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高山の紅葉といえば・・・「ウラジロナナカマド」

たしなみ 2016年10月19日

高山帯はそろそろ冬支度かな・・・というところに、植物写真家の高橋修さんから高山の紅葉の代名詞とも言える「ウラジロナナカマド」に関する話題が届きました。紅葉は終わってしまいましたが、これからの時期は、涸沢の下部あたり、白馬の栂池自然園あたりで真っ赤な果実が見られるそうですよ。

 紅葉の秋。木々が色づくこの季節は山歩きが楽しい季節だ。標高の高い高山からどんどん色づいていく。ウラジロナナカマドは高山の紅葉を代表する木。特に有名なのは北アルプスの涸沢周辺。例年だと10月10日の連休前後が紅葉の時期だが、今年は台風が多く、雨ばかりだったので紅葉がよい年とは言えなかったようだ。ウラジロナナカマドは紅葉もよいが、真っ赤な果実も美しく、落葉後もしばらく楽しめる。

 ウラジロナナカマドは、涸沢だけではなく、日本の高山に広く生える。名前の由来は、ナナカマドは木材が燃えにくいため、七回火が付いたナナカマドをかまどにほおりこんでも燃え残るから、という説がある。しかし、乾燥させるとよく燃えるということを聞いたこともある。どれが正しいのだろうか。

 ナナカマドは高山に3種類ある。ウラジロナナカマド、ナナカマド、タカネナナカマドだ。この3種はよく似ており、見分けるのは難しいが、花と葉で見分けるポイントだ。ウラジロナナカマドの花は上を向いて咲き、葉の縁の葉柄側に鋸歯(ギザギザ)がない。ナナカマドの花も上を向いて咲き、葉の縁全体に鋸歯がある。タカネナナカマドは花が横~下を向いて咲き、葉の縁全体に鋸歯がある。標高でいうと一番標高が高いところを好むのがタカネナナカマド、ほぼ同じで少し低いところにも生えるウラジロナナカマド、高いところにも生えるが低いところに多いのがナナカマドだ。

 今年は高山の紅葉が早く、標高が低い場所では紅葉はまだ。紅葉している標高の範囲が狭いのが今年の紅葉の特徴だが、部分的に美しく紅葉している木々もある。これから紅葉後半になってどのような色づきを見せてくれることだろうか。

 毎年のように「今年の紅葉は悪い」と言われているが、紅葉がよい年などは10年に1度程度である。「悪い」のではなくこの状況が「普通」なのだ。悪いよくないとばかり言わずに「今年の紅葉は例年通りだ」と言って欲しい。

落葉後の果実も美しい。

教えてくれた人

高橋 修

自然・植物写真家。子どものころに『アーサーランサム全集(ツバメ号とアマゾン号など)』(岩波書店)を読んで自然観察に興味を持つ。中学入学のお祝いにニコンの双眼鏡を買ってもらい、野鳥観察にのめりこむ。大学卒業後は山岳専門旅行会社、海専門旅行会社を経て、フリーカメラマンとして活動。山岳写真から、植物写真に目覚め、植物写真家の木原浩氏に師事。植物だけでなく、世界史・文化・お土産・おいしいものまで幅広い知識を持つ。

⇒高橋修さんのブログ『フィンデルン』

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