岩手県
北上山地
いしがみやま
石上山
1,037m
遠野三山の1つ、石上山は、遠野物語で『石神山』として登場する山で、早池峰山、六神石山(六角牛山)とともに三山信仰として登られた山だった。かつては修験者の山、女人禁制の山とされていた。
登山口は、盛岡方面から遠野市へ小峠を下りた綾織郵便局(石上山登山口の案内板がある)を左折して川井住田大規模林道を北へ5分程度車で走った場所にある石上山登山者用駐車場となる(案内板あり)。道路をまたいだ先に登山者名簿箱があり、その横から石上山に向かう登山道がある。
登山口から5分程で「姥石」、更に1分程で「二番鳥居」がある。なお、鳥居の横には「石上登山口」の標識がある。その鳥居をくぐり、美しい杉林をぬけ、丸太橋を何度か渡ると「水のみ場」。そのすぐ上に「籠堂小屋(外壁・屋根がトタンの簡単な作り)」、横に小さな祠のある場所に至る。ここまでで登山道の半分以上を歩いた事になるが、登山道は一転、急勾配の山道となる。
右の道は「不動岩」へ、真正面の急坂は「登山道」となるが、どちらを通っても坂の上で両道は合流する。ナラ、ブナ、カエデ、コシアブラなどの間の急な登山道を30分ほど登ると「刃納めの岩」に至る。
登山道は、さらに驚くほどの急角度になり、鎖場や鉄梯子の連続となる。最初の鎖場を登ると「中之堂」という古いが立派な建物が岩の上にある。この左には不安定な鎖梯子を登る(中之堂の裏手にも迂回路が付いている)。
鎖梯子を登ると、再び鎖があり、さらにその上は固定されていない鉄梯子が続く。鉄梯子の次は、再び鎖での登りとなる。登りきった直ぐ右手の奥に「石上神社」と刻まれた碑があり、道は一旦、平坦になるが、再び急坂となり「兜岩」に至る。この兜岩から1分程でようやく北峰の山頂に至る。この北峰の山頂は狭く、展望も望めない。
小さな祠の後ろにある「一等三角点、南へ六百米」の案内に従って、一等三角点へも行くことが出来る。道も整備されていて、ピンクリボンが多くあり、迷うことはないだろう。やせ尾根を10分程行くと左に「カメ岩」の案内板があり、巨大なカメに似た岩がある。カメ岩から少し登ると一等三角点の山頂に至る。
山頂は縦10m、横5m程の広さがあり、北峰の山頂に比べると立派で5倍ほどの広さがある。展望も良好で、南に五葉山や愛染山、南西に田瀬湖や栗駒岳、西に和賀岳や紫波三山、東に高清水山、六角牛、片羽山、東北に白見山、そして北に早池峰山を臨める。行程は登り約1時間40~50分、下り約1時間10~15分となる。
なお、登山にはクマ除け鈴と手袋は必需品だろう。
また、かつては大垂水から、一等三角点へ向かう登山道もあったが、現在は通る登山者はほとんどなく、登山道も不明瞭だ。
(文/オシラ)
2023年8月改定(山と溪谷オンライン編集部)
- 山域
- 北上山地
- 都道府県
- 岩手県
- 標高
- 1,037m
- 2万5千図
- 上宮守
- 更新日
DATA
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