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主要山域

飯豊連峰

飯豊連峰

写真:石橋睦美  朝日連峰・以東岳からの飯豊連峰。左から飯豊本山、大日岳、北股岳、地神山

 越後山脈北部に連なり、福島県、山形県、新潟県の3県にまたがる大隆起山塊である。北から南に20kmに及ぶ山脈を形成している。山は花崗岩からなり、2000m級のピークは、大日岳を最高峰に飯豊本山、西大日岳(にしだいにちだけ)、梅花皮岳(かいらぎだけ)、烏帽子岳(えぼしだけ)、御西岳(おにしだけ)、北股岳の7座を数える。
 飯豊連峰は日本海からわずか50kmしか離れていないため、世界でも有数の豪雪地帯となっている。この豪雪が、飯豊連峰の特色ある地形を形造っている。さらには豊富な高山植物や木々をはぐくみ、動物たちに恵みを与えている。
 飯豊の名は、飯の豊かさを象徴するといわれる、飯豊山稲作信仰に由来すると思われる。古くから飯豊山頂に神社を祭り、五穀豊穣を祈ったのである。また、主峰の飯豊山は、古くから修験道の聖地として登られてきた山だが、開山は白雉3年(652)、唐の知道和尚と役ノ小角によるといわれる。たくさんの信者たちが白装束に身を固めて、頂上の飯豊山神社を目指して登ったといわれる。
 飯豊連峰の中腹は、ブナを中心とした広葉樹林で覆われており、稜線付近は、豊富な高山植物に彩られている。これは、豪雪がもたらした恩恵といえよう。飯豊特産種はイイデリンドウに代表されるように少ないが、その種類は豊富である。
 なお、沢は豊富な豪雪によって浸食が進み、急峻にして豪快な地形を形成している。沢登りは、困難を極める。一般登山コースにも石転(いしころ)ビ沢があって、大雪渓は東北随一の長さを誇る。
 山中および山麓には多くの山小屋が整備されているが、稜線上ではほとんどが自炊小屋であるので、食料、寝具を持参しなければならない。なお、主稜線上では原則として幕営禁止。
 登山コースは多彩であるが、いずれのコースも主稜線まで達するには1日を要する深さである。メインコースは7コースある。
 山都口(やまとぐち)は、川入(かわいり)登山口より切合(きりあわせ)小屋経由で飯豊本山まで所要9時間。石転ビ沢コースは、飯豊山荘より北股岳まで所要7時間。飯豊山荘からは、丸森尾根、梶川(がじかわ)尾根コースがあり、どちらも主尾根まで6~7時間を要する。大日杉口は、切合小屋経由で飯豊本山まで所要9時間。日出谷口は、湯ノ島小屋登山口から大日岳まで所要7時間。東赤谷口は湯ノ平小屋登山口より北股岳まで所要5時間30分。また、二ツ峰コースは門内(もんない)岳まで10時間を要するロングコースである。大石口は、大石ダムより杁差岳まで10時間を要する。
 川入より飯豊本山から杁差岳を経て大石へと下る全山縦走は、3泊4日~4泊5日を要するコースだ。

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飯豊連峰の主要な山

大日岳

2,128m

飯豊山

2,105m

北股岳

2,025m

朳差岳

1,636m

二王子岳

1,420m

赤津山

1,408m

五頭山

912m