キノコ採りの季節、道迷いからの重大事故に注意 島崎三歩の「山岳通信」 第89号

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長野県が県内で起きた山岳遭難事例について配信している「島崎三歩の山岳通信」。2017年9月27日に配信された第89号では、県内で起きた全6件の遭難について触れ、キノコ採りシーズンに向けた注意喚起を行っている。

 

9月27日に配信された『島崎三歩の「山岳通信」』第89号では、9月13日~15日の間に起きた山岳遭難の遭難事例が掲載されている。以下に抜粋・掲載する。

 

9月13日~15日の信州の山岳遭難現場より

9月13日~15日の間に起きた長野県内で起きた山岳遭難は以下の6件でした。

  • 9月13日、北アルプス涸沢岳で、19歳の男性が涸沢岳東側斜面で登山中に何らかの原因により滑落したとみられる山岳遭難が発生。県警ヘリで救助されたものの頭部外傷により死亡が確認された。

  • 9月14日、八ヶ岳連峰赤岳で、37歳の女性が下山中に登山道上の砂利でスリップして転倒し、右足首を負傷して行動不能となる山岳遭難が発生。山梨県警ヘリで救助された。

  • 9月14日、松本市中山の宮入山で、75歳の女性がキノコ採りで入山したが、仲間とはぐれて道に迷い、行動不能となる山岳遭難が発生。警察などで捜索した結果、無事発見救助された。

松本市・宮入山の遭難現場。樹林帯のため、上空からの見通しは悪い。
(写真提供:長野県警察本部 ホームページ 山岳遭難発生状況(週報)9月21日付)
  • 9月15日、南アルプス仙丈ヶ岳で、68歳の男性が仙丈ヶ岳大滝ノ頭5合目付近を登山中に何らかの疾患を発症して倒れているのを別の登山者が発見。県警ヘリで救助したものの、その後、死亡が確認された。

  • 9月15日、北アルプス白馬鑓温泉で、50歳の女性が白馬鑓ケ岳小日向のコル付近を下山中に、濡れた岩でスリップして転倒し、右足首捻挫を負う山岳遭難が発生。県警ヘリで救助された。

  • 9月15日、中央アルプス檜尾岳で、76歳の男性が檜尾避難小屋付近を登山中に何らかの疾患を発症し、体調不良で歩行困難となる山岳遭難が発生。県警ヘリで救助された。

 

山岳安全対策課からのワンポイントアドバイス

9月3週は、キノコ採りの道迷い遭難が発生しました。キノコ採りは林道や登山道を外れて山林内に分け入って行うため、道迷いのリスクが高く、さらに、これからシーズンを迎えるマツタケ採りは足場の悪い急斜面に入り込んで行うため、滑落のリスクが非常に高いという特徴があります。

キノコ採りのために入山する場合は、行き先を家族等に告げて、単独での入山は避けましょう。また、通常の登山と同様、道迷いや日没などに備えて地図やヘッドライト、防寒具などの装備品を携行するようにしましょう。

プロフィール

島崎三歩の「山岳通信」

信州の山岳遭難現場と全国の登山者をつなぐために発行。「登山用品店舗スタッフ」「登山情報サイトを利用する登山者」「長野県内の各地区山岳遭難防止対策協会」などに対して、長野県の山岳地域で発生した遭難事例を原則・1週間ごとに、「安全登山」のための情報提供をしている。

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島崎三歩の「山岳通信」

長野県では、県内の山岳地域で発生した遭難事例をお伝えする「島崎三歩の山岳通信」を週刊で配信。その内容をダイジェストで紹介する。

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