富士山の見える山に行こう!
■ 富士山の見える山を歩くための、8つの知恵
冬から春にかけて、登山初心者が富士山の見える山を歩くときに注意しなくてはならないことには、降雪、積雪、凍結など、夏季にはない危険を伴うことが考えられる。
登山時に注意しなくてはならないこと、展望を楽しむためのポイントなどを、アドバイスする。
標高800m以上の山では、「平地が雨でも山は降雪」の可能性も

▲金時山でも冬は雪が積もる。冬富士にはアイゼンを
  用意したい   写真=佐古清隆

 ここで紹介する山々のうち、関東、東海の太平洋岸の標高300~800m程度の山ならば、降雪量は少なく、平地まで雪が降るようなとき以外では、比較的雪の心配は少ない。

 しかし、標高が800m以上の山になると、平地が雨でも山は降雪ということも考えられる。当日の天気だけでなく、山行数日前の天気なども確認しておくと、山に雪が残っているかどうかが想像できるだろう。

 行きたい山の近くに山小屋やビジターセンター、自治体の窓口がある場合は、雪の状況などは直前でも確認してから出かけたい。

 冬から春にかけては、常に残雪や凍結が考えられるため、4~6本爪の軽アイゼンは必携だ。もちろん事前に自分の登山靴に装着・着脱ができるよう練習しておこう。

北側から、南側から、どっちから登る?

▲北斜面(写真左)は凍結していて寒い可能性があるが、
  草木の茎に「氷の花」を見つけて楽しめることも。
  一方、南斜面は日差しを浴びて明るく、暖かい道を歩けるが、
  ぬかるみなどには注意!

 例えば、山梨県のJR中央線沿線のような、富士山より北側にある山から展望を得ようとする場合、その山の北側から登るのか、南側から登るのかによって楽しみは異なる。

 北側から登る場合、稜線や山頂に出るまで富士山の姿が見えないことが多い。そのため山頂で想像を超えて大きな山体の富士山を見られたときの感動は大きい。南側から登る場合、途中から富士山が見えてくるケースが多く、富士山を振り返りながら登ることができる。

 ただし、冬から春にかけては、北斜面では遅くまで雪が残っていたり、地面が昼近くまで凍結していたりする。南斜面を登る場合は、反対に、凍結した道が日を浴びて緩み、ぬかるんでいたりする。それぞれのよい面・悪い面を考えて、山行を計画しよう。

公共交通派とマイカー派の楽しみ

 富士山周辺の山域は、公共交通機関が充実しており、電車・バス、または、タクシーなどを利用したアプローチが取りやすい。

 公共交通を利用する場合は、起点・終点にとらわれず、縦走するようなルートをとることができる。ただしコースによっては、バスの本数は少なく、時刻表は事前に確認したい。

 マイカーの場合は、電車やバスのように時刻表にとらわれず、自由な時間に移動できるが、登山口に駐車場または駐車スペースがあるルートを選ぶ必要がある。また、起点と終点が同じか、再び起点に戻って来られるようなルートを設定しなくてはならない。

 どちらも一長一短あるので、山行計画を練って、余裕のあるプランを立てよう。

山体の見え方は見る場所によって変わる!

 真上から見た富士山の裾野はまん丸ではなく、北西から南東にかけての軸が長い楕円形をしている。長い軸の延長線上から眺めるとほっそりと見え、北東から南西にかけての短い軸の延長線上から眺める富士山はどっしりとした山体に見える。

 また五合目付近には、北側に小御岳、南東側の宝永山の噴火跡があり、東側の丹沢方面から見ると肩を張ったように見える。

方角別! 山体の見え方

▲南側(沼津アルプス・鷲頭山)からの富士山
  宝永山の大噴火口が美しい!

●南側から:越前岳、発端丈山など
  左側稜線が急斜面であるのに対して、右斜面はなだらかで優美な曲線を描く。宝永山の噴火口を正面にして、山頂左に剣ヶ峰が見える。

●東側から:石割山、丹沢山塊など
  中腹左に宝永山、中腹右に小御岳の出っぱりが目立つ。山頂右に大日岳を見る。

●北側から:御坂黒岳など
  どっしりした山体に見える。山頂から左下に流れる吉田大沢の沢筋が目立つ。山頂正面に久須志岳、山頂直下に岩盤のひさしが見える。

●西側から:長者ヶ岳など
  大沢崩れの荒々しさを見ることができる。急斜面のため、冬は雪がつきにくい。山頂右に剣ヶ峰、左に白山岳の突起を見る。

ダイヤモンド富士を狙おう!

