甲斐駒ヶ岳 | 甲斐駒ヶ岳 七丈小屋

【事故発生】いま一度、山行計画と危険な場所の確認を

二本剣の岩周辺。下山時によく事故が起こる場所です(2017.04.25 甲斐駒ヶ岳 七丈小屋)
二本剣の岩周辺。下山時によく事故が起こる場所です(2017.04.25 甲斐駒ヶ岳 七丈小屋)
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天気・気温

04/25(火) 天気:晴れ 朝5時の気温 0℃

山と周辺の状況

先週末に黒戸尾根で、死亡事故がありました。

注意事項の欄に、ルートの解説や一般的な注意喚起が記載されている七丈小屋ウェブサイトのリンクを掲載します。連休中に山行を計画している方もいらっしゃるかと思います。いま一度、危険なルートの確認をしていただきたいと思います。

3月末にも小屋の下で事故があり、残念ながら2ヶ月連続で死亡事故が発生してしまいました。大型連休もあり、みなさんに楽しんでいただきたい気持ちは強いのですが、この時期の黒戸尾根は甘くありません。雪山が厳しい環境であることを肝に銘じ、決して安易な気持ちで登山をされないよう、心よりお願い申し上げます。

■小屋周辺の様子
太陽が上ってきて、ぐんぐん気温が上がってきています。これにより、一層雪解けが進みました。
小屋の周辺も、ここ数日で一気に雪の量が減ってきていますが、まだまだ多くの雪が残っています。

登山道の状況

<登山口〜笹の平〜八丁坂取り付き>
笹の平までは雪は全くありません。
八丁坂取り付きまで、ところどころ雪はありますが、通行に差し支えありません。

<八丁坂取り付き(三十三番観音様)〜刃渡り>
雪があり、凍結場所が多く見られます。歩行に不慣れな方や重荷の方は、チェーンスパイクが心強い味方になってくれるでしょう。下山時は気が抜けやすく、転倒が発生しやすい場所です。気をつけてください。

<刃渡り〜七丈小屋>
刃渡りには雪はありません。アイゼン等は使用しないほうがよいでしょう。
刃渡りから上部は凍結場所が多く、難所も連続します。前爪のあるアイゼンの使用を強くおすすめします。特に刀利天狗下の鎖場や五合目から上部は気が抜けません。雪がたくさんあった4月上旬よりも歩きにくい状況です。十分に気をつけて行動してください。

<七丈小屋〜山頂>
七丈小屋から上部は完全な雪山です。前爪のあるアイゼンとピッケルを必ず装備してください。歩行に不慣れな方にはおすすめできない状況です。八合目〜九合目のルンゼ状地形の通過には、引き続き注意をしてください。4月23日にこの付近で滑落死亡事故が発生しました。詳しくは注意事項のリンクよりご確認ください。

登山装備

標高差2200mある黒戸尾根は、環境の変化が激しいことが特徴です。
八丁坂の取り付きまでは、ハイキングの服装でも問題なく上がってくることができます。しかし、ここから先は徐々に雪が出てきて、刃渡りを過ぎたあたりから本格的な雪山になります。山頂を目指す際は、前爪のあるアイゼンとピッケルを必ず携行してください。

注意点

■注意
黒戸尾根だけの話ではありませんが、この時期は気温差が大きく、特に気温が上がる午前10時頃から急速に雪が緩み始めます。緩んだ雪ではアイゼンが効きにくく、滑落が起こりやすい状況です。できるだけ早く行動を開始し、お昼過ぎには行動を終えるぐらいのスケジュールで行動計画を立てることをおすすめします。日帰りで計画されている方は、特に注意をしてください。

■事故発生
4月23日に、黒戸尾根8合目〜山頂付近で滑落死亡事故が発生しました。
事故後すぐに小屋のウェブサイト上で状況が配信されたので、すでにご存知の方もいるかと思いますが、改めてお伝えいたします。情報拡散にご協力いただければ幸いです。

■七丈小屋ウェブサイト:【拡散希望】重大事故が発生しました
https://www.kaikoma.info/single-post/2017/04/23/%E3%80%90%E6%8B%A1%E6%95%A3%E5%B8%8C%E6%9C%9B%E3%80%91%E9%87%8D%E5%A4%A7%E4%BA%8B%E6%95%85%E3%81%8C%E7%99%BA%E7%94%9F%E3%81%97%E3%81%BE%E3%81%97%E3%81%9F

今の時期、高い山のコンディションは、甲斐駒ヶ岳に限らずどこもまだまだ雪山です。他の山にも照らし合わせてご覧ください。亡くなった方は、この時期の黒戸尾根を何度も登った経験があり、他にも多くの雪山登山の経験がある方でした。このことから、無謀な登山ではないと思われ、何かの拍子に、一瞬にして滑落したのではないかと推測されますが、これが現実です。

七丈小屋前に最新の登山道状況を掲示しています。登山の際の参考にしてください。

お知らせ

甲斐駒ヶ岳七丈小屋は、山梨県北杜市が指定管理者制度で運営する公共施設です。2017年4月に指定管理者が変わり、営業体制が変わりました。
登山者のみなさまにとってより良い小屋になるよう努力して参りますので、よろしくお願いいたします。

・連休中の営業につきまして
通年営業の甲斐駒ヶ岳七丈小屋では、週末からの連休期間中も元気に営業しております。
お食事(夕食のみ)付きでのご利用は、必ずご予約の上お越し下さい。素泊まりの場合でも、できる限りご予約をお願いいたします。
小屋直通電話… 090-3226-2967

連休から北沢峠にある小屋も営業開始しますので、黒戸尾根〜甲斐駒ヶ岳〜北沢峠〜仙丈ヶ岳の縦走なども楽しめます。北沢峠のこもれび山荘さんでは、七丈小屋を利用して黒戸尾根を越えてきた皆さまにワンドリンクサービスがあるとのこと!
GW中は人が少なく、静かな登山が楽しめますので、皆様のお越しをお待ちしております。

昨年の今頃の様子は?

