常念岳~蝶ヶ岳の稜線で滑落した登山者を救助 島崎三歩の「山岳通信」 第71号

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長野県が県内で起きた山岳遭難事例について配信している「島崎三歩の山岳通信」。2017年5月23日に配信された第71号では、北アルプス常念岳で起きた遭難事故などについて触れている。

 

5月23日に配信された『島崎三歩の「山岳通信」』第71号では、5月8日~14日の間に起きた山岳遭難の遭難事例が掲載されている。以下に抜粋・掲載する。

 

5月8日~14日の信州の山岳遭難現場より

5月8日~14日の間に長野県内で起きた山岳遭難は以下の4件でした。

  • 5月7日、長野県北安曇郡小谷村の雨飾山で、滑落した仲間の救助要請をするためにパーティ仲間と離れて下山を開始していた69歳の女性が、道に迷い行方不明となって連絡が取れなくなる山岳遭難が発生してた。5月8日より、県警ヘリ等で捜索していたが、4日後の11 日に自力で下山して小谷村の民家に助けを求め、無事が確認された。

  • 5月10日、長野県塩尻市下西条の大芝山付近で、72歳の男性が下山中にバランスを崩して転倒して頭蓋骨骨折などの重傷を負う山岳遭難が発生。山梨県防災ヘリで救助された。

  • 5月14日、北アルプス北穂高岳南陵付近で、47歳の女性が涸沢から北穂高岳に向けて登山中、雪に足を滑らせて滑落し、顔面などを打撲する山岳遭難が発生。県警ヘリで無事に救助された。

  • 5月14日、北アルプス蝶ヶ岳付近で、常念岳から蝶ヶ岳に向けて縦走中の43歳の女性が、雪に足を滑らせて稜線から約 200m滑落し、骨盤骨折の重傷を負う山岳遭難が発生。県警ヘリで無事に救助された。

蝶ヶ岳で発生した滑落遭難の現場(写真提供:長野県警察本部 ホームページ 山岳遭難発生状況(週報)5月19日付)

 

長野県警山岳安全対策課からのワンポイントアドバイス

標高の高い稜線、沢沿いの登山道などは、残雪により不明瞭な部分があるため、通行に際しては、滑落や道迷いに十分な注意が必要です。事前に残雪や登山道の状況などを付近の山小屋等に確認するようにしてください。

また、自分の体調や体力、登山経験を客観的に把握して、自分の力量に見合った登山をするように心がけましょう。

 

なお、下記URLより、「島崎三歩の山岳通信」バックナンバーもご覧いただけます。今後の登山にぜひ役立ててください。
 ⇒長野県・島崎三歩の「山岳通信」

 

プロフィール

島崎三歩の「山岳通信」

信州の山岳遭難現場と全国の登山者をつなぐために発行。「登山用品店舗スタッフ」「登山情報サイトを利用する登山者」「長野県内の各地区山岳遭難防止対策協会」などに対して、長野県の山岳地域で発生した遭難事例を原則・1週間ごとに、「安全登山」のための情報提供をしている。

⇒バックナンバーはコチラ!

島崎三歩の「山岳通信」

長野県では、県内の山岳地域で発生した遭難事例をお伝えする「島崎三歩の山岳通信」を週刊で配信。その内容をダイジェストで紹介する。

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