1枚あると何かと使える! 超コンパクトなダウンパンツ

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山の夏が終わって、これから秋本番。変わっていくのは山の風景だけではなく、気候も同じです。寒い中でも快適に山で過ごすには、フリースやダウンなどの保温着が欠かせません。そこで今回は、下半身の冷え対策に役立つ「ダウンパンツ」の役割や選び方について、東京・神田神保町のさかいやスポーツの高橋さんにくわしくお聞きしました。

POINT
  • テント泊に欠かせないダウンパンツ
  • 利用シーン、暖かさ、サイズ感・・・総合的な性能を見て選ぶのが◎
  • 軽量なダウンパンツが便利

ダウンパンツの使い時って?

編集部S:山はいよいよ紅葉の季節本番ですね!

高橋さん:短い夏も一段落して、一気に山の様子も変わってきているころかと思います。

編集部S:夜はこれからもっと冷えるし、僕冷え性ですし、しっかり防寒対策をしておきたくて・・・。ダウンパンツってやっぱりあると便利なのでしょうか? テント場で履いている人を見て、気になってます。

高橋さん:ダウンパンツはテント泊をするのであれば、基本的に一年中使うアイテムになります。夏でも標高の高いところでテント泊をするのであれば、朝晩の冷える時間帯に履いておくと、身体を冷やさないで済むので、体調も崩しにくいです。たとえば、急にお腹の調子が悪くなったりとかありますよね。

たたんだ大きさや、生地の厚みも微妙に違ってくるダウン製品。

編集部S:あー、それわかります! 僕も経験あります。となると、やっぱり今くらいの時期になってくると、やっぱり持っておいたほうがいいですか?

高橋さん:秋や冬になってくればさらに気温も下がりますし、稜線近くでのテント泊などでは積極的に履くシーンが多くなると思います。スノートレッキングやスノーキャンプなどでも定番ですね。

編集部S:よくタイツを履いておけば大丈夫って聞きますが、そんなことはないんでしょうか?

高橋さん:保温という意味ではメリノタイツがよく履かれていますが、行動中にも履けるメリットがあります。でも、やっぱりテント場で食事をとる時や寝る時など、あまり身体を動かさない時は、ダウンの保温力には敵いません。もちろんダウンパンツに比べれば、軽量でコンパクトなのはタイツなんですが・・・。

編集部S:どうしてダウンって、そんなに保温力があるんですか?

高橋さん:ダウンは水鳥の毛、少ない質量でしっかりと膨らみ暖かさを蓄えます。表と裏のナイロン生地2枚で羽毛を挟み込むような設計なので、外気を遮断して体温を逃がしにくいということですから防寒性・保温性はバツグンです。タイツ、そしてトレッキングパンツの上から履くことで、休憩時や活動時にしっかりと身体を保温しておくことができます。

暖かさやサイズ感は? ダウンパンツの選び方

編集部S:ダウンパンツっていろいろな厚さのものがありますよね? それによって当然暖かさも変わってきますか?

高橋さん:そうですね。一般的なダウンパンツであれば、少なくとも羽毛が50グラム入っているものが多いです。70グラム以上あると暖かい部類になると思いますが、厚みが出てきますね。

編集部S:選び方としては、やっぱり暖かさそうな大きなものを選んだほうがいいですか?

高橋さん:ダウンパンツは保温性を十分に確保することが求められてきた製品なので、どれもそれなりに暖かいです。逆に厳冬にそこまで登山はしないという人にとっては、あまり厚すぎてもオーバースペックになってしまう可能性があります。

編集部S:そうすると、羽毛の割合として"フィルパワー"という単位がありますが、その辺りを気にして選んだほうがいいですか?

高橋さん:もちろんその値が高いほど羽毛が高品質になるのですが、直接あたたかさに結び付くわけではありません。個々の数値を気にするというよりも、軽さ、携帯性、暖かさなどの全体的な性能とご自身の登山スタイルとを比べて買うと良いと思います。

編集部S:そうですよね。暖かさを重視してスペックを上げ過ぎてしまえば、その分荷物の容量も増えてしまうわけですよね。

高橋さん:ダウン製品は、ザックの中でもとるスペースの割合が大きいです。テント、シュラフ、防寒着はザックの大部分を占めるほどかさばるものもあるので、その辺りも考えながらアイテムを選ぶ必要があるかと思います。

編集部S:自分で選ぶときのサイズなどはどうしたらいいですか?

