大雪山・旭岳 | 旭岳ビジターセンター

姿見散策で様々な花が見られるようになりましたが、縦走は急斜面に雪があり6本爪アイゼンやピッケルの携行を。防寒具は必携です。

センター周辺の探勝路で数十年(60年)に一度咲くチシマザサ(千島笹)が花を咲かせました。(2016.06.28 旭岳ビジターセンター)
センター周辺の探勝路で数十年(60年)に一度咲くチシマザサ(千島笹)が花を咲かせました。(2016.06.28 旭岳ビジターセンター)
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天気・気温

06/23(木) 姿見駅(標高1600m=ロープウェイの上の駅)15:00 晴れ、天気16℃、西の714m、視界良、残雪あり
旭川市の天気予報
明日
曇のち雨
16℃
8℃
明後日
雨時々曇
9℃
6℃
日本気象協会提供 2024年4月17日 0:00発表
帯広市の天気予報
明日
曇のち雨
16℃
9℃
明後日
曇一時雨
14℃
8℃
日本気象協会提供 2024年4月17日 0:00発表
※ご利用上の注意

山と周辺の状況

6/28に、例年6月の最終週末に行われる大雪山山開き縦走登山会(東川町など主催)が行われました。
この日、姿見園地周辺では(姿見周遊の軽ハイキングコース 姿見園地 の話です)。 第4展望台から姿見の池の間には、ジムカデの大きな群落があり、開花のピークでした。
第4展望台の近くではミネズオウが見られました。一般に、ミネズオウはもうすこし早い時期に咲くものが多いですが、イイ感じのピンクでした。
姿見駅と姿見池の中間辺りの湿っぽい草地では、かなりの数のエゾコザクラが咲いてきています。
駅に近い部分など、道にまだ雪が残る箇所もありますが、姿見の花の盛期を迎えようとしています。
天気がイマイチで遠くが見えなくても、下界では珍しい高山植物の花が楽しめ、ロープウェイで「上の駅」(姿見駅)に行くかいあり、と思います。
ミネカエデも径1cmちょっとのジミな花をつけてきました。木で工作した時計のようなちょっとひょうきんな姿に思えます。

山麓のセンター周辺の探勝路も、お花が沢山咲いていました。
ノビネチドリ(延根千鳥)は高さ25~60cmにもなり、白色の花数が圧倒的に多い中のピンクは存在感があります。
ツバオウレン(三葉黄蓮)、ウコンウツギ(鬱金空木)、 オオカメノキ オオカメノキ (大亀木)、 ゴゼンタチバナ ゴゼンタチバナ (御前橘)、マイズルソウ(舞鶴草)、ツバメオモト(燕万年青)等なども咲いていました。
そして、チシマザサ(千島笹)が花がついていました。
ササの花は数十年(60年)に一度咲くと言われていますが、花が咲いて結実が終わると、枯死します。
とても地味な色をしていますが、ササの実は栄養価が高いそうで、北海道開拓当時、、凶作で食べ物に困った年に、
ササの実を集めて食べたという話を聞いた事があります。どんな味がするのでしょうか?
コマクサ コマクサ コースに咲いていたので、探してみて下さい。

裾合平方面は、まだ残雪が多く、植物のほとんどは雪の下です。お花が咲き出すのは現在の状況ではまだ2週間は先だと思われます。例年通り7月下旬頃からが、花の見頃となりそうです。

●クマに注意
特に例年より目撃情報が多いわけではありませんが、クマには注意して下さい。
6/21とその2日前に、(上の)姿見駅と(下の)山麓駅の中間部と下部で、ロープウェイから下を通過している足跡が目視されています。
天女ヶ原湿原登山道は、ロープウェイの架線と交差していませんが、ヒグマにとっては、「すぐそば」です。
ヒグマの痕跡や目撃、遭遇の情報も、裾合平とともに大変多い場所ですので、充分な注意が必要です。

登山道の状況

●旭岳の標高は北アルプスの山々のような3000mという標高ではありませんが、緯度が高いため、山の条件としては本州の3000m級山岳と同様か、スケールからそれ以上の厳しさがあります。
ビジターセンターなどで最新情報を得て行くようにしましょう。

●1合目から天女ヶ原を通って姿見の池園地までの登山道
一部残雪でルートが判りにくい所があったり、4合目~上の急斜面に雪が残っていて、滑落に注意が必要です。
自信のない方にはあまりお勧めできないルートです。雪が融けるまでもうしばらく待った方が良さそうです。

●旭岳登山
・姿見と旭岳六合目にはまだ残雪があります。
・姿見から旭岳登山のピストンならば、アイゼンピッケルは不要でしょう。
・六合目には雪があり特に下りは注意して下さい。

