大倉山おおくらやま
写真:上島敬一   日野郡日南町神戸上からの大倉山
 鳥取県の南西部は、意外に見るべきものが多く、その中心にこの山が根を下ろしている。
 JR伯備線が山脚部を半周しており、旅行者の目に触れているはずだが、無名の山と呼んでも差し支えない。しかし小泉八雲など文筆家には魅力的な風土と見られ、井上靖、松本清張などが作品中でしばしば描写している。
 明確な登山道はまだない。西麓の銀山(ぎんざん)、東麓の神戸上(かどのかみ)、北麓の上花口(かみはなぐち)から林道をつめ、いずれも上部はヤブこぎとなる。どちらも往復約4時間。頂上は明るい芝生で二等三角点がある。なお、山脚部は古代採鉄の跡で、中腹は銀鉱山の跡のため、地形が乱れているので要注意。
 北方の黒坂(くろさか)は忘れられた城下町。小泉八雲の『怪談』に採録された幽霊滝(ゆうれいだき)があり、周辺の滝山(たきさん)公園は山陰第一のツツジの名所となっている。生山(しようやま)には石霞渓(せつかけい)の奇勝がある。
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