はじめの雪山はこの一本! 雪山縦走用ピッケル

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雪山に備えて防寒アイテムだけはそろえたけど、なんか忘れているような・・・。そう、ピッケルは雪山登山者の証明書代わりかもしれません。でも長さや形の違うものがあって、ひとつになかなか絞り込めない・・・。本格的に始めるなら、ぜひ持っておきたいピッケルの選び方について、さかいやスポーツの高橋さんにお聞きしました!

POINT
  • バランスを取り、滑落防止にも必要
  • くるぶしを長さの基準に選ぼう
  • スチール製で軽量のオーソドックスなピッケル

ピッケルの正しい使い方は?

編集部S:ピッケルが必要な山のレベルって、なんか難しい。数センチの積雪だったら要らなそうだけど、本格的に始めるとなったらやっぱり必要だし・・・。

高橋さん:そうですねえ。スノートレッキングという趣旨になると、いわゆる先端にバスケットをつけたトレッキングポールで行けちゃう、ってこともあると思いますが、雪山縦走を始めたい、という方であれば揃える必要があると思います。

雪山縦走では必須になってくるピッケル。基本的な使い方は一緒ですが、微妙に特徴が異なるものが各メーカーから出ています(高橋さん)

編集部S:ピッケルって、そもそもどうやって使ったらいいんですかね。形からして、つるはしみたいだし、ヘッドの部分を雪に刺して使うんですか?

高橋さん:ピッケルは、雪山のシーンにおいて主に身体を支えるために使うものです。基本的な使い方としては、ヘッドの部分を持っていただいて、トレッキングポールと同じ要領で雪山の斜面に刺しながら歩くために使います。あとは強風時に、ピッケルを支点に抱え込み、身を守るという使い方ですね。

編集部S:ちょっと思ってたのと違いました(笑)

高橋さん:いえいえ、でももちろんそんな使い方もしますよ! 雪を崩したりとか、もっとレベルが高くなってくると氷に突き刺して、身体を持ち上げるとか。

編集部S:わあ、スゴいな。

高橋さん:あともうひとつ、とっても重要な使い方としては滑落の防止です。もし、仮に滑り落ちてしまったときには雪面に刺して、身体を止めます。

滑落時にとる姿勢。ヘッド部分を斜面に刺します。講習会などでも教わる重要な姿勢です(高橋さん)

編集部S:そういう使い方をする時が来ないと良いけど・・・。いざという時にはすぐ使えるように、絶対に持っておかないといけないですね。そして、使い方もマスターしないと。

高橋さん:そうですね、実践型の雪山講習会などに参加して、使い方もきちんと覚えてください。持っていても使えなければ意味がないので・・・。それから、登山中は常に手放さないように、リーシュと呼ばれるストラップを、手首タイプのものか肩かけタイプのものをつけておきましょう。

リーシュは肩にかけるもの(写真左)と、腕につけるもの(写真右)があります。ピッケル自体を落としてしまわないようにする、重要なパーツです(高橋さん)

編集部S:もし落としてしまったら、いざというときに使えないですよね。腕と肩、どっちのタイプ、どちらがいいですか?

高橋さん:そうですねー。好みもあると思いますが、腕用だと、どちらか片方でしか使えなかったりするので、初心者の方であれば、左右どちらでも使える肩かけがけがいいかな。

いろいろあるよね、長さや形

編集部S:そういえば、ピッケルってまっすぐな形と、カーブがついた形と、ありますよね?

高橋さん:カーブをつけたものは、振り下ろすときに雪との間にすきまを生んで、登坂のキツい場面でも、より少ない力で斜面に刺しやすくなるという利点があります。

編集部S:もっとカーブがすごいのもあって、見た目はカッコいいけどなあ。

高橋さん:このレベルになってくると一般的な雪山登山とは別物で、アイスクライミング用のピッケルですね。氷の壁にもよく刺さるように先も鋭利になってるんです。だんだん雪山と言えど、エキスパート化してくるにつれて長さは短くカーブも強いモデルになってきますね。

写真左から順に、ペツル・クオーク、ブラックダイヤモンド・フォーエル、グリベル・モンテローザ、ブラックダイヤモンド・レイブン。左2本がアイスクライミング用、右2本が雪山縦走用です(高橋さん)

編集部S:初心者の僕にはそこまでは必要なさそうですね。

高橋さん:そうですね、はじめてであれば基本的に真っ直ぐなもので大丈夫だと思います。

編集部S:長さって、どのくらいを目安にすればいいんですか?