▲これぞダイヤモンド富士!

 日の出・日の入り時に、富士山山頂に太陽がかかる状態を「ダイヤモンド富士」と呼ぶ。例えば丹沢・塔ノ岳では2月23日、10月19日(語呂合わせで、フジサン、塔、行く)前後、丹沢の大山では3月2日前後、高尾山では冬至のころに見られる。

 展望地点から富士山までの距離が長いほど、太陽の大きさと比べて富士山が小さくなるのが特徴だ。

季節・時刻・太陽光線で色が変わる富士山

▲夏の富士山は、色が冬とはちょっと違う!

 富士山に当たる太陽光線は、季節や時刻によって変化する。
 例えば、日の出(日の入り)位置は春分・秋分では真東(真西)で、冬至には東南東(西南西)、夏至には東北東(西北西)に寄る。また、日中の太陽高度は冬至には低く、夏至には高くなる。

 こうした特徴を踏まえて、富士山の北側の山で展望する場合を例にすると――。
 冬至には、一日のうちで太陽高度が最も高くなる正午前後でも、光線が富士山北側斜面まで届かないため逆光気味になり、雪で覆われて白いはずの山体が灰色気味になる。

 一方、春分・秋分前後には、日の出時刻には山体左半分にしか太陽光線が当たらないが、時間経過とともに山体全体に光が当たり始める。

 夏には、日の出位置が東北東であるため、日の出直後から富士山の山肌のかなりの部分が順光線を浴びる。

富士山にかかる雲にも注目!

▲笠雲がかかる富士山、本社ヶ丸より
  写真=泰磨徹

 富士山は独立峰のため、特別な雲が出る場合がある。代表的なのは笠雲で、山頂上部に傘をかぶったような形だ。富士山を乗り越える風が、冷たい風の層と暖かい風の層の段になっている場合に出現する。

 風が強すぎる場合には、山頂上部ではなく、少し離れた位置に吹き飛ばされたように発生し、吊し雲と呼ばれる。

富士山の見える山 ベストコース45
価格 1,890円(税込)   サイズ 5判144ページ
 
 首都圏から日帰りできる山を中心に、絶景富士山を仰ぐ山とコースを45件収録。
 富士山周辺の三ツ峠山、毛無山、足和田山をはじめ、丹沢・箱根周辺、伊豆・駿東周辺、高尾・道志周辺、大月・大菩薩周辺の山々を1山2ページでコンパクトにガイドしています。
 巻末には「富士山展望写真193山」を収録。
こんにちは、ゲストさん
◆東京の天気予報[山域を変更]
明日

