移動しながらクッキング・準備編 山ジップロック®研究所

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文=小川郁代、イラスト=ヤマサキミノリ

 

Report10 移動しながらクッキング1 準備編

こんにちは。アサカです。

いつもは六郎主任が担当しているこのコーナー、今回は私が担当させていただきます。以前主任に「何かいい研究テーマが見つかったら、採用してもいいよ」と言ってもらって、いろいろ考えていたんですが、このほどめでたく研究レポートとしてまとめることができました!

登山の楽しみって、やっぱりごはんですよね! もちろんきれいな景色やおいしい空気、自分の足で目的地にたどり着いた時の感動もすばらしいんですが、そこにおいしいごはんがくわわると、楽しさも倍増すると思うんです。

食材の持ち運びには「フリーザーバッグ」や「コンテナー」、「スクリューロック」が大活躍。前日に家で作ったものを持って行ったり、食材をカットして持っていって山ですぐに使えるように工夫したり、どうやったら簡単においしい山ごはんが食べられるように考えるのも楽しいんですよね。

そこで今回私が選んだテーマは、山に登っている間を調理時間に利用する、ながら調理法。歩いている時間を仕込みに使って、山での調理時間の短縮とおいしさも引き出すというアイディアです。

どんな調理法があるか、どんなところがその料理に向いているか、さっそく実例でご説明していきますね!

 

移動時間にしっかり浸みこむ『バニラアイスの簡単フレンチトースト』

お店で食べるフレンチトーストって、分厚いパンの表面はパリッと香ばしくて、中はふわとろ。すごくおいしいですよね。どうやらあのおいしさは、卵液の味付けと、じっくりパンに卵液をしみこませることがポイントらしいのです。

いつも家で作るときは卵液にしばらく付けたらすぐに焼いていたんですが、家で用意して山に着いてから焼けば、しっかりと浸みこんできっとおいしくなるはずです。

材料はこれだけ。ポイントは味付けにバニラアイスを使うところです。濃厚なミルクの風味とバニラエッセンスの香り。あのアイスクリームのおいしさをフレンチトーストに利用する作戦です。バニラアイスだけだと少し甘すぎるかと思い、牛乳を少し加えました。

作り方は簡単。卵、バニラアイス、牛乳を混ぜて、アイスが溶けるまで待ちます。

「フリーザーバッグL」にパンを入れて、そこに作った卵液を、パンがヒタヒタになるまで流し込みます。
はい、準備完了!

作った卵液が余ったので、バゲットタイプも作りました。こちらは「スクリューロック」がぴったり。

卵液の量は、パンにしみこんで残らないくらいがちょうどです。パンによってしみこみ方が違うので、量は調節してください。またバニラアイスの甘さもいろいろなので、お好みで量を調節してくださいね。

今回はこれを冷蔵庫で冷やして、保冷材と一緒に山に持って行きますが、季節や調理までの時間によっては、しっかりしみこんだ状態で冷凍したものを持っていってもいいと思います。

 

  ★材料

  • パン2枚(ミニサイズの角型を暑さ3センチにスライス)
  • バゲット2枚(厚さ6センチにスライス)
  • 卵 1個
  • バイラアイス 100㎎
  • 牛乳 50cc
  • バター、オリーブオイル  適量(焼く時に使う)

 

うまみたっぷり『ガーリックソルトの冷凍肉で作る蒸し焼きポーク』

山に生の肉を持っていくときって冷凍しますよね? 下味をつけた冷凍肉は、うまみや柔らかさが増して、お肉の保存にはおすすめの方法です。ほかの食材の保冷材がわりにもなるし、歩いている間に解凍されて、食べることには味がなじんだおいしい状態になるので、一石二鳥です。

1.筋切りした豚肉に、岩塩と粗引きこしょうをまんべんなくまぶす。
2.スライスしたにんにくとローリエを載せて、1枚ずつラップでぴっちりと包む
3.「フリーザーバッグ」に入れて冷凍する

  ★材料

  • とんかつ用豚肉 1枚
  • 塩(今回は岩塩を使用。自然塩がおすすめ) 適量
  • 粗引きこしょう 適量
  • にんにくスライス 小1かけ分
  • ローリエ 1枚
  • 白ワイン 少々(焼く時に使う)

山に着いたら、フライパンでワイン少々を入れて蒸し焼きにします。付け合せの野菜も用意するとおいしそうですね。安いお肉でもしっかり下味をつけて冷凍すると、おいしくなるし、山にも持って行きやすいです。

 

山でうれしい『野菜の浅漬け3種』

切った野菜を持ち歩くあいだに、程よく使った浅漬けに変身させましょう! 程よい塩気が疲れたからだにうれしい、優しい味の浅漬け。こういうのがちょっとあると、山ごはんが充実しますよね。

材料は好みの野菜と塩、味のポイントは昆布茶です。
特に説明は要らないと思いますが、切った野菜を「フリーザーバッグ」に入れ、昆布茶と塩、好みでお酢などをプラス。全体が混ざるようによく振ったら、冷蔵庫で冷やしたものを、保冷材と一緒にもって行きます。

  ★材料

 ◆きゅうりとみょうがの浅漬け
  • ・きゅうり 1本 乱切りに
  • ・ミョウガ 1個 薄切りに
  • ・昆布茶 小さじ1
  • ・塩 小さじ1/2

 ◆なすとラディッシュの浅漬け
  • なす 1本(長さを半分にして縦に4つ割りに)
  • ラディッシュ (葉を落として4つ割りに)
  • 昆布茶 小さじ2
  • 塩 小さじ1/2
  • 酢 小さじ1

 ◆カブの浅漬け
  • カブ 中2個 (半分にして厚めの薄切りに。葉は1個分を適当な長さに切る)
  • 鷹の爪スライス 適量
  • 昆布茶 小さじ2
  • 塩 少々

家で仕込みをしておけば、山に着く頃にはおいしくなっています。歩いている間も、どんなふうに仕上がっているか楽しみですよね。


それでは私は、明日から山に行ってきます。もちろん仕込んだ料理を持って行って、山ごはんを満喫する予定。

次回山でのクッキングの様子をご紹介します。
乞うご期待!

※「ジップロック」「イージージッパー」「スクリューロック」は旭化成ホームプロダクツ(株)の登録商標です。

山ジップロック研究所

生活必需品的存在の「ジップロック」や、山でも強力な便利アイテムです。パッキング・料理など、山の様々な場面でジップロックを使ったアイデアを紹介していきます。