●旭岳から裾合平方面
裾合平の融雪も進み、以前よりはルートが分かり易くはなっていますが、まだ雪はたくさん残っています。少し視界の悪い時などは、道迷いに十分注意して下さい。まだ迷って遭難する人の多い時期です。
残雪が多い状況から、このあたりのお花のみごろは7月中旬頃からです。

●旭岳から北鎮、黒岳への縦走
まだまだ大きな雪渓があります。アイゼンピッケル必携です。
7月でも周辺には雪があり、気温はかなり下がります。
黒岳では9合目の急傾斜に残雪があり、6本爪アイゼンやピッケルで安全を確保した方がよいでしょう。
北鎮方面にも雪が残っています。
お花が楽しめのは7月中旬以降、天気や条件によって毎年異なりますが、8月になることもあります。
まだまだこれからが楽しい季節となるので、あまり焦らずに良い時期をお待ち下さい。
※層雲峡側、リフト、ロープウェイの運行をご確認下さい。
http://www.rinyu.co.jp/modules/pico01/

●ロープウェイを使わないルート(旭岳温泉~姿見)
今は藪が出て道迷いしやすい時期です。登りも下りも苦労すると思います。

●忠別川右岸の町道通行止め(左岸の道道に迂回可能)
旭川や東川から旭岳温泉や旭岳源水へ行くときに使われる町道は4/28まで工事で通行止めの予定でしたが、法面の状態が危険なため、6月末まで工事を延長することとなりました。
道道(天人峡美瑛線)で2kmほど遠回りにはなりますが、迂回できます。いで湯号バスの路線と同じです。

登山装備

登山には残雪に対応できる装備が必要です。油断しないで下さい。
北海道の夏は、本州から来る方にとって天候次第では昼でも、もちろん夜はとても寒く感じると思います。防寒装備の油断は禁物です。7月でも朝に氷が張ったり、日中でもみぞれが降る可能性を考えて用意しましょう。
ルートによってはアイゼンやピッケルが必要です。
日が射せば紫外線も強く、日焼け止め、サングラスの用意も忘れずに。緯度の高い北海道の紫外線は本州よりもずっと強烈です。

姿見散策だけの方には、天気の良い日に限りですがスニーカーで歩くような方も出てきました。
それでもやはり、しっかりとした靴の方が安全です。雨具や防風、防水対策はいつも必要です。
ライトや地図を持たないことは危険です。
ロープウェイ姿見駅(上の駅)やビジターセンターでは長靴の貸し出しをしています(300円)

注意点

●入山にあたり飲料水は持参しましょう。
飲料水は旭岳温泉から持参しましょう。ロープウェイ姿見駅(上の駅)には給水施設がありません。ロープウェイ売店での販売となります。ビジターセンターでは飲料水(お湯はありません)をおわけすることができます

●旭岳ロープウェイ
http://wakasaresort.com/asahidakeropeway/
運行中 運行時間が変わり朝6時から運行しています。

●8/27(土)~28(日)十勝岳温泉登山口の登山や車の制限があります。
第3回かみふらの十勝岳ヒルクライム大会実施のため、十勝岳温泉登山口からの登山や、この登山口への道路や駐車場に制限が掛かります。
28日の登山禁止と、27日午後3時~28日午後1時の十勝岳温泉登山口の駐車場使用禁止、28日午前のバス運休などが登山者に影響する部分と思われますが、詳しくはコチラをご覧ください。
http://www.town.kamifurano.hokkaido.jp/index.php?id=1444

お知らせ

・旭岳の登山・自然の情報はビジターセンターにおたずねください。
来館した方や、電話・メールなどのお問合せに対し、最新の現地情報と、過去の事例や個々の事情に照らし、最適な答えを返せるよう努めています。
http://www.welcome-higashikawa.jp/info/?c=16

・長靴の貸し出しを行っています。
スノーシューは一日800円(町内宿泊者やモンベルクラブ割引などがあります)

●大雪山や十勝岳は広い地域にまたがっています。旭岳以外の主な山の問合せ先はこちら
http://www.welcome-higashikawa.jp/info/?c=27&s=7393&sc=&lv=&cl=1

・層雲峡ビジターセンター
ビジター山だよりでは日々の状況をお知らせしています。そのほかこエリアに入山予定の方には必要な情報がたくさんあります。
http://sounkyovc.net/

旭岳ビジターセンター周辺の過去の様子

  • 山麓駅付近~ロープウェイの車窓からも綺素晴らしい絶景に出会えます
  • 旭岳スキーコースがオープンしました
  • 10月6日に初冠雪が観測されました
  • 裾合平の紅葉は全体的に少し渋めになってきた印象
  • 裾合平・白鳥の雪渓
  • 裾合平のお花畑はまだ雪に覆われています

