単独登山中はアクシデントに十分な備えを。 島崎三歩の「山岳通信」 第78号

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長野県が県内で起きた山岳遭難事例について配信している「島崎三歩の山岳通信」。2017年7月19日に配信された第78号では、県内で起きた5件の遭難について触れていて、うち死亡事故2件は単独の登山者で、何らかのアクシデントに見舞われての事故だった。

 

7月19日に配信された『島崎三歩の「山岳通信」』第78号では、6月26日~7月2日の間に起きた山岳遭難の遭難事例が掲載されている。以下に抜粋・掲載する。

 

6月26日~7月2日の信州の山岳遭難現場より

6月26日~7月2日の間に長野県内で起きた山岳遭難は以下の5件でした。

  • 6月26日、長野県下高井郡竜王山付近(山ノ内町夜間瀬)の山林で、76歳の男性が家族らとタケノコ採り中に道に迷い、行方不明となる山岳遭難が発生。県警ヘリにより無事救助された。

  • 6月27日、飯綱山の山頂付近で71歳男性が倒れているところを他の登山者が発見。県警ヘリで救助したものの、その後死亡が確認された。何らかの疾患を発病したものと思われる。

遭難現場の位置と付近の状況
(写真提供:長野県警察本部 ホームページ 山岳遭難発生状況(週報)7月5日付)
  • 7月1日、北アルプス常念岳・一ノ沢登山道にて、72歳男性が登山道から外れた沢で倒れているのを他の登山者が発見。翌2日に県警ヘリで救助したものの死亡が確認された。常念岳小屋へ向かっていた途中に、何らかの原因により行動不能となった模様。

  • 7月1日、北アルプス槍ヶ岳・槍沢登山道のグリーンバンド付近にて、56歳女性が槍ヶ岳に向けて登山中、に雪渓上でスリップし滑落、右足首を負傷する山岳遭難が発生。遭対協隊員により救助された。

遭難現場の位置、県警ヘリより撮影
(写真提供:長野県警察本部 ホームページ 山岳遭難発生状況(週報)7月5日付)
  • 7月2日、黒姫山にて、48歳男性が仲間とタケノコ採りのために入山ものの、体調不良により行動不能となる山岳遭難が発生し。警察などにより無事救助された。

 

長野県警山岳安全対策課からのワンポイントアドバイス

6月5週は、5件の遭難が発生し、残念なことに2名の方が亡くなりました。いずれも単独登山中に何らかのアクシデントに遭ったものです。

単独登山は一人で気軽に入山できる反面、アクシデントに遭った時の通報が遅れたりするなどのデメリットがあります。本格的な夏山シーズン前に、単独登山をされる方は、いざという時の備えは万全か、今一度自分の山登りを見つめなおし、安全な登山を心がけてください。

 

なお、下記URLより、「島崎三歩の山岳通信」バックナンバーもご覧いただけます。今後の登山にぜひ役立ててください。
 ⇒長野県・島崎三歩の「山岳通信」

 

プロフィール

島崎三歩の「山岳通信」

信州の山岳遭難現場と全国の登山者をつなぐために発行。「登山用品店舗スタッフ」「登山情報サイトを利用する登山者」「長野県内の各地区山岳遭難防止対策協会」などに対して、長野県の山岳地域で発生した遭難事例を原則・1週間ごとに、「安全登山」のための情報提供をしている。

⇒バックナンバーはコチラ!

島崎三歩の「山岳通信」

長野県では、県内の山岳地域で発生した遭難事例をお伝えする「島崎三歩の山岳通信」を週刊で配信。その内容をダイジェストで紹介する。

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