縦走で履きたい登山靴に注目! 「ちょうどいい!」フィット感とグリップ力

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登山にも慣れてきて、この夏は縦走を楽しみたい。でもいまの靴でも大丈夫かな・・・と思ってる方はいませんか? 今ある不安も、まずは足元からしっかり備えて解消していきましょう。今回は好日山荘池袋西口店の安藤さんに、ピッタリな登山靴を一緒に選んでもらいながら、フィット感とグリップ力が魅力のモデルを試着させていただきました!

POINT
  • 登山の目的に合わせて登山靴を選ぶ
  • 前後左右の"キュッ"としたフィット感
  • なでるように歩けるグリップ力

自分にあった登山靴を見つけるには・・・

編集部S:(今年の夏は山小屋に泊まって縦走を楽しみたいけど、初めて買ったエントリーモデルをずっと使ってるから不安・・・。2足目の登山靴、そろそろ買おうかな)

安藤さん:いらっしゃいませ。登山靴をお探しですか?

編集部S:そうなんです、新調しようと思ってて。

安藤さん:ここが登山靴の棚なんですが、左から右にかけておおよそビギナーから上級者に向けたモデルが置かれています。どんな登山を考えてらっしゃいますか?

編集部S:今年の夏はアルプスなんか登ってみようかなーって思ってます!

安藤さん:じゃあこの真ん中辺りですかねえ。試しにこれ合わせてみましょうか。

編集部S:お願いします。ところで、登山靴を選ぶときに何をチェックすればいいんですかね? 以前ツメが割れてしまうトラブルがあったので・・・。

安藤さん:基本的には3つですね。まず足がズレない適度な締め付けがあること。そして足の指が動かせること。最後に下り坂で前がぶつからないこと。これらがクリアできていればひとまずはOKです。おそらくサイズが少し小さかったんじゃないですかね。靴下を履いて足を入れ、前にぶつけた時にかかとに指が入るくらいの余裕を残しておくと良いですよ。

登山用の靴下を履いて、足を前にぶつけた時に、指一本が確実に入るくらいがベストです(安藤さん)

編集部S:デザイン的には右側のあれが気になってたんですけど、どうですか?

安藤さん:カッコいいですよね(笑) どちらかというと右側は、岩場や残雪期などのハードな登山をする人向きなんですよ。例えばアイゼンなんかがつけやすいように、靴底も硬くて分厚くなっているんですよね。

編集部S:そっかあ、僕にはちょっとオーバースペックなのかなあ。

安藤さん:逆にハイキングやトレッキング向けのモデルはやわらかかったりします。まずは登山スタイルや、何をしたいかという目的がありますよね。それに即した靴を、そのカテゴリーの中から選んでいけば、失敗も少なくなるかと思います。

"キュッと"快適な足入れ

編集部S:じゃあこの靴は、今の僕にピッタリでしょうか?

安藤さん:どうしても相性があるので、実際に合わせてみないとわからないですけどね。靴ひも締めてみましたけど、どうでしょう? 立って歩いてみてください。

編集部S:あれっ、登山靴ってこんなに履きやすかったっけ・・・・。もっとゴツゴツしたイメージがあったんだけど・・・。

安藤さん:これはラ・スポルティバから出ているデルタGTXというモデルなんですが、足を入れたときの履き心地が最高ですよね。つくりが足を包み込むような構造になっているので、フィット感が非常に高いんです。

編集部S:まさに、ゆるすぎず、きつすぎずって感じですね。

安藤さん:きつい場合には、"ギュッ"ていう圧迫感があるかと思うんですが、このモデルは"キュッ"とピッタリ足を抑えてくれるんですよ。それでいて足の指も動かしやすいですし。このフィット感がとにかく大事なんです。

