北杜市とTHE NORTH FACEが包括連携協定を締結。アウトドアの知見を活かし、「山のまち北杜」の環境づくりへ

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山梨県北杜市が、株式会社ゴールドウインの「THE NORTH FACE(ザ・ノース・フェイス)」と包括連携協定を締結した。山梨県北西部に位置する北杜市は、北西に八ヶ岳の赤岳から編笠山、北東には瑞牆山をはじめ奥秩父の山々、南には甲斐駒ヶ岳をはじめとした南アルプスなど、多くの山に囲まれ、山から清らかな水が流れる山岳観光に優位性の高い自治体で、昨年、市制15周年を迎えている。

四方に山が望める三分一湧水館で行われた締結式で、北杜市・渡辺英子市長は「世界に誇れる景観を持つ、山紫水明の北杜市で、『健幸北杜』の目標に向けた取り組みのひとつとして、今回の包括連携協定の締結に至りました。山に囲まれた北杜で育つ子どもたちに、この町を好きになってもらうため、自然体験をもっと行いたい。また、これまで行ってきた食育や農業体験、山を守り水を大切にする活動や、山のまちとして多くの登山者が訪れる環境づくりなどを、株式会社ゴールドウイン『THE NORTH FACE』様との連携で、さらに強化していきたい」と締結の意図を語った。


自身の登山の体験や市内の好きな山について語る渡辺英子北杜市長

ゴールドウインの森光常務は「アメリカのアウトドアブランドである『THE NORTH FACE』を日本で取り扱って40年以上、ブランドを通して、登山やアウトドア文化の発展に貢献してきました。私自身も八ヶ岳、甲斐駒、瑞牆山など、北杜市の山には何度も登った経験があります。ブランドとして、自治体様との包括連携協定は初めての取り組みになりますが、THE NORTH FACEの直営店を作ったりすることが目的ではなく、北杜市だけではできなかったことを、これまでの知見を活かして後押ししていきたい」と話した。


これまでの知見を活かした共同事業をと語ったゴールドウインの森光常務

また、両者の結びつける役割を果たしたのは、登山家・山岳ガイドで、3年前からは甲斐駒ヶ岳七丈小屋の支配人を務める、花谷泰広さん。北杜市に移住して15年の花谷さんは、昨年11月に「北杜市ふるさと親善大使」に任命され、自身が考える「山のまち北杜」を渡辺市長に提案。登山業界のトップブランド「THE NORTH FACE」と北杜市が手を組むことで、「シナジー効果は無限大になる」と、両者を仲介したという。


山のまち北杜のイメージを語るふるさと親善大使の花谷泰広さん

北杜市の魅力を「低山から、奥秩父、八ヶ岳、南アルプスの山々があり、北杜市の山だけでもレベルアップができる素晴らしい環境」と語り、将来的に実現したい3つのこととして、(1)都市部や海外からの来訪者に向けた情報発信と2次交通の改善、拠点となる施設の整備、(2)地元の子どもたちに、地域の魅力、地域の山を知ってもらうための自然体験や登山体験、(3)地域と登山者が一体となっての登山道整備や山の環境を維持していく活動、遭難が起こらないための啓発活動、を挙げた。


左からゴールドウイン森光常務、渡辺英子北杜市長、ふるさと親善大使の花谷泰広さん

今はスタートラインに立ったばかりで、具体的なことはこれから協議して進めていくとのことだが、北杜市とTHE NORTH FACEの共同事業によって、北杜市が多くの登山者を受け入れる「山のまち」のモデルケースとなることが期待される。


会場となった三分一湧水館の展望台からは南アルプス、富士山、奥秩父、八ヶ岳の展望が広がる

 

■関連リンク

北杜市による公式発表
https://www.city.hokuto.yamanashi.jp/docs/11462.html

ゴールドウインによる公式発表
https://www.goldwin.co.jp/corporate/info/page-25996

 

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