鬼林山きりんざん
写真:上島敬一   日野郡日南町飛時原出口からの鬼林山南面
 鳥取県南西部、大倉山の西に、富士山型の形のよい山がある。孝霊(こうれい)天皇の鬼退治伝説があり、オンバヤシと呼ばれ親しまれている。
 全山花崗岩と石英斑岩に覆われた明るい山だが、山頂に鉄塔が林立し、景観を損ねている。頂上まで舗装道路が通じているが、山脚にゲートがあり、車を締め出している。
 南麓高代(たかしろ)から往復3時間。頂上西端に二等三角点がある。
 北麓の矢戸(やと)は、作家の松本清張の出自の地。『父系の指』などの作品に美しい描写があり、文学碑が建っている。また、南麓の大田(おおだ)は井上靖の家族が戦時中疎開していた地で、『あした来る人』などに織り込まれ、熱烈なファンにより文学碑と資料館「野分きの館」が建てられている。高代の西の豊栄(とよさか)には、日本一小さいといわれる美術館「佐武記念館」があり、山村に似ず文化の香り高い地域だ。
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