山菜採り中の道迷いが増加中。 島崎三歩の「山岳通信」 第73号

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長野県が県内で起きた山岳遭難事例について配信している「島崎三歩の山岳通信」。2017年6月9日に配信された第73号では、山菜採り中の道迷い遭難などについて触れている。

 

6月9日に配信された『島崎三歩の「山岳通信」』第73号では、5月22日~28日の間に起きた山岳遭難の遭難事例が掲載されている。以下に抜粋・掲載する。

 

5月22日~28日の信州の山岳遭難現場より

5月22日~28日の間に長野県内で起きた山岳遭難は以下の4件でした。

  • 5月27日、長野県飯山市の山林で、76歳の男性が単独で山菜採りに出掛けたまま行方不明となる山岳遭難が発生。警察、消防等で捜索した結果、翌28 日に下水内郡栄村の山林内で遭難者を無事発見した。男性は山林で道に迷い、ビバークしていた。

    捜索中のヘリコプターから見た山林内の遭難者の状況
    (写真提供:長野県警察本部 ホームページ 山岳遭難発生状況(週報)6月1日付)

     

  • 5月28日、南佐久郡川上村の小川山・クジラ岩で、57歳の男性がボルダリング訓練中に手を滑らせて落下して左足首開放骨折の重傷を負う山岳遭難が発生。消防署員が救助した。

  • 5月28日、長野県下水内郡栄村堺天地の山林で、83歳の男性が山菜採り中に仲間とはぐれ、行方不明となる遭難が発生。県警ヘリで無事救助された。

  • 5月28日、長野県上田市真田の東太郎山で、41歳の女性が下山中にルートを見失い道に迷う山岳遭難が発生。女性が自力で下山した。

 

長野県警山岳安全対策課からのワンポイントアドバイス

5月4週は、週末を中心に道迷い遭難が多発しました。写真は5月27日に飯山市内の山林で発生した道迷い遭難のものです。遭難者の姿は深い樹林に紛れ、上空からは見分けがつきにくい状況でした。このような場合、ヘッドランプを等があればヘリコプターに自分の現在地を知らせるために役立ったかもしれません。

日帰り予定で入山する場合でも、万が一遭難した場合にに備えて、非常食、防寒着、ヘッドランプ、携帯電話の予備バッテリー等、最低限の装備品を携行するようにしてください。

山菜採りは登山道のない樹林や藪へ分け入って行うため、普通の登山よりも道迷いのリスクが高いと言えます。単独で入山せず、仲間と声を掛け合う等してこまめに現在地を確認するようにしてください。

 

なお、下記URLより、「島崎三歩の山岳通信」バックナンバーもご覧いただけます。今後の登山にぜひ役立ててください。
 ⇒長野県・島崎三歩の「山岳通信」

 

プロフィール

島崎三歩の「山岳通信」

信州の山岳遭難現場と全国の登山者をつなぐために発行。「登山用品店舗スタッフ」「登山情報サイトを利用する登山者」「長野県内の各地区山岳遭難防止対策協会」などに対して、長野県の山岳地域で発生した遭難事例を原則・1週間ごとに、「安全登山」のための情報提供をしている。

⇒バックナンバーはコチラ!

島崎三歩の「山岳通信」

長野県では、県内の山岳地域で発生した遭難事例をお伝えする「島崎三歩の山岳通信」を週刊で配信。その内容をダイジェストで紹介する。

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