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一息入れたい、お茶を沸かそうと思っているうちに、みるみる雲が出てきて、富士山が隠れてしまうこともよくあることなのです。だからまず、見えたら撮る!
富士山を展望するには、登った山が晴れていて、しかも富士山自体に雲がかかっていない状態でなければならない。富士山が見えていても、一部分しか見えない場合や全体にボーッと霞んでいる場合がある。
気象面での考慮点は以下のとおり。
富士山を鮮明に見るには、一日のうち、空気の澄んでいる朝が有利だ。午前10時過ぎには遠望しづらくなることが多い。
そのため可能な限り早朝に山頂に立ちたい。ただし冬季には寒さ対策は大切だ。
富士山を見たい、撮りたいとなったら、富士山が見えるポイントに長く滞在すること。ということは、とにかく早い時間に登り、早く撮影ポイントに着くこと。
山頂に着いて「10分前まで見えてたんですよ」と言われることほど悔しいことはない。後悔しないためにも、早い時間に登り、見るチャンスを逃さないようにしよう。
筆者は富士山の左右の裾野を画面いっぱい収めたい場合、35ミリフィルム換算のレンズの焦点距離は、撮影ポイントから富士山までの距離の2~3倍の数値をメドにしてきた。
例えば、三ツ峠山の場合、富士山からの距離は約22kmで、約2倍の数値の焦点距離40ミリ前後のレンズ(35ミリ判換算)をしようすれば、山体全体が収まる、という計算だ。
富士山を絵画的、あるいは美的に撮りたい場合、背景の空(雲を含む)と前景の取り込み方が大きな要素となる。
筆者の場合は、確実に撮れることを最優先にして天候安定期をねらうため、ごくありふれたおとなしい富士山を見ることが多かった。空には雲ひとつない状態が多く、面白みに欠けるともいえる。
その点、天気の変わり目には変化に富んだ雲が出る場合がある。九州方面に低気圧が接近してきた場合などをねらう人もいるほどだ。しかしこういう時は富士山自体が見えない可能性も高く、タイミングとしてはかなりきわどい。