トムラウシ山とむらうしやま

百名山

トムラウシ山

写真:市根井孝悦  化雲平からのトムラウシ山
 大雪山国立公園のほぼ中央にどっしりと構えた雄大な山だ。沼ノ原、五色ガ原辺りから眺めた、うずくまるスフィンクスのような姿は、強く印象に残る。
 その頂上に近づけば、日本庭園、トムラウシ庭園、黄金ヶ原などと呼ばれるお花畑と沼がみごとに配置されて、訪れる人の目を充分に楽しませてくれる。上部は巨岩が積み重なった複雑な地形で、赤ペンキの標識に導かれて立った頂上から眺める360度の山岳展望は、この山ならではのものだ。
 トムラウシの意味はアイヌ語の「花の美しい所」とする説もあるが、他の山と同じくここに発する川の名に由来するとすれば、「水垢の多い所」と解釈されることになる。アイヌ語のデリケートな発音に適当にカナを当てはめたために生じた混乱である。
 どちらから登るとしても人里から遠いが、ストレートに登れるのは南方のトムラウシ温泉からの道だ。新得町から車で1時間あまり入ったこの温泉から、頂上まで6時間以上。日帰りは可能だがかなりの長丁場だ。それに、この山を単独で登ってくるだけでは、宝の山に入りながら手ブラで帰るようなものだ。トムラウシには、やはり何日かの縦走のあとに到達するのが望ましい。
 一番人気のあるのは、北の表大雪方面から登ってくるコース。健脚者なら途中1泊でも可能だが、花を眺めながら、のんびりと2泊はしたい。3泊目はトムラウシと化雲岳(1954m)のコル東方のヒサゴ沼避難小屋泊まりとすれば、約2時間30分で頂上だ。この小屋は夏山シーズン中は満員で入れないこともしばしばあり、テント持参の方が望ましい。
 また、南の十勝岳方面からの道もある。オプタテシケ山からの長い下りがこのコースのポイントで、やはり最低でも3泊は必要だろう。遠く石狩岳から縦走して登ってくるのは最良のコースだが、最低でも3泊はしたい。ただし、石狩岳―沼ノ原東側鞍部間の通称「根曲り廊下」は、ササが伸びて廃道に近い状態になっている。
 大正9年に登った大島亮吉の名文で知られるクワウンナイ川は途中1泊だが、沢登りの経験者でなければお勧めできないのが残念である。
 下山は化雲岳から天人峡への道が一般的。登るとすれば、ヒサゴ沼まで8時間の長い道だが、それでもトムラウシ温泉に次ぐ短いコースでもあり、登山口の交通の便もよい。
 この山の初の積雪期登頂は大正15(1926)年5月、北大山岳部により達成された。十勝岳から短い夏用スキーを駆っての縦走行であった。

DATA

山域: 石狩山地
都道府県: 北海道
標高: 2,141m
2万5千図: トムラウシ山

※ トムラウシ山の紹介文についての注意点

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トムラウシ山に行くモデルコース

  • トムラウシ山 日帰り
    体力度: ★★★★★ 危険度: ★★★★ 10時間40分 日帰り
    トムラウシ温泉・・・短縮コース分岐・・・カムイ天上・・・前トム平・・・トムラウシ山・・・前トム平・・...
  • 沼ノ原湿原とお花畑を抜けて憧れの頂へ
    体力度: ★★★ 危険度: ★★ 14時間30分 1泊2日
    登山口・・・沼ノ原分岐・・・五色ノ水場・・・五色岳・・・化雲岳・・・ヒサゴ沼・・・ヒサゴ沼分岐・・・...
  • 沼ノ原・五色ヶ原・トムラウシ山 1泊2日
    体力度: ★★★★ 危険度: ★★★★ 14時間35分 1泊2日
    【1日目】クチャンベツ沼ノ原登山口・・・沼ノ原分岐・・・沼ノ原キャンプ指定地・・・五色ノ水場・・・五...
  • ヒサゴ沼からトムラウシ山へ 3泊4日
    体力度: ★★★★★ 危険度: ★★★★ 24時間10分 3泊4日
    【1日目】姿見駅・・・旭岳石室・・・旭岳・・・間宮岳・・・北海岳・・・白雲分岐・・・白雲岳・・・白雲...
  • 大雪山・十勝連峰縦走 4泊5日
    体力度: ★★★★★ 危険度: ★★★★★ 36時間5分 4泊5日
    【1日目】姿見駅・・・旭岳石室・・・旭岳・・・間宮岳・・・北海岳・・・白雲分岐・・・白雲岳・・・白雲...

トムラウシ山周辺の最新情報

登山口情報

  • トムラウシ温泉 
  • クチャンベツ沼ノ原登山口 
  • ヌプントムラウシ温泉 

  • 【トムラウシ温泉】
    富村ダムから林道をつめたユウトムラウシ川沿いの温泉。トムラウシ山登山と縦走の起点だ。宿は通年営業の国民宿舎1軒とキャンプ場のみ。
    登山口は温泉横からと、さらに林道を上がった短縮路登山口がある。温泉には珍しい噴泉塔が湧出している。店舗はないので、山行準備は新得周辺で。

  • 【クチャンベツ沼ノ原登山口】
    国道273号で大雪湖レイクサイト駐車場近くから石狩川沿いの林道をつめる。高原温泉への道との分岐ゲートにあり。鍵の番号は上川森林事務所(01658-2-2001)で確認のこと。
    沼ノ原高原への入口で縦走路の起点となる登山口。仮設トイレがあり、水は近くの沢から得られるが、テント泊は原則禁止。2013年6月、通行止めが続いており、計画する場合は事前に確認のこと。

  • 【ヌプントムラウシ温泉】
    ヌプントムラウシ温泉は沼ノ原への登山口で、石狩連峰や五色方面の縦走路の起点としても使える。トムラウシ川上流の富村ダム手前の曙橋から林道に入り、約15km。終点に無地のヌプン小屋と露天風呂がある。
    さらに林道を1kmほどで登山口となるが、林道が悪ければ徒歩となる。林道走行には注意したい。
    登山口付近にもヒグマの痕跡あり。タクシーは新得駅からの利用となる。所要時間30分、15000円前後。

周辺にある山小屋

  • ヒサゴ沼避難小屋 
  • 忠別岳避難小屋 

  • 【ヒサゴ沼避難小屋】
    無人小屋
    場所: 化雲岳南約2km ヒサゴ沼畔
    電話: 0155-26-9028
    FAX: 0155-22-3746
    営業期間: 通年(無人)

  • 【忠別岳避難小屋】
    無人小屋
    場所: 忠別岳南2.5km
    電話: 0166-46-5922
    FAX: 0166-46-5206
    営業期間: 通年(無人)

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