みんなの山ごはん
定番!? 行動食ランキング
行動中も積極的にエネルギーを摂取!
あんどう・はやと
健康運動指導士であり、日本登山医学会の評議員も務める。運動生理学が専門で、三浦雄一郎氏が運営する低酸素トレーニング施設「ミウラ・ドルフィンズ」にて、海外登山や高所旅行の運動指導を担当している。

 行動食は大切なエネルギー補給と考えよう。行動中に非常に多くのエネルギーを消費する登山で低血糖に陥ると、集中力が切れて転倒につながることもある。

 「エネルギー補給をしないまま歩き続ければ、シャリバテ(飯が足りずにバテること≒低血糖)になる可能性があります。車のガス欠のようにならぬよう、行動中も積極的にエネルギーを摂取しましょう」と安藤氏は話す。

6項目のバランスのよさがカギ

 監修・安藤氏の協力のもと、編集部が任意に選んだ10品目を、行動食に必要な6つの項目ごとに5段階で評価し、総合得点でランクづけした。

 評価項目の「軽さ」は100kcalあたりの重量で評価した。「糖質」と「脂質」は100gあたりに含まれる量を、「価格」はコンビニでの販売価格をもとに、100kcalあたりの価格で判定している。

 「携行性」は包装や行動中の食べやすさ、パッキングのしやすさなどを考慮した。「日持ち」は購入時の賞味期限の日付をもとに評価した。

 堂々の1位はソフトクッキーとなった。これは安藤氏が山行にいつも携行するイチオシの食品だ。

 2位、3位には行動食の定番、柿ピーとドライフルーツがランクイン。これらも糖質・脂質に加え、日持ちや携行性の得点が高く、1位のソフトクッキーとは僅差であった。

 年輩の女性たちのザックから登場することが多いミニトマトやみかんは、今回の評価項目では点数が伸び悩み、最下位となってしまった。「みずみずしさ」や「疲労回復感」といった項目があれば、上位を狙えたかもしれない。

 
1位
ソフトクッキー
軽さ・糖質・脂質・日持ちなど、総合的に優れた行動食であることが判明した。
小分け包装で携行性も抜群。価格面だけがややマイナス。
軽さ21.4g、糖質65.7g、脂質20g、価格37.2円
クッキー
 
2位
柿ピー
糖質に秀でた柿の種と、脂質を含むピーナツのダブル効果で上位にランクインした。
柿の種とピーナツの両方をまんべんなく食べるのがポイント!
軽さ20.3g、糖質59g、脂質21.6g、価格22.6円
柿ピー
 
3位
ドライフルーツ
評価にはドライマンゴーを用いた。10食品のなかで抜きん出ていたのは糖質の量。約92%が糖質だ。日持ちするので非常食としても優れる。
軽さ26.3g、糖質92.1g、脂質0.7g、価格60円
ドライフルーツ
 
4位
ミニドーナツ
今回の10食品のなかで最も脂質が多く含まれ、カロリーが高い。4個入りのお徳パッケージで検証したためか、価格面でも高評価に。
軽さ21.3g、糖質47.7g、脂質28.8g、価格17.4円
ミニドーナツ
 
5位
ぬれせんべい
糖質の多さはドライフルーツに次いで2位。歌舞伎揚げなど、油で揚げたせんべいなら脂質量も増え、さらに上位が狙えたかもしれない。
軽さ32g、糖質73.7g、脂質0.8g、価格36円。
ぬれせんべい
 
5位
コッペパン
「あんこ&マーガリン」を評価した。日持ちやパッキングの際につぶれてしまうのを気にしなければ、軽く、カロリーも高く、優れた行動食といえる。
軽さ28.5g、糖質45.4g、脂質15.3g、価格20.5円
コッペパン
 
7位
おにぎり
コンビニの商品のなかでも比較的カロリーが高めのツナマヨを使用した。上位を狙えると予想されたが7位と低迷した。腹持ちや満足感は秀抜。
軽さ54.6g、糖質34.3g、脂質3.3g、価格46.6円
おにぎり
 
8位
梅干し
日持ちはするが、その他の面では劣る結果に。お新香なども同じ結果が予想される。乾燥タイプを選べば、軽さや携行性の評価は改善されるだろう。
軽さ263.1g、糖質8.8g、脂質0.1g、価格521円
梅干し
 
9位
ミニトマト
山で食べるフレッシュなミニトマトは美味。喉の通りやおいしさと、水分補給という面では高く評価できるが、日持ち以外はすべて1の評価に。
軽さ344.8g、糖質7.2g、脂質0.1g、価格570.8円
ミニトマト
 
9位
みかん
水分と甘みがあり、疲れた体には効果的と思われたが、期待された糖質も低評価に留まるなど、行動食という意味では点数が伸び悩んだ。
軽さ261.9g、糖質9.9g、脂質0.1g、価格198.2円
みかん
 
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