運営、登山道の整備のため山岳区域に立ち入った者
(4)国、県、市町村の依頼で自然保護活動のため山岳区域に立ち入った者
(5)学校の教育活動(林間学校、高校の登山部、大学のゼミなど)のため山岳区域に立ち入った者

◇減免申請 
以下に該当する場合は、事実を証明する書類を添えて手数料の減免を申請することができる。 
・山岳区域内に立ち入った後に発生した地震等の自然災害に起因して遭難した者(台風や大雪等、気象台の発令する注意報や警報等で入山時に予測できた場合を除く)
・生活保護受給者

 

■お問い合わせ

危機管理防災部 消防防災課 消防広域担当
TEL 048-830-8171(8:30~17:15)

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