山料理の"主食"となる便利な食材たち 小雀陣二の3ステップで作る『山料理』
アウトドアクッキングの第一人者、小雀陣二氏が、調理用具にも食材にも制限の多い登山中でも、簡単かつおいしい作ることのできる実践的なご馳走を、3ステップで紹介する連載『山料理』。
第3回は視点を変えて、山料理の主食となる食材について考察してみました。
今までは、山料理のレシピについて紹介してきましたが、今回は少し視点を変えて、山料理の主食となる食材について、紹介したいと考えています。
登山の食材は、携行しやすく、かつ調理が簡単なものがベストです。『3ステップで簡単! ご馳走 山料理』(好評発売中!)では、山料理向けの食材についても、さまざま考察しています。
今回は本のなかから、ごはんやパスタなど、主食となる食材のアイデアを抜粋してまとめてみました。簡単に作れる山料理の例を、一挙に4つ紹介します。
今週末の登山で、すぐに試せるお手軽な山料理です。詳しいレシピは、ぜひ本を確認してください。
ごはん料理の食材⇒コンビニ塩むすび
登山中のごはんと言えば、アルファ化米をイメージするかもしれません。でもコンビニのおにぎりでもいいんです。
僕は塩むすびをはじめ、手軽に料理に使える名役者と思っています。登山前に塩むすびをコンビニで買えば、さまざまなごはん料理の材量となります。丼ぶり、雑炊、炒め飯など、用途はさまざま! 例えば・・・
コンビニ塩むすびを使った山料理・・・・きのこリゾット
とろーりチーズが食欲をそそるイタリアンの定番は、塩むすびを使ったお手軽レシピ。
パルミジャーノ・レッジャーノをすり下ろせば、より本格な味わいとなります。
麺料理の食材⇒そうめん
山にぴったりな万能食材そうめん。エネルギーを与えてくれ、何より茹で時間も短く手軽に調理できる山料理の頼もしい味方です。
乾麺なので持ち運びも簡単で、実は麺つゆ以外の味でも食べやすく、さまざまな麺料理に応用できます。
そうめんを使った山料理・・・あさり煮麺
アサリの缶詰をだしごと使えば、うま味が凝縮した極上の汁があっという間にできあがるのです。消化を助けるネギとやさしい味で心と体がホッとする一杯です。
パン料理の食材⇒ライ麦パン
パンはつぶさないで持ち運ぶことが大事です。食パンなど柔らかいパンはコンテナに入れたり、袋に入れて外づけするなど、工夫して持ち運ぶ必要があります。マフィンやバゲットなら、つぶれにくいでしょう。
僕が特におすすめするのは、少し固めのドイツパン系のライ麦パンです。
ライ麦パンをつかった山料理・・・柔らか和牛サンドイッチ
焼きたての牛肉と瑞々しいキュウリがジューシー! 前日の下ごしらえが面倒なら、ローストビーフを使えばOK。はさむだけでできあがりです。
パスタ料理⇒1分パスタ
パスタは山でも便利な食材ですが、茹でるのに時間がかかるのがネックです。できるだけ短くしたい・・・、そこで伝授するのが、「1 minute Pasta」(1分パスタ)などと呼ばれる、茹で時間が1分になるという手法です。
料理する前に、パスタを水に1時間半以上浸けておきましょう。パスタを浸けておく水量の目安は、パスタ1人前100gあたり150㎖。
浸けた水はそのまま料理に使うこともできるので、燃料だけでなく、水も節約できます。イチオシの山料理のテクニックです!
1分パスタを使った山料理・・・簡単カチョエペペ
カチョエはチーズを、ペペはペッパーを意味するイタリア・ローマの名物パスタ。
トロミの中にあるコクとピリッとした辛さが食欲増進になります。
本レシピは、アウトドアコーディネイターとして著名な小雀陣二氏の新刊著書『3ステップで簡単! ご馳走 山料理』から紹介しています。もっとたくさん知りたい、詳しく知りたい方は、ぜひ、こちらの書籍をご参照ください!
⇒『3ステップで簡単! ご馳走 山料理』を見る
プロフィール
小雀 陣二
1969年、東京生まれ。アウトドア・コーディネーター。
アウトドアメーカー、カヤックショップ、などでの勤務経験を経て独立。雑誌や広告、CMの撮影などのサポート、スタイリングを担当するほか、得意の料理を活かし、野外料理レシピの連載執筆も行う。各地のアウトドアイベントでは、自らの体験を持ってアウトドアの魅力を伝えている。
日本各地のガイド仲間と共にカヤックやMTBのツアーを行い、夏のアラスカでは川下りやハイキングをエスコートしている。
週末は自らのカフェ「雀家 」をオープン。著書に『おかわり山グルメ』『お手軽アウトドア燻製レシピ』(エイ出版社)、『3ステップで簡単! ご馳走 山料理』(山と溪谷社)など、アウトドア料理に関する著書多数。
⇒雀家 suzumeya
小雀陣二の3ステップで作る『山料理』
アウトドアクッキングの第一人者、小雀陣二氏が、3ステップで簡単に作れる『山料理』を紹介。条件が限られている山のなかで、おいしい料理を作るコツが詰まっています。