大山 | 大山プロガイド協会

地震後の大山は夏山登山道及び新行者コースにはほとんど崩壊箇所も無く問題なく登れます。ユートピアは不安定箇所あり。

色づいてきた鍵掛峠(2016.10.29 中国山岳ガイド協会 事務局)
色づいてきた鍵掛峠(2016.10.29 中国山岳ガイド協会 事務局)
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天気・気温

10/23(日) 08:00大山寺の天候 曇 気温14℃ 微風
11:00山頂の天候 雨 気温7℃ 無風
鳥取市の天気予報
明日
雨のち曇
21℃
15℃
明後日
19℃
14℃
日本気象協会提供 2024年4月20日 0:00発表
松江市の天気予報
明日
雨時々曇
20℃
15℃
明後日
19℃
14℃
日本気象協会提供 2024年4月20日 0:00発表
※ご利用上の注意

山と周辺の状況

10/21に発生した「鳥取県中部を震源とした地震」におきまして、全国各地の皆様にご心配をおかけしております。

発生直後から大山を愛する山仲間が動いてくれて、各登山道の状況の情報収集に奔走し、ある程度のまとめもできました。

夏山登山道及び新行者コースにつきましては、ほとんど崩壊箇所も無く、問題なく登れます。
「大山は元気です!」大山自体もそうですが、鳥取県みんなで頑張っていますので、ぜひ大山においでください。

10/23に登山した時の状況
山陰地方は太平洋上に停滞前線が居座り、大陸から寒気を伴った高気圧が張り出してきつつあるため、天候が不安定で冷たい雨が降り始めました。

今日は二十四節期でいうところの「霜降(そうこう)」で、露が冷気によって霜となって降り始めるころ。また楓や蔦が紅葉し始めるころで、この日から立冬までの間に吹く冷たい北風を「木枯らし」と呼びます。

今日はほぼ天気予報どおりに午前中から雨が降り始めました。
ただ本来の今の時期の雨であれば、もっと気温が下がり山頂では寒いのにあまり気温が下がらずに、これで冬になるの?というぐらいの天候でした。

登山道の地震による影響も無く、通常通りに登れます。
紅葉につきましては、今までのレポートを見て頂けばわかりますが、あまりパッとしません。
晴れればそれなりに綺麗に見えるのですが、悪天候が続き、紅葉目当てに登っても今ひとつという状況です。

今日もかなり厚着でスタートしている方がほとんどでしたが、阿弥陀堂付近でみなさん脱がれてました。
たしかに気温14℃で少し風に吹かれると寒いと感じますが、スタートしてからすぐに樹林帯に入りますので、まず風の影響はさほどではありません。
寒いぐらいでスタートが基本です。

また5合目過ぎて稜線に出てから、結構な風に吹かれましたが、風向きを見た時に山頂付近では風がないなと判断して登りました。
案の定山頂では無風で、さほど寒さは感じませんでした。

女性登山家の田部井淳子さんが亡くなられました。
今まで何回か大山にも来られ、大山寺のとやま旅館を定宿としてゴマ豆腐を食べるのを楽しみにしておられました。
田部井さんには「山を楽しむ」ことを数多く教えていただき、残念でなりません。
ここに、故人を偲ぶとともにご冥福を心からお祈りいたします。

登山道の状況

10月21日に発生した「鳥取県中部を震源とした地震」により大山及び大山周辺の山域に少なからず被害が出ております。
山好きな方たちのお陰でほとんどの地域の被害箇所がおよそですが判明しておりますので、10/22現在の状況を以下にまとめてみます。

<大山地域>
● 夏山登山道については問題なし
● 夏山登山道の新行者コースも問題なし

● ユートピアコースについて
・上宝珠手前の岩がかなり動いている状態で不安定です。
・尾根部は亀裂が多く、今後の揺れ、雨によっては崩落もあり得る感じです。
・三鈷峰は山頂直前の岩場がずり落ちた感じで、非常に不安定な状態です。落ち着くまで近寄らない方が無難かと思います。

※10/22、10/23と谷部は絶えず崩れており、落石、崩落の音が絶え間なく響いている感
じです。
(表面が落ちて新鮮な岩肌が露出しているため遠景は白くて綺麗な状態です。)
・特に上宝珠越手前の岩場から上宝珠越までの間が崩落がひどく、多人数で通ると崩れる恐れがあるため、1人づつ通過したほうが無難です。

