黙って山に行ってはダメ!「家族」と「登山」のバランスの取り方

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POINT
  • 家族に黙って山に行くことは、絶対にダメ。遭難などのトラブルが発生した際、対応が遅れます
  • 家族の理解を得るためには、家族に山の楽しさを知ってもらおう
本日のお悩み

妻も興味を示し、最近は少し付いて来るようになりましたが、家族の理解は永遠の課題です。家族と山のバランスの取り方が知りたいです。 (30代/男性/登山歴3〜4年)

山ヤと言っても、人はみな誰かの子であり、誰かの親なわけで・・・。一人で山に行ってばかりでは、家族の反対を受けてしまうこともありますよねぇ。家族が山に興味がないとか、マイナスのイメージを持っている場合などは、本当に調整が大変だと聞いたことがあります。そこで山のセンパイたちに、「家族」と「登山」についてどうバランスを取っているのか聞いてみました。

黙って行くのは、絶対NG! ニコニコ笑顔で帰宅しよう

山に行くことを家族に反対されるから、心配されるからと言って、黙って出かけてはいけません。もしものとき、対応が遅れてしまう危険性があります。まぁ、そもそもザックを背負って家を出る時点でバレバレですが・・・。では、山登りに後ろ向きな家族に理解してもらうにはどうしたらよいのでしょうか。

「山から帰って来たらニコニコ笑顔で家族に会いましょう。山に行けば元気になって帰ってくることを理解してもらうのです」というアドバイスをくれたのは、山の会かたつむりの陶山さん。確かに、家族が喜んでいる姿を見てうれしくない人はいないですよねぇ。ましてや元気になって帰って来るなら、それを止めることは野暮なことのように思えてくれるかもしれません! 次回、家族に気持ち良く送り出してもらいたかったら、どんなに疲れていても、笑顔で「ただいま〜!」と玄関のドアを開ける・・・これですね!

「登山は楽しいもの」という気持ちを家族と共有する!

「山に行く何回かに1回は家族を誘って一緒に行きましょう。その際は、装備を快適にして、天気の悪い日は絶対に避けてくださいね。」と言うのは、アルパイン・クライマーズ・チームのはなこさん。「下山後の温泉、食事の計画をしっかり立てておき、"楽しかったまた行きたい""こんなに山っていいものなんだ~"と経験してもらうこと」が大切だそうです。登山までいかなくても「ピクニック気分の軽いハイキングもいい」とのこと(陶山さん)。登山の楽しさやすばらしさって、なかなか口で説明できるものではないですよねぇ。となったら、一緒に体験してもらうのが手っ取り早いということでしょうか。ただし、その体験がマイナスだったら、山に対してのマイナスイメージに繋がってしまうので、最高の山登りになるような入念な計画と準備が必要なようです。そこだけは時間をかけて手を抜かず、家族を楽しい登山仲間として巻き込んでしまいしょう!

プロフィール

陶山 正(山の会かたつむり)

「春夏秋冬野に山に!」がモットーの60代。登山歴は35年。山とスキーが好きで、夏は低山から高山まで幅広く楽しみ、冬は山スキーと雪崩講習に勤しんでいる。お気に入りの山は、西上州の笠丸山、大菩薩山稜の小金沢連峰~雁ガ腹摺山。得意分野は、地図読み、高山植物、雪崩対策など。

⇒陶山さんが所属する、「山の会かたつむり(東京都勤労者山岳連盟)」の講習会などイベント情報

はなこさん(アルパイン・クライマーズ・チーム)

夏は小川山・瑞牆山、冬は城ヶ崎でクライミングを楽しむ、岩好きの50代。人工物を残さないで自然に近い形で岩を登る「トラッドクライミング」を得意としてる。山に行く時に楽しみにしていることは、「クライミングレベルのアップと、おいしい山ごはんを食べること」。

登山のお悩み・解決します

「下り坂が苦手」「読図のコツをつかみたい」など、登山に関するお悩みを、山のセンパイたちが相談に乗り、解決方法を指南します。

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