旭岳ビジターセンター

電話番号:
0166-97-2153
連絡先住所:
〒071-0372 上川郡東川町旭岳温泉

地図で見る
http://www.welcome-higashikawa.jp/asahidake-vc/

施設の詳細を見る

関連する山

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大雪山・旭岳 標高 2,291m

 大雪山の盟主として、また北海道の最高峰として、誰もが一度は登りたい、また登らねばならない山が旭岳である。「ヌタプカムウシュペ」というのはこの山塊全体の呼称で、個々のピークにアイヌは名をつけなかったようだ。旭岳という名称は、忠別川の源頭にあるところからきており、アイヌ語でチュプ・ベツ「日の川」を旭としたもの。旭川市や忠別岳の名も同じ由来である。  古くから登山道は開かれていたようで、明治36年(1903)、上川文武館生徒21名が集団登山した記録があるが、往復に3日を要している。この頃、旭岳は「於武建志計(オプタテシケ)山」と呼ばれていたという。明治の文学者・大町桂月の登山はずっと後で、大正10年(1921)、黒岳沢から無名峰(現在の桂月岳)に達し、北鎮岳を経て旭岳に登り、松山温泉(天人峡)に下っている。冬の登頂は翌大正11年(1922)1月、北海道大学の板倉勝宣、加納一郎らが最初である。  いま夏の登頂は全く容易になった。ふもとの旭岳温泉(旧名 勇駒別温泉)から、2本のロープウェイを乗り継いで一気に1600mの姿見駅へ。お花畑の中の道をたどって、旭岳の姿を映す「姿見ノ池」のほとりから、火山礫の登山道を、白く煙を上げる火口を見下ろしながら登ること2時間ほど。ついに頂上に立てるのだ。道内最高地点だけに展望は広大で、国立公園内の山々はもとより、天塩岳、暑寒別岳(しよかんべつだけ)、芦別岳(あしべつだけ)なども見え、さらに快晴の日には遠く利尻山までも望むことができる。  黒岳からの縦走はもっとすばらしい。黒岳石室を早朝に出発し、第2の高峰北鎮岳(ほくちんだけ)にも登って旭岳に至るコースは、約5時間の行程だ。旭岳の北東面には遅くまで雪渓が残り、夏スキーを楽しむ人々も多い。雪渓の下が指定のキャンプ地になっていて、最盛期には色とりどりのテントが花と咲く。頂上に登らず、途中の中岳から旭岳の山腹を巻き、山中に湧く無人の中岳温泉を経て姿見駅に出ることもできる。駅付近には姿見ノ池のほかにもいくつかの沼が点在し、それらを散策するのもよい。  頂上付近は草も木もないから、どこへでも行ける。なかには道を踏み外してどんどん下ってゆき、帰ってこられなくなった例もある。姿見駅の付近でさえ、ガスがかかると分かりにくくなる。ロープウェイは冬には多くのスキーヤーを運び上げるが、軽装で頂上を目指したまま行方不明となる人が時々出るのも、目標物に乏しい頂上付近の地形に惑わされるからであろう。充分、注意したい。

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 旭岳(あさひだけ)に次ぐ北海道第2の高峰。ずんぐりしたスリバチ状の姿をしているが、黒岳(くろだけ)から見た白鳥・千鳥の雪渓を抱く姿がよく知られている。  一番容易な登山道は黒岳石室からのもので、花の咲き乱れる平坦な雲ノ平(くものたいら)を抜け、御鉢平(おはちだいら)の縁を通って2時間30分ほどで頂上に到着する。愛山渓温泉から比布岳経由のコースは、花あり雪渓あり砂礫地ありの変化に富む興味深いものだ。約6時間のコースタイムはやや健脚向ともいえる。旭岳を越えてくるコースもロープウェー終点から5時間ほどかかる。白水川から沢登りで登ってくるのもよい。火山礫の頂上には、見える山を示した方位盤があり、壮大な展望をほしいままにすることができる。  大雪山の山名には、アイヌ語のものは意外に少なく、白雲岳(はくうんだけ)や北海岳(ほつかいだけ)のように漢詩ふうのもの、黒岳、赤岳など山肌の色からきたもの、間宮岳、桂月岳など人名によるものなどがあるが、北鎮岳は第一の部類で、旭川にあった鎮台(陸軍師団)にちなむものといわれている。隣の凌雲岳(りょううんだけ 2125m)は道もなく、花を守るため登山は禁止されている。

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ユーザーの登山記録から