岳人魂にあふれる名作! 山好きなら読んでおきたい短編マンガ集
名作が多い山岳漫画ですが、山好きが読んでおくべき作品は・・・? そこで今回はICI石井スポーツ登山本店の間瀬孝之さんに、おすすめの山岳漫画を教えてもらいました。
『岳人列伝』(小学館)
作者の村上もとかはテレビドラマにもなった『仁』や『龍-RON-』などの長編漫画で有名です。ぼくも少年サンデーに連載された『六三四の剣』を愛読していました。それとほぼ同時期、ビッグコミックに不定期連載されていたのが今回ご紹介の『岳人列伝』なのです。
ここにはエヴェレストやK2、ヨーロッパアルプスなどへの極限に挑むクライマーたちの物語が描かれています。生と死のボーダーラインで登山者たちはいかに行動し、その結果どうなったのか。読み進んでいくと次々に情景が浮かんできます。その過酷な状況が山岳映画のクライマックスシーンのように脳内に上映されるのです。
1作品だけ日本の山が登場します。冬の北アルプス霞沢岳です。実はこの短編集の中で唯一登ってみたいと思ったのがこの霞沢岳のバリエーションルートでした。
活字や映像だけではなく漫画もまた山への憧憬を高めてくれます。ぼくにとって『岳人列伝』は数ある山岳漫画のなかでも忘れえぬ作品といえるのです。
著:村上もとか、発行: 小学館
プロフィール
登る前にも後にも読みたい「山の本」
山に関する新刊の書評を中心に、山好きに聞いたとっておきもご紹介。