右がデルタGORE-TEX、左が他モデル。足を包み込んでくれるような感覚がとても気持ちいいです。

編集部S:今の靴もそこそこ履きやすかったけど、ここまでの感覚はなかったなあ・・・。

安藤さん:逆に、他の靴だと横幅が広すぎて、フィット感が弱いという場合もありますよね。そんな時は、足の付け根も横に動いてしまうような感覚があるかと思うんです。

編集部S:そうかもしれないですね。この靴は足自体は左右に動かないけど、指はちゃんと動かせますもんね。

安藤さん:これに関しては靴のサイドもそうですけど、よく見るとかかと部分にも足が収まるようなスペースがあって、前後左右の方向からピッタリ抑えてくれるのがいいんですよね。

下がデルタGORE-TEX、上が他モデル。靴の中でかかと部分に手を入れてみるとボコっとしているのがわかります。外見でも少しふくらみがある形状です(安藤さん)

地面についてくるフィット感

編集部S:履き心地もいいし、こんな靴で山に行ってみたいなーって思います。

安藤さん:足のフィット感が優れていることはもちろんですが、歩きやすいと言えるもうひとつの理由は靴自体のグリップ力だと思います。

編集部S:へぇー。でも他と比べても変わった所はなさそうだけど・・・。

安藤さん:先ほど気になられていた靴、靴底がとても硬く作られていたと思うんですけど、このモデルはある程度の硬さは残しつつ、硬すぎないところが特徴です。

編集部S:確かに、靴底押してみても簡単には曲がらない、むしろ硬いくらいだけど、気持ち"しなる"ような気がしますね。

安藤さん:しっかり地面に付いてくるので、上手く足の力を伝えながら歩くことができます。下り坂であってもグッと止まるので、安定感は間違いないですね。

下り坂でもしっかり止まれる。ソールも程よく曲がるので足の動きを妨げません。(安藤さん)

編集部S:「登山靴って無骨で重い印象があったけど、これは持ってみても軽いですし、それでいてつくりはしっかりしてるから、自然な山歩きが楽しめそうな気がします。」

安藤さん:「そうですね。軽さという点で言えば、強度を付けるところのメリハリがしっかりしていると思います。それから足首が動かしやすいというのも特徴ですね。よく見ると足を入れる部分が肉抜きされているので、よく足首が痛くなる方のトラブルも避けられます。」

足首にあたる部分が横に曲がるので、動きやすさもバッチリです(安藤さん)

編集部S:「足の動きが増すほうが、僕は安心かなあ。とにかく歩いた時に自分の足をしっかり使えてる感じが最高でした。」

安藤さん:「夏の縦走はもちろん、メジャールートを歩く登山に幅広く使うことができます。最初にオーバスペックな靴を買ってしまうと足首を痛めたり、足の裏が痛くなってしまうこともあります。その点、この靴をしっかり履けて問題ない方にはそのリスクが低いので、一足目に選んでも不安のないモデルだと思います。」

紹介した山道具

LA SPORTIVA(ラ・スポルティバ)デルタ GTX

プロフィール

安藤 雅人(好日山荘 販売促進部)

登山歴は20年。日本山岳ガイド協会認定の登山ガイド。縦走から、冬山、クライミング、沢登り、バックカントリースキーと一通りはこなせますが、最近は子供を背負ってのハイキングが一番の楽しみです! 早く一人で歩いて欲しいです(笑)

好日山荘 池袋西口店

日帰りハイキングから長期縦走、クライミング、沢登りまでさまざまな登山スタイルに対応する品揃えを誇る登山用品店。2階にある「マウントラボ」では、ロープワーク講習や山道具の選び方講座など、さまざまな勉強会が開催されている。

所在地/東京都豊島区西池袋3丁目27-12 池袋ウエストパークビル
TEL/03-5958-4315
営業時間/時短営業中につき好日山荘のWebサイトを参照
アクセス/池袋駅西口方面「1b」出口すぐ。
http://www.kojitusanso.jp/shop/kanto/#tokyo

登山道具の買い方・選び方、ショップのスタッフに聞きました!

数ある登山道具の中から、自分にピッタリの用具を選ぶには? 登山用具を知り尽くした、ICI石井スポーツ、好日山荘、さかいやスポーツ、かもしかスポーツなどのスタッフが、用具チョイスとツボを説明します。

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