明後日

(日本気象協会提供:2017年7月28日 17時00分発表)
[ログイン]
ユーザ登録・ログインすることで、山頂天気予報を見たり、登山履歴を登録・整理・分析して、確認できます。
NEW グレゴリーの定番バックパックをチェック!
グレゴリーの定番バックパックをチェック! 高橋庄太郎さんの連載「山MONO語り」。今月はグレゴリーの定番大型バックパック「バルトロ」の新サイズ55Lをチェック!
NEW オススメ・トレッキングコースを選ぶのはアナタ
オススメ・トレッキングコースを選ぶのはアナタ NHK BSプレミアムで9月に放送される「にっぽんトレッキング100」、おすすめコースを選ぶのは、会員の皆さんです。ぜひ...
NEW 「山ジップロック研究所」今週は、山の衣料小物を賢く収納!
「山ジップロック研究所」今週は、山の衣料小物を賢く収納! どんどん増えてしまう山道具。特に、小さくたたむと見た目がにている衣料小物の保管をジップロックで賢く収納する術をご紹介
NEW ホグロフス、復活した人気ソフトシェルの実力は…!?
ホグロフス、復活した人気ソフトシェルの実力は…!? モニターレポート到着! 人気ソフトシェル、「リザードⅡジャケット」を悪天候の谷川岳などでテスト! 今後も更新予定!
NEW 「ソニー アクションカム」で、思い出の山行を映像に残そう!
「ソニー アクションカム」で、思い出の山行を映像に残そう! 山仲間と簡単にシェアできる! 「ソニー アクションカム」で美しく鮮やかな映像に残しましょう。あなたの山行の思い出と一緒に
NEW カーキャリア世界最大手が手掛けたバックパック
カーキャリア世界最大手が手掛けたバックパック 街中で見かけるようになったTHULE(スーリー)のバッグ。トレッキング用バックパックも販売しているの、ご存知でした?
NEW 魅力あふれる山域 妙高戸隠連山国立公園
魅力あふれる山域 妙高戸隠連山国立公園 長野・新潟県境に、新たに誕生した「妙高戸隠連山国立公園」。6つの名山の魅力と山麓の温泉、見どころを紹介!
NEW いざという時、探し出せる 捜索ヘリサービス
いざという時、探し出せる 捜索ヘリサービス 登山者に何か起こった時、端末が電波を発信し、位置を特定できるという「会員制捜索ヘリサービス“ココヘリ”」。詳しくはこちら
NEW 温泉施設新設! 日本百名山の日光白根山へ
温泉施設新設! 日本百名山の日光白根山へ 日本百名山&関東最高峰の日光白根山は山麓からゴンドラで一気に標高2000mへ。山麓に温泉施設が新設され、さらに便利に! ...
NEW ミステリーランチから、こだわりの軽量モデルが登場
ミステリーランチから、こだわりの軽量モデルが登場 米軍特殊部隊など、プロご用達の製品としても名高いミステリーランチから「スタイン62」が登場! モニター募集!
登山の厳しい環境に対応のGPSトレッキングギア
登山の厳しい環境に対応のGPSトレッキングギア EPSONのGPSデバイスMZ-500シリーズ。GPS機能と独自のアルゴリズムを使って高精度に計測できる“GPSトレッキ...
NEW 乗鞍岳へ! 岐阜・高山から始まる山旅
乗鞍岳へ! 岐阜・高山から始まる山旅 在日台湾人2人が、高山からの山旅で乗鞍岳へ。初めての3000m、温泉も街も自然も堪能した岐阜県の山旅レポートを再掲載
NEW カリマーの人気レインウェアはバランスが絶妙
カリマーの人気レインウェアはバランスが絶妙 カリマーの人気レインウェア「ビューフォート 3L jkt」をモニタープレゼント! 軽さと快適性の絶妙なバランスを体感しよ...
NEW GPS搭載のSUUNTO「TRAVERSE」が新登場
GPS搭載のSUUNTO「TRAVERSE」が新登場 「アルティマックス」を愛用しているというライター・笹倉さんがスントの「トラバース」をフィールドテスト!
ツラく、キツく、長い急登の登山道を制す
ツラく、キツく、長い急登の登山道を制す 長い急登を汗水流し、気合と根性を振り絞って、延々と登った先にある素晴らしい景色と充実感を味わいたいなら、ココに決まり!
NEW 軽さだけじゃない。カリマー「SL35」、レポート到着!
軽さだけじゃない。カリマー「SL35」、レポート到着! 軽すぎず、快適で、背負いやすい! カリマー「SL35」のモニターレポートが到着。いろんな環境で使っていただきました。
日本百名山、谷川岳に登ろう!
日本百名山、谷川岳に登ろう! 深田久弥氏が「近くていい山」と記した谷川岳。ロープウェイから登れ、周囲にも魅力的な山が連なっています!
進化したスマートウォッチをフィールドテスト!
進化したスマートウォッチをフィールドテスト! カシオのスマートウォッチが進化しGPS搭載に! ギア好きライター礒村真介氏がフィールドテスト。その使い勝手は…。
ロープウェイ、ゴンドラで行ける山々
ロープウェイ、ゴンドラで行ける山々 ファミリー、初心者でも短時間で絶景を堪能! ロープウェイ、ゴンドラを使ってアクセスできる5つの山を紹介!
尾瀬をグッと身近にする「尾瀬ナビ」公開!
尾瀬をグッと身近にする「尾瀬ナビ」公開! 尾瀬ってどんなところ? なにがあるの? そんな疑問にお答えします!尾瀬の魅力を紹介するサイト「尾瀬ナビ」!