・三鈷峰は山頂直下が崩落しており、浮石が多く非常に危険な状態。

※画像№①~⑤まで ⑥は三鈷峰

●大休峠から甲ヶ山
・川床から大休峠は問題なし。
・大休峠から矢筈ヶ山~小矢筈~甲ヶ山も問題なし

●ユートピアから大休峠
・振子山~親指ピーク~野田ヶ山も問題なし。
・野田ヶ山の山頂付近にクラックあり。
※ユートピア状況は時岡様と勝部様提供
※甲方面は勝部様提供

<蒜山>
●中蒜山と上蒜山については縦走路含めて問題なし。
・下蒜山については不明。

<烏ヶ山>
・新小屋峠ルートは分岐までは問題なし。
・キャンプ場からのルートも分岐手前までは問題なしですが、分岐手前から岩場がほとんどすべて崩落しており、通行不能。
・分岐から上部で崩落が特にひどく、岩がほとんど崩落し、ルートもほとんど消滅しています。
※画像№⑦と⑧
画像では分岐上部からキャンプ場ルートを撮影していますが、左下に新しく建てられた標識の頭が見えています。
これでキャンプ場からのルートの岩場がほとんど崩れてしまっているのがお分かりいただけると思います。
もう1枚は同じ場所から山頂方向ですが、ここも崩落しています。
つまり新小屋から登っても分岐までしか登れず、キャンプ場へは下山できません。同じルートのピストンになるということです。
せっかく今夏より登山解禁となった烏ヶ山ですが、とりあえず伯耆町により現在バリケードが置かれました。
※烏ヶ山状況は今井様提供

登山装備

登山装備が基本です。

これからの時期は「秋の日はつるべ落とし」と言われるようにあっという間に日が暮れます。
従ってライトは必携です。
注意すべきは、電池切れです。正しい向きで電池を入れてザックに入れると、荷物の中でプッシュスイッチが押されてしまい、使おうと取り出すと電池が消耗していたということがあります。
電池は1本だけ逆方向の向きで入れて、ザックの中での誤動作を防いでください。
早く行動して日が暮れるまでには十分下山できる予定でも、山では何が起きるかわかりません。

十分な装備で登ってください。もう飲料水と汗拭きタオルだけで登れるほど山は甘くないです。
山頂で気温が一ケタ台にもなりますので、手袋とか防寒具もお持ちください。
雨具でも防寒具の代用になりますが、その際は下着の着替えなどを用意しておくといいと思います。

注意点

●大山 山頂避難小屋の売店
今年も平日は日本山岳ガイド協会の認定登山ガイドの上野ガイドが売店にいますので、お気軽に声を掛けてみて下さい。
なお11月まで無休で営業予定ですが、よほどの悪天候の場合は予告なしに休業する場合があります。
売店の営業の問い合わせは 大山寺 チロル&白樺 電話0859-52-2818まで。

またフェイスブックで「伯耆大山山頂小屋」をご覧ください。
ほぼリアルタイムで山頂の様子が見られます。
上野ガイドが更新しています。
https://www.facebook.com/houkidaisenhutte/

お知らせ

登山道の状態とか装備品などわからないこと、またガイドに関する依頼も受けておりますので遠慮なく下記までお問い合わせください。

日本山岳ガイド協会正会員  登山ガイド 久保昌之
中国山岳ガイド協会
事務局 090-7999-2931
鳥取県日野郡江府町御机鏡ヶ成709-1  休暇村 奥大山
電話 0859-75-2300

昨年の今頃の様子は?

今年は登山道の雪は早く融けてしまい、もう歩くのに支障はありません。2週間ほど早めに推移しています2023.05.02

だんだん蒸し暑さを感じる季節になってきました。そろそろ虫除けスプレーが必要な季節です2023.05.15

大山プロガイド協会周辺の過去の様子

  • 山頂緊急避難小屋付近の状況
  • 3合目手前付近から積雪があります
  • 山頂台地の残雪
  • フキノトウがようやく顔を出してきました
  • 6合目避難小屋の様子
  • ポールの片付けを行う
  • 山頂より剣ヶ峰を望む
  • 少しガスが出ると、大山では、こうなります
  • 山頂碑の様子
  • 山頂より剣ヶ峰を望む
  • 6合目より見た日本海
  • 7合目の様子

大山プロガイド協会

現地連絡先:
090-7999-2931
電話番号:
0859-75-2300
連絡先住所:
〒689-4424 鳥取県日野郡江府町御机字鏡ヶ成709-1 休暇村 奥大山 内

