HOME > 特集 > 東北の山は、いま。

東日本大震災発生後、『山と溪谷』誌では、 6月号で速報としての山岳情報を掲載。
続く7月号では「東北の山へ出かけよう」と題して、ガイド記事を掲載した。 その次にできることは何だろう、と考えた。 ひとつには、自分で東北の山に行ってみるべきではないだろうか。
登山道の変化や登山者の姿を、自ら歩き、見て、聞いてみよう。 そして、リアルな山の現状を伝えよう。
それこそは、わずかかもしれないが、 本誌としてできる、本誌ならではの復興支援の形になるのではないだろうか。
そう思ったのだ。

めざしたのは、栗駒山、焼石岳、早池峰山の3座。 東北のなかでも登山者が多そうな山を選んだつもりだった。
ただ、3座ともめだったのは、東北各県からの登山者だ。
話を聞いた人のなかには、 津波で床下浸水になったり、 地震で家が傾いてしまった、 という人もいた。
それでも山に登るというのは、 東北人のたくましさなのか、 山の魅力の故なのか、 別の理由があるのか。
ほんとうのことは私にはわからない。


▲取材に向かった7月12日~14日、東北の山々は花のハイシーズンを迎えていた(写真は焼石岳)

ひとつ言えることは、 東北の山は登れる、 東北の人たちは登っている、 ということだ。

今回登ったのは、わずか3座だが、 登山道やアプローチに震災の影響はまったくなかった。
これから秋にかけて、登山のシーズンはまだ続く。 特に栗駒山は秋の紅葉がみごとだ。

関東・関西・そのほか遠方の人も、ぜひ東北の山に出かけてほしい。 出かけ、泊まり、登り、食べ、買い、帰る。
帰ったらその楽しさやすばらしさをほかの人に伝える、発信する。
ボランティアをしたり、義捐金を送ったりという復興支援はもちろんあるが、 登山者として、山に登るという方法で、 間接的ではあるが支援できるのではないだろうか。

『山と溪谷』2011年9月号掲載の記事に大幅加筆修正して、 登山者の声を中心とした、私が見た東北の山の現状をお届けする。

今だからこそ、東北の山に登りたい。登ってほしい。
自ら東北の山に登ってみて、あらためてそう思った。

≪ 前のページ 次のページ ≫