どんな時に着れば良い? ソフトシェルの使い方&選び方

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

みなさん「ソフトシェルジャケット」って使ったことありますか? 最近はさまざまな種類のものがお店に並んでいますよね。でも、どんな時に着れば良いのかわからないという方も多いのでは・・・。そこで今回は、この「ソフトシェルジャケット」の使いどころから、実際に買う時の選び方のポイントまで、ME-STORE 石井山専新宿東口ビックロ店の大塚さんにじっくり教えてもらいました!

POINT
  • ソフトシェルってどんなもの?
  • 試着時は、動いた時の裾、袖の長さに要注意。

 

汗っかきの人ほど、ソフトシェルの良さがわかる?

編集部S:ソフトシェル、興味はあるんですけど、どんな時に着れば良いのかイマイチよくわからなくて・・・。防風性だったら、レインウェアやウインドブレーカーで充分じゃないですか?

大塚さん:レインウェアやウインドブレーカーって、肘を曲げたり、前かがみになったりした時、少し突っ張る感じがしませんか?

編集部S:確かに、岩場を登ったり、靴紐を結んだりするとき、ちょっと生地が引っかかる感じがあるかも・・・。

大塚さん:ソフトシェルは、生地にストレッチ性があるものがほとんどなので、動いているときに着心地の悪さを感じることがほとんどありません。しかも、ウインドブレーカーやレインウェアって、防風性は高いですけど、運動量が多いときは汗で蒸れやすさを感じません?

編集部S:あー、わかります! 僕、汗っかきなんで、風が強い時はTシャツの上にレインウェアを羽織ることがあるんですが、動いているうちに汗でベタベタしてきます。あれ本当に悲しい気持ちになりますね・・・。

大塚さん:そうそう、そんな人にソフトシェルの快適さをぜひ体験して欲しいです! 一般的にソフトシェルって防風性がありながらも、とても蒸れにくいつくりになっているので、運動量が多い山行などはかなり使えると思いますよ。ただ、防水性はないので、レインウェアとは区別して使う必要があります。

編集部S:あー、やっぱり1枚持っておこうかなあ。でも、ソフトシェルと言っても種類が多くて、どんなものを選べば良いのかわかりません。

大塚さん:デザインや色なども大切ですが、"心から山を楽しむためには、その動きを妨げないものが良い"ということを頭の隅に置いていて欲しいですね。生地の厚みなどによって違いもありますが、基本的には生地の素材が硬ければ硬いほど、着用した時の不快感は増してきます。体に合わないものは合わないので、まずは着てみることが重要です。

編集部S:なるほど。具体的に、どのようなポイントをチェックすれば良いですか?

 

試着の時はどんなところに気をつければ良い?

大塚さん:試着する時、ただ羽織るだけではなく、ジッパーを上まで閉めたり、フードを被ってみたりしてください。

フードを被って、ジッパーを閉めたら、首もとについているドローコードを引いて、フィット感や視界の広さなどもチェックしてみてくださいね。(大塚さん)

 

フードについているドローコードを引っ張ると、フードの大きさを調整することができます。首を左右に振ってもフードが邪魔になりません。(大塚さん)

それから、腕を上げたり、肘を曲げたりしてみると、体に合ったソフトシェルを見つけることができるのではないかと思います。僕がいつも気にしているチェックポイントはこれです。

 

ソフトシェル試着時のチェックポイント

(1)ばんざいをした時、ジャケットの裾が腰より上に来ていないか

⇒裾が短いと、ザックのウエストベルトと干渉したり、裾が出てしまったりします。

左がOKな裾の長さ、右がNG。バンザイをした時、ここまで短いと(写真右)、ザックのウエストベルトの上に裾が出やすくなって、腰に当たりが出てしまったり、きちんと風が防げなくなったりします。(大塚さん)

 

(2)肘を曲げた時に、腕が出すぎていないか

⇒袖が短すぎると風が吹き込んでしまいます

左がOK、右がNG。手首が出てしまうほど袖が短いと、素肌が出てしまいますし、グローブを着けた時も袖のつっぱりが気になったり、日焼け跡ができてしまう原因になります。(大塚さん)

 

(3)ジッパーを閉めた時、腕の付け根にシワができていないか

⇒シワが出ていると、肩のシルエットが合ってない可能性が・・・

サイズが合っていないと、腕の付け根の部分(白く囲っている部分)にシワができることがあります。(大塚さん)
 

編集部S:普段着を選ぶ感覚で試着をすると、けっこう見落としがちなポイントが多いんですね。

大塚さん:そうですね。動いている時に着るものだからこそ、着心地は妥協しないほうが良いと思いますよ。ちなみに、僕がいま着ているマウンテン・イクイップメント(以下、ME)のスコール・フーデッド・ジャケットなんかは、そのあたりはクリアされていると思います。MEのウェアはカッティングにこだわっていて、このジャケットも脇の下の生地が一枚で下までつながっているでしょ。腕を伸ばしても裾が上がりにくいんです。さらに、手を伸ばしても手首の部分が出にくいような袖の長さになっています。

編集部S:僕がイメージしていたソフトシェルよりも薄手な感じがしますが、耐久性は大丈夫なんですか?

大塚さん:素材はナイロンをベースにポリウレタンを織り込んでいるので、摩耗にも強い生地になっています。洗濯機で水洗いしても問題ないですし、洗濯しても毛玉ができにくいですよ。

編集部S:へぇ、そんなに丈夫にできてるんですね。狭い岩場を歩く時、ウェアがちょっと擦れることがあるけど、これなら気兼ねなく使えそう!

大塚さん:登っている時は前を少し開けておいて、稜線に出て肌寒い時は、上までファスナーを閉めれば、防風・防寒もバッチリです。あとこれ、口元にファスナーが当たらないように、斜めに付いているので、ファスナーのひんやり感も感じにくいと思います。残雪期から紅葉の時期まで、シーズン中もかなり長い間使うことができると思います。

編集部S:ソフトシェル、便利だなあ。やっぱり買おうかな・・・。

大塚さん:1着持っているといろいろ役立つと思いますよ。たくさん試着して、身体にフィットする1着を選んでくださいね!

紹介した山道具

Mountain-Equipment(マウンテンイクィップメント)
Squall Hooded Jacket(スコールフーデッドジャケット)
参考価格:17,500円

プロフィール

石井山専新宿東口ビックロ店

首都圏最大級の山・アウトドアの大型専門店。「安全」をテーマに、ユーザーのライフスタイルに合わせたさまざまな商品を提案している。店内では、登山学校の講習やワークショップなども開催中。

住所: 東京都新宿区新宿3-29-1 ビックロ 新宿東口店内 8F
TEL: 03-5312-9550
営業時間: 11:00~20:00
アクセス: 新宿三丁目駅A5直結、新宿駅・西武新宿線西武新宿駅下車徒歩5分

 ⇒ホームページ

大塚 毅(ME-STORE 石井山専新宿東口ビックロ店)

夏はクライミング、冬はスキーを楽しむ山好き。スキーに関しては、全日本スキー連盟(SAJ)のデモンストレーターとして指導にあたるほどの腕前。自社だけでなく他社のウェアにも詳しい。

登山道具の買い方・選び方、ショップのスタッフに聞きました!

数ある登山道具の中から、自分にピッタリの用具を選ぶには? 登山用具を知り尽くした、ICI石井スポーツ、好日山荘、さかいやスポーツ、かもしかスポーツなどのスタッフが、用具チョイスとツボを説明します。

編集部おすすめ記事