高橋さん:ピッケルを持っていただいて、からだの横に付けたときに、ちょうどくるぶしくらいにある長さがちょうどいいサイズ感です。

写真は65cmモデル。男性でも、女性でも、基本的にはこのくらいを目安に選んでください(高橋さん)

編集部S:地面に付かないくらいで大丈夫なんですね。

高橋さん:実際には雪が積もった状態で使うわけですから、長すぎても扱いにくいですよね。逆に短すぎても身体を支えるというには不十分ですから、選び方は基本的に"くるぶし"と覚えておけばオッケーです。

編集部S:思ったんですけど、長さを調節できれば便利でよさそうなのに・・・。

高橋さん:そういうモデルもありますが、ほとんどは調整できないモノが多いんです。やっぱり接ぎモノであると、いざというときに不安が残りますからね。ピッケル自体を支点として使うことが多いので、一本になっているものを選びましょう。

はじめに持つならこれがいい!

編集部S:はじめて買うなら、なおさらしっかり強度のあるものを選ばなきゃいけないですね。

高橋さん:それだったらブラックダイヤモンド・レイブンなんかどうですかね。ホントにベーシックで、オーソドックスなピッケルなんですけど、扱いやすいですし、はじめての一本にも十分かなーと思います。

ブラックダイヤモンド・レイブンは、ビギナーにはピッタリなピッケルです(高橋さん)

編集部S:見た目はしっかりしてるけど、思ったより軽いかも。これだと扱いやすそう。

高橋さん:軽量感はあるんですが、スチール製で強度もバッチリです!

ヘッド部分。基本的なピッケルの性能は十分備えています(高橋さん)

編集部S:やっぱり初心者だと、軽いモノを選んだほうがいいですかね?

高橋さん:スチールではないアルミ製はもっと軽くはなるんですが、やはりスチールに比べると強度は落ちてしまいます。じゃあ「アルミ製の使いどころは?」ってなるんですが、本当にいざという時に使うって感じですかね。

編集部S:雪山に慣れていないと身体を支える目的が多そうだし、一本しっかりしたモノを買って、長く使えるようなモノがいいなあ。

高橋さん:レイブンは、一般的な雪山縦走に使うピッケルとしては、これで十分かと思います。価格も1万円を切りますし、予算の中で手に入れやすいのも大きな魅力かもしれないですね。

編集部S:アイスクライミング用ではないとはいえ、ピッケルの先ってやっぱり鋭利ですね。

高橋さん:そうですね、ケガには気をつけてください。山まで持ち運ぶってなると危ないですので、専用のカバーなどを使って、保護してあげると良いと思います。

ヘッド部分のカバー(写真左)と底部のカバー(写真右)もあります。つけておくとケガ防止につながるだけでなく、保管の際の保護にも役に立ちます(高橋さん)

編集部S:ピッケルを買ったら、ようやく雪山アイテムが揃うぞー!

高橋さん:雪山講習会などにもピッケルが必要になることが多いですし、実際の使い方に慣れておくと安心だと思いますよ!

紹介した山道具

ブラックダイヤモンド レイブン

教えてくれた山センパイ

高橋典孝さん(さかいやスポーツ ウェア館 勤務)

山の世界で働いて17年のベテラン。ウェアに関する知識はオタク級だが山道具も大好き!!
ゆったりオートキャンプからガッツリ登山まで何でもこなすが特に最近は、トレイルランニング、テンカラ釣りに没頭中。

さかいやスポーツ
創業以来、約60年にわたり神田神保町で全国の登山家やアウトドアマンに愛されている登山用品店。ウェア、シューズ、ギアなど品目別の専門館を6店舗展開。ウェアや道具に詳しいスタッフが丁寧に解説してくれるので、ビギナーでも安心。

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