地図で見る
http://chugoku-guide.wix.com/chugoku-guide

施設の詳細を見る

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 山陰地方のほぼ中央にそびえ立つ大山(だいせん)は、天平五年(733)に完成したといわれる『出雲風土記』に、火神岳(ほのがみのたけ)の名で登場する。我が国で最も由緒のある山の1つである。  中国地方の最高峰。大山隠岐国立公園の中心にあり、歴史、民俗、自然科学の面でも傑出したものが多く、名実ともに中国山地の王者である。四季を通じて探訪者が絶えないが、日本海に面した独立峰であり、気象条件、地質地形条件が厳しく、特に冬季は「寒気の吹き出し」の影響を、日本で最初に受けるので、標高に似合わず遭難事故が多い。中国地方の他の山々とは全く異質の山であることを銘記されたい。  一方、自然保護運動の先覚地でもある。全国のゴミ持ち帰り運動の発祥の地であり、数々の乱開発を追放した実績を持っている。現在は一木一石運動(登山者の手によって山頂に石を返す行動)が根気よく続けられている。  山体を形成する角閃石安山岩は軟らかくもろい。激しい浸食作用により、登山道の転変が多く、頂上と通称される弥山(みせん)への道は夏道ルートと行者谷ルート以外は閉鎖されて久しい。両ルートは6合目避難小屋の下で合流し、特別天然記念物ダイセンキャラボク純林を縫って頂上碑に達する。東側に三等三角点が、西に頂上小屋と、やや下って石室(いしむろ)と心字(しんじ)池などがある。いずれも往復5時間程度だ。  最高点の剣ヶ峰へは大神山(おおがみやま)神社から元谷(もとだに)小屋、ユートピア避難小屋を経る一般ルート(往復5時間)の他に大休(おおやすみ)峠からと、地獄谷振子(ふりこ)沢からのルートがあるが、一般向ではない。  元谷をベースに、大屏風(おおびようぶ)岩、小屏風(こびようぶ)岩、烏帽子(えぼし)岩、別山などの岩場がある。岩はもろく、登攀には高度の技術が要求される。南面の南壁はすべてガレ壁で、登降は勧められない。支峰の甲(かぶと)ガ山(せん)、船上山(せんじようざん)にはよい岩場があり、地元のクライマーに愛されている。  大山の名をより高めているのは、史跡の豊富さと荒らされていない生物相とにある。  『出雲風土記』には、大山を杭(くい)にし、弓ガ浜を綱にして島根半島を引いてきたと記され、大化改新(645)前後には修験者の大道場でもあった。以来、興亡栄枯を繰り返し、その遺構が全域に残されている。現存する大山寺と大神山神社の門前町が大山寺(だいせんじ)の集落。今は宿泊施設や飲食店、温浴施設などが参道沿いに並んでいる。 平成30年には、大山情報館が大山ナショナルパークセンターとしてリニューアルしたほか、観光案内所や県立大山自然歴史館も再整備され、大山周辺の情報提供の他、シャワールーム、ロッカー、Wi-Fiなど多くの新しい機能が利用できるようになり、大山登山が一層、便利になった。 冬は西日本最大の広さを誇るスキー場が賑わい、スキーやスノーボード、スノーシューなど、ウィンタースポーツのメッカとなている。

鳥取県 岡山県 / 中国山地中部

蒜山 標高 1,202m

岡山県の最北端に位置する蒜山山群は、中国の名峰・大山連峰の東に連なり、鳥取県倉吉市と、岡山県真庭市との境界をなしている。 蒜山は95万年から50万年前に噴出したトロイデ火山である。岡山県側からの山容は穏やかで、広大な扇状地となり、古くは巨大な淡水湖を擁していたという。蒜山高原からは昭和34年(1969)、ステゴドン(東洋象)の臼歯の化石が発見された。またオオサンショウウオやムカシトンボ、ギフチョウなどの珍しい動物や昆虫のほか、ヒルゼンスゲやリュウキンカ、またイヨフウロ、ツクシゼリなどの貴重な動植物の宝庫となっている。  山名の「ひる」は「蛭の住むような広い湿地」を意味し、「ぜん」は大山(だいせん)の「せん」を真似、より威厳を持たせるため濁って読ませたという説もある。また蒜山には、巨人が住んでいたという伝説もあり、中蒜山と下蒜山の間のコルを「ふんぐり乢(たわ)」と呼ぶのは、この巨人が自分のフングリ(睾丸)を引っ掛けたから、ともいう。  蒜山へは、上蒜山の西麓の百合原牧場の柵を越えて山腹に取り付く。途中、皆ガ山の肩越しに大山が見える。8合目の槍(やり)ガ峰は上蒜(かみひる)一の展望台だ。上蒜山まで約3時間。中蒜山、下蒜山まではさらに約3時間。三山縦走は約8時間。

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矢筈ヶ山 標高 1,359m

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