山の紫外線は意外と強い!快適登山のための日焼け対策とサングラス

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山の日差しの強さは半端なものではない。標高の高さに加えて、そこが残雪の上となると、上からも下からも強い日差しが襲いかかる。今回は、登山中に気をつけたい顔と首(後ろ部分も含む)の日焼け対策とサングラスの選び方について解説。

 

残雪の山、標高の高いアルプスなど、じりじりと忍び寄る直射日光! そう、誰もが気になる「日焼け」について今日はお話します。日焼けを防ぐには「なるべく肌を露出しない」というのが基本ですよね。日に焼けたくない意識が強い日本人は、どんなに暑くても長袖・長パンツを着用する人が多く、この点についてはかなり優秀だと思います。

UV加工を施した商品が登山用品ウェアの各メーカーから販売されていますし、日本は日焼け対策先進国ではないでしょうか。それでもやはり防ぎにくいのが顔と首の部分です。そこで、ここでは登山中に気をつけたい顔と首(後ろ部分も含む)の日焼け対策とサングラスの選び方について解説したいと思います。

こまめな塗り直しが大切! 登山に合った日焼け止め選び

たくさんの種類の日焼け止めクリームが店頭に並んでいますが、その中からどんなタイプを選べばいいのでしょうか? 商品にはそれぞれ紫外線をカットする数値としてSPFとPAの2つの数値が表示されています。SPFの数値は30、PAは++くらいが紫外線を適度にカットしてくれて、肌への負担も大き過ぎず登山に適していると言われています。また登山中は常に汗をかいているので、日焼け止めクリームが落ちやすい状態と言えます。日焼け止めクリームは2時間おきに塗ることが何より重要です。

意外な落とし穴!? 首、耳、唇の日焼け対策もぬかりなく

さらに大きなツバのある帽子をかぶることで、上からの紫外線を2~3割減らすことができます。首回りにはバンダナを巻いたり、シャツの襟を立てるなどして後ろからの紫外線にも気をつけましょう。唇には日焼け止め専用のリップクリームが効果的です。そして意外と忘れがちなのが耳です。女性はツバのある帽子や髪の毛で耳を覆っていることが多いので大丈夫ですが、短髪の男性は耳が剥き出しになっていることも! 耳にも日焼け止めクリームを塗り、手ぬぐいやハットで耳を隠すことを忘れずに。

かなり日焼けしてしまった場合の応急処置は、水に濡らしたタオルで冷やすことが大切です。その後、化粧水やジェルなどで保湿してください。

痛みがひどい場合は下山後に皮膚科で受診することをおすすめします。でも何より、日焼けには予防対策が大切です。登山の携行品リストに、必ず日焼け止めクリームとバンダナ、帽子をあらかじめ準備しておきましょう。

日差しの強い山ではサングラスも必携!

森林限界を越える標高の高い場所での登山と雪山(残雪期も含む)登山ではサングラスで目を保護することも大切です。特に雪山では雪面からの照り返しで雪目とよばれる角膜炎を発症してしまうこともありますので注意しましょう。

レンズのタイプは高山、雪山では偏光レンズが目の疲労を軽減してくれます。レンズの色にもいくつか種類がありますが、富士山など夏の高山では紫外線をカットする効果の高いグレー系がおすすめです。またブラウン系のレンズは明暗のコントラストを高めてくれる効果があります。曇りの日でも足元が見やすいので、天候が刻々と変化する登山に向いています。

汗をかくことが多い登山では、耳にあたる部分がラバーで滑りにくい素材になっているスポーツサングラスがやはり一番です。長時間装着してもストレスにならないよう、購入時には必ずフィッテイングして、ノーズパッド(鼻にあたる部分)の位置や全体のサイズなど自分の顔の形状に合うものを選びます。下を向いた時にズレ落ちないか、顔にあたる部分に痛みがないかなどをチェックしましょう。

プロフィール

田口 裕子

フリーランスのライター、編集者。学生時代より登山を始め、登山歴は25年のいわゆる中高年登山者の一人。徒登行山岳会所属。ハイキングから沢登り、アルパインクライミングまで山での遊びは何でも楽しんでしまう自由人。最近はロゲイニングとロングトレイルに夢中。

⇒徒登行山岳会

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