降雪による登山道消失など、山の様相が急激に変化する時期。 島崎三歩の「山岳通信」 第96号

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長野県が県内で起きた山岳遭難事例について配信している「島崎三歩の山岳通信」。2017年11月20日に配信された第96号では、3件の遭難について触れ、山の様相の変化が著しい季節となっていることに注意喚起をしている。

 

11月20日に配信された『島崎三歩の「山岳通信」』第96号では、10月第5週~11月第1週に起きた3件の山岳遭難事例について説明。以下に抜粋・掲載する。

  • 10月31日、北アルプス奥穂高岳で、31歳の男性が登山中にルートを間違えて道に迷い込み、奥穂高岳南稜付近で低体温症となり行動不能となる山岳遭難が発生。翌11月1日に県警ヘリで救助された。

奥穂高岳の遭難現場の状況。すでに穂高連峰の稜線は冠雪している(写真提供:長野県警察本部 ホームページ 山岳遭難発生状況(週報)11月8日付)

 

  • 11月3日、八ヶ岳連峰赤岳で、54歳の男性が下山中にバランスを崩して転倒し、左足首を骨折する山岳遭難が発生。県警ヘリで救助された。

八ヶ岳連峰赤岳の遭難現場の状況。遭難現場は登山道上(写真提供:長野県警察本部 ホームページ 山岳遭難発生状況(週報)11月8日付)

 

  • 11月4日、八ヶ岳連峰赤岳で、52歳の男性が幕営中に発病し、体調不良で行動不能となる山岳遭難が発生。堰堤広場まで下山した男性を茅野署員が無事救助した。

 

山岳安全対策課からのワンポイントアドバイス

10月31日の奥穂高岳で発生した道迷い遭難は、一般登山道を外れて奥穂高岳南稜に迷い込み、岩稜に行き詰まり行動不能となったものです。遭難の原因として遭難者の力量不足もありますが、降雪により登山道が消失したこともあげられます。

この時期の山は、週を追う毎に降雪などにより山の様相が急激に変化します。日中の寒暖差も大きいため、登山の際は慎重な判断と行動が求められます。また、日照時間も一年の中で最も短いため、行動時間は短めに設定し、日帰りの予定でも必ずヘッドライトを携行するようにしてください。

 

プロフィール

島崎三歩の「山岳通信」

信州の山岳遭難現場と全国の登山者をつなぐために発行。「登山用品店舗スタッフ」「登山情報サイトを利用する登山者」「長野県内の各地区山岳遭難防止対策協会」などに対して、長野県の山岳地域で発生した遭難事例を原則・1週間ごとに、「安全登山」のための情報提供をしている。

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島崎三歩の「山岳通信」

長野県では、県内の山岳地域で発生した遭難事例をお伝えする「島崎三歩の山岳通信」を週刊で配信。その内容をダイジェストで紹介する。

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