自分にあった登山靴探しは1日にしてならず! 登山靴の正しい選び方

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POINT
  • 値段やデザインはいったん忘れて。「足の形」が最優先!
  • 「1軒目で即決」はちょっと待って!お店は何軒か回ろう
  • チェックすべきは「指のあたり具合」「靴紐の調整しやすさ」
本日のお悩み

店員さんに勧められた登山靴を購入しました。店頭で履いた時は何も問題なかったんですが、山で歩くとしっくりこなくて... 靴の選び方にポイントはありますか?(40代/女性/登山歴1〜2年)

「軽量だし、デザインも素敵!」「セール価格だから、こっちにしようかな...」普通の靴ならそんな感じで選べますが、登山靴を買う時は、このような考え方はNG! もちろん、試し履きナシで購入...なんてもってのほかです! 登山靴は、登山者の命とも言える「足」を守り、支えてくれるもの。そこで今回は、登山用品の専門店で登山靴を買う時のポイントについて、山センパイに聞きました。

登山靴は、値段やデザインよりも「足の形」で選ぼう!

重い荷物を背負って長時間歩いたり、足元が不安定な場所を登ったりするために、安全性と疲れにくさを考慮して作られている登山靴。普段履きのスニーカーのように、好きな色やデザイン、値段で選ぶことはできません。

最も重要なのは、「自分の足の幅、甲の高さに合っているか」と大阪勤労者登攀クラブの森浜さん。「できれば足の形を測ってもらって、それに合う形の靴を教えてもらうのがベスト」とのこと。まずは自分の「足の形」を理解することが大切です。足の幅は広め狭め?甲の高さは?定員さんに足の特長をチェックしてもらいましょう。

運命の一足に出会うまで、妥協せずにお店を回るべし!

「靴選びは妥協しないで、複数のお店を回りましょう」とは、大阪勤労者登攀クラブの森浜さん。登山靴を探し始めてすぐ、自分の足にぴったり合う一足に出会う...なんてことはなかなかありません。あつた勤労者山岳会の清水さんは、「このくらいなら、まぁ~良いや!は絶対にダメです!! その場の勢いで買って帰ってはイケマセン!」と、登山靴選びは妥協してはいけないと熱く語ります。

何軒か回って、選び抜いた候補の中からベストな登山靴を購入しましょう。ということで、登山する日の直前にあわてて購入するのではなく、スケジュールにも余裕を持って登山靴を選ぶのが吉。

また、試着することを考えると、お店に行くのは朝一番より「夕方」がおすすめ。足が浮腫んで、大きくなっているタイミングだからです。

「指が当たる?」「靴紐で調整できる?」試し履きは念入りに!

試着のポイントは「親指と小指の外側が当たっていないか」。足の幅に対して、靴の幅が小さすぎても大きすぎてもNGです。革製の登山靴の場合は靴の幅を広げるなどの調整をしてもらえることが多いのですが、花折さん(京都明峯勤労者山岳会)によると「購入後でも調整してもらえるか、お店に確認しておいたほうが良い」とアドバイス。

また、店員さんについても、清水さんがとても大切なポイントを教えてくれました。「紐をお客様に結ばせる店員では無く、結んでくれる店員さんが良いです。紐も緩く縛りがちなので、店員さんだとしっかりと締めてくれます」とのこと・・・これは気づきませんでした! ついでに締め方もレクチャーしてもらうと良いですね。

このほか「店頭では重い荷物を背負って長時間歩くことはできないので、山の中で違和感を感じるのはよくあること。靴下の厚さや靴紐の締め方で、フィット感が調整できるものを選んで」と山センパイのはなこさん。新しい登山靴を履くときは本格的な登山より、靴の"慣らし"になるようなハイキングがおすすめです。

多くの山センパイたちは、本当にフィットする登山靴に出会うとソールを張り替えて履き続けたり、同じ靴を続けて購入したりするそうです。自分の足にぴったりくる一足を見つけましょう!

 

プロフィール

森浜 学(大阪勤労者登攀クラブ)

岩登りと岩稜縦走が大好きな50代。荷物を軽量化して、長い距離を歩くことが多い。山で意識していることは「攻守のバランス」だそうで、体力・技術面(攻)とともに、気象・地形・ファーストエイド・確保技術など(守備)にも力を入れている。得意分野は、地図読み、山道具、気象ネタ、雪崩対策など。

⇒大阪勤労者山岳連盟のイベント登山教室等はこちらをチェック

清水 美帆(あつた勤労者山岳会)

お気に入りのコースは「北穂南陵テント場に泊まってからの~大キレット歩き!」と答えるほど岩稜帯歩きが好きな40代。山ごはんに使えそうな食材の発掘が得意。最近は、下山後のお楽しみ(温泉)を決めてから、行く山やルートを決めている。

⇒あつた勤労者山岳会(愛知県勤労者山岳連盟)

花折 敬司(京都明峯勤労者山岳会)

19歳から本格的な登山を始め、40数年間、冬季や簡単なバリエーションも含め、連れ合いをパートナーとして一年を通じて山に登る登山愛好家。登山を始めたきっかけは「子どものころ父に連れて行ってもらった大峰山系 山上ヶ岳や弥山・八経ヶ岳などの体験」。

はなこさん(アルパイン・クライマーズ・チーム)

夏は小川山・瑞牆山、冬は城ヶ崎でクライミングを楽しむ、岩好きの50代。人工物を残さないで自然に近い形で岩を登る「トラッドクライミング」を得意としてる。山に行く時に楽しみにしていることは、「クライミングレベルのアップと、おいしい山ごはんを食べること」。

登山のお悩み・解決します

「下り坂が苦手」「読図のコツをつかみたい」など、登山に関するお悩みを、山のセンパイたちが相談に乗り、解決方法を指南します。

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