高橋さん:メーカーによって若干差はありますが、基本は自分の身長にあったサイズを選んで頂ければ大丈夫です。ウエストでしっかり履いて足首が隠せる位が適切なサイズかと思います。

編集部S:男女でラインナップの区別がない場合、どんなところに気をつけて選べば良いですか?

高橋さん:サイズが合えば女性でも履いて大丈夫です。ただ、女性用のウェアはウエストに対してヒップがややゆったりつくられている傾向があります。ヒップのサイズで合わせてしまうとウエストが余って、お腹まわりが冷えてしまうことがあるので、そこは試着の時に注意が必要だと思います。

軽量ダウンパンツという選択肢

編集部S:お話を聞いていると、ダウン製品ってかさばりそうだし、どうせだったらコンパクトでそれなりのものが欲しいなって思うんですよね。

高橋さん:今は確かに荷物を小さくしたいと思われる方が多いですよね。もっとライトに使いたいなという方におすすめしているのが、ナンガとさかいやスポーツがコラボレーションしている、「Compact UDD Pants 30」という商品です。

編集部S:こんなに小っちゃいんですか。なんだか、一見ダウンパンツとはわからないですね。

手持ちのスマートフォン(しかもiPhone5!)と比較しても一目瞭然の小ささです。(高橋さん)

高橋さん:なんといってもMサイズ平均で153グラムという軽さが魅力なんです。羽毛量を30グラムに抑えることで、コンパクトさも実現しています。

編集部S:これだったらザックのすきまにスッと入りそう。でもこんなに軽くて、暖かさは大丈夫ですか?

高橋さん:真冬の登山というところは抜きにして、一般的な登山に関して言えば十分な暖かさではないかと思います。紅葉登山はもちろん、冬の山小屋泊などでもおすすめです。今までのダウンパンツが保温性をかなり重視していた分、それだと少しオーバーすぎるから、もう少し手軽に履けたらいいんじゃないかという視点でつくられたんです。

編集部S:実際に履いてみても暖かさは十分そうですね。他のダウンパンツと同じような履き方で大丈夫なんでしょうか?

足首が少し余っても、靴下や靴を重ねればぴったり決まります。(高橋さん)

 

ダウンパンツ特有の大きな膨らみがないので、見た目の野暮ったさはありません。
細めに作られてはいますが、腰回りは少しゆったりめ。窮屈感もありませんよ。(高橋さん)

高橋さん:基本的には、履いた状態で長く活動するというよりも、休憩時にサッと履くシーンをイメージしていただけるといいかと思います。なのでポケットやチャックなどもないんですが、とにかく気軽に履けるというのがポイントです。

編集部S:これだと余計なものがなくて、シンプルでいいかも。耐久性はどうですか?

高橋さん:さっき紹介したような生地の厚いモデルに比べれば相対的に劣りますが、表が20デニール、裏が15デニールと厚さを変えていて、表地は厚くしてあります。他の軽量モデルと比べても遜色のない安心感がありますよ。

編集部S:これを持っていれば急な寒さにもすぐに対応できそうだし、ザックが軽くなれば、そのぶん行動時間も増やせそうですね。

高橋さん:それから"ウルトラドライダウン"という湿気に強い撥水羽毛を使っているのも、快適に使える特徴だと思います。

編集部S:多少の雨や汗が絡んでも、ヘタレずに、しっかりと膨らんでくれるということですか。

高橋さん:その辺りも国産メーカーのナンガと開発しているので、品質も間違いないです。ぜひこれを忍ばせて、寒い時期も快適な登山を楽しんでください!

紹介した山道具

NANGA × さかいやスポーツ / Compact UDD Pants 30 M's
13,800円(税別)

教えてくれた山センパイ

高橋典孝さん(さかいやスポーツ ウェア館 勤務)

山の世界で働いて17年のベテラン。ウェアに関する知識はオタク級だが山道具も大好き!!
ゆったりオートキャンプからガッツリ登山まで何でもこなすが特に最近は、トレイルランニング、テンカラ釣りに没頭中。

さかいやスポーツ
創業以来、約60年にわたり神田神保町で全国の登山家やアウトドアマンに愛されている登山用品店。ウェア、シューズ、ギアなど品目別の専門館を6店舗展開。ウェアや道具に詳しいスタッフが丁寧に解説してくれるので、ビギナーでも安心。

住所 東京都千代田区神田神保町2-48
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営業時間 11:00~20:00
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