厳冬期過ぎても独特の技術的難しい時期。日曜以降の状況変化は特に注意。体力+技術+装備を整えて2023.03.16

今週末は雨でも雪でもどちらにしても難しいコンディションになりそうです2023.03.24

凍結、積雪あり。下山時要注意。冬山営業は5/28迄。5/29~夏山営業(宿泊要予約、夏山受付4/1~)2023.03.30

小屋より上は雪あり慎重に。冬山営業5/28迄。5/29~夏山営業(宿泊要予約、受付4/7の13時~)2023.04.07

明日は雨予報。雨後も万全の装備で。冬山営業5/28迄。5/29~夏山営業(宿泊要予約、受付中)2023.04.14

小屋から上はピッケル&アイゼン必要。5/28迄冬山営業。以降は夏山営業(宿泊要予約、受付中)2023.04.21

小屋から上はピッケル&アイゼン必要。雪質変化あり確実なアイゼンワークで一歩一歩、慎重に2023.04.27

甲斐駒ヶ岳 七丈小屋周辺の過去の様子

  • 夜半から強風。今朝は晴れて厳しい冷え込みとなりました。不安定な天気です
  • 強い西風が吹いていますが晴天が続いてまいす
  • 山頂へ続く道 強い西風で雪質は締まってきました
  • 周辺の様子
  • 積雪
  • 小屋前の様子 昨日の降雪が今朝は湿雪に変わりました
  • 小屋前の様子
  • 注意喚起の看板を設置しました
  • 晴天
  • 五合目まで道の様子。積雪量概ね脛ぐらいですが、部分的に膝上になる箇所もあります。鎖場、ハシゴのある核心部は除雪しました。
  • 五合目まで道の様子 通常のコースタイムよりも時間がかかることを想定し、余裕をもった計画で
  • 麓に雲海が広がり今朝の北アルプスはとても際立って見えました。

甲斐駒ヶ岳 七丈小屋

現地連絡先:
090-3226-2967
電話番号:
090-3226-2967
連絡先住所:
山梨県北杜市須田町若神子新町1205-25

地図で見る
https://www.kaikoma.info

施設の詳細を見る

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甲斐駒ヶ岳 標高 2,966m

 全国に駒ヶ岳を名のる山は20座を超えているという。その中で最も高いのが甲斐駒ヶ岳である。作家の宇野浩二は、『山恋ひ』の中で、「山の団十郎」と絶賛した。ふもとから仰いだその山姿は、正にその名に価する高貴な山容をもって迫ってくる。  太古、武御雷命(たけみかずちのみこと)が生んだ天津速駒(あまつはやこま)という白馬がいた。羽があって空中を飛んでおり、夜になると、甲斐駒ヶ岳の頂上で眠ったとのこと。これが命名の由来といわれている。  また、天平3年(731)には、甲斐国から朝廷に、身が黒色、尾が白い馬が献じられた。その馬に乗って聖徳太子が甲斐駒ヶ岳を往復したとか。ふもとを巡る川は、それにちなんで尾白(おじら)川と呼ぶ、などの伝説も残っている。  それはともかく、かつては駒ヶ岳講の名において、白装束の講中登山の山であった。開山したのは、信州・諏訪の小尾権三郎(弘幡行者)で、文化13年(1816)6月15日、20歳のときであった。しかし、文化11年編『甲斐国志』には、すでに「山頂巌窟ノ中ニ駒形権現ヲ安置セル所アリ」と記しているので、その真偽のほどは分からない。  登拝路のメインルートであった黒戸尾根上に残る、おびただしい信仰のモニュメントの数々を目にすると、そんな歴史上の小さな矛盾は消し飛んでいくような気がする。  かつては、白崩山の異称さえあった、真っ白な花崗岩とハイマツの緑に覆われた山頂からの眺めは、さすがに一等三角点の本点だけのことはある。この三角点のやぐら(覘標(てんびよう))は明治24年7月10日に建てられ、同年7月14日に標石を埋めた。同年9月12日から25日まで観測が行われている。南アルプス三大急登の1つに数えられる黒戸尾根を、重さ90kgもある標石を担ぎ上げた先人の苦労には頭が下がる。  甲斐駒ヶ岳は、伊那の人たちは東駒ヶ岳と呼んでいる。目と鼻の先に見える山に、他国の名を冠するほど人間はお人好しではない。  さて、甲斐駒ヶ岳を巡ってたくさんの花崗岩の岩壁がある。この一帯に集中的に挑みルートを開拓していったのは、主として東京白稜会のメンバーであった。1949年から1970年にかけてのパイオニア・ワークは、一頭地抜きん出ている。この会の代表であった、恩田善雄氏の「甲斐駒ヶ岳―わたしの覚書き」は、甲斐駒周辺の地誌、登攀記録、山名の由来、伝説などを網羅したものである(未刊行)。  登山コースは尾白川渓谷から黒戸尾根経由で山頂まで9時間。南西の北沢峠からは双児山、駒津峰を越えて約4時間の登りで山頂へ。

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駒津峰 標高 2,752m

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双児山 標高 2,649m

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