BCスキー&スノーボードの遭難が急増。 島崎三歩の「山岳通信」 第67号

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長野県では、県内の山岳地域で発生した遭難事例をお伝えする「島崎三歩の山岳通信」を配信している。
4月28日に配信された第67号および、同日に発表された長野県知事から登山者へのメッセージについて紹介する。

4月28日に配信された『島崎三歩の「山岳通信」』第67号では、平成29年に入ってからの山岳遭難発生状況の集計と、4月3日~16日の間に起きた山岳遭難2件の遭難事例が掲載されている。ここでは、本件について抜粋・掲載する。

また、同日に発表された長野県知事から登山者等に向けてのメッセージと、山岳遭難防止対策協会からのお知らせについても掲載する。

長野県知事からのメッセージ

春の山岳遭難防止特別対策(平成29年4月28日(金)~5月7日(日))で、4月28日(金)記者会見において長野県知事から登山者等へのメッセージが、以下のように発表されました。

長野県の登山計画書のFAX受付元が変わりました

長野県では長野県登山安全条例に基づき、平成28年7月1日から長野県知事が登山計画書を受け付けています。
従来、山域ごとに7つに分けていた登山計画書を受け付けるFAX番号を、平成29年4月1日から「03-6862-5035」に統一しました。

平成 29 年中に入って、BCと外国人の山岳遭難が急増

平成 29 年1月1日~4月16日までに長野県内で発生した山岳遭難件数は46件で、うち23件がバックカントリースキー&スノーボード(以下BC)でした。また、このうち17人が外国人でした。

これは前年(平成28年)の同時期と比較すると、山岳遭難全体では9件、BCだけ見ると28件、外国人の遭難は10人と急増しています。

なお、山域については北アルプスが19件、中央アルプスが7件、南アルプスが1件、八ヶ岳連峰が8件、その他の山域が11件となっています。

4月3日~16日の信州の山岳遭難現場より

4月3日~16日の間に長野県内で起きた山岳遭難は以下の2件でした。

  • 4月4日、長野県下伊那郡阿智村の大川入山で、女性53歳ら2 人が山頂から下山中にコースを見失い、沢筋を下降したことから、誤って沢に滑落、負傷。行動不能となる山岳遭難が発生し、警察、消防等が捜索した結果、2 人を無事発見し救助しました。
  • 4月16 日、中央アルプス宝剣岳で、男性Aさん 41 歳が稜線を通過中に融けて緩んだ雪に足を滑らせ滑落・負傷する山岳遭難が発生し、中央アルプス地区山岳遭難防止対策協会隊員等に救助されました。

春先でも標高の高い山域では、一日の温度変化が朝は零度以下、日中は10度以上になるなど、氷点下をはさんで大きく変動します。それに伴い残雪の状況も、硬いアイスバーンから滑りやすい融けたザラメ雪になるなど一日の中で大きく変化します。

春山登山は、こうした気温や雪の状況変化を的確に判断して行動しなければなりません。登山をされる皆さんはくれぐれも慎重な行動をお願いします。

なお、下記URLより、「島崎三歩の山岳通信」バックナンバーもご覧いただけます。今後の登山にぜひ役立ててください。
http://www.pref.nagano.lg.jp/kankoki/sangyo/kanko/sotaikyo/sangakutusin.html

プロフィール

島崎三歩の「山岳通信」

信州の山岳遭難現場と全国の登山者をつなぐために発行。「登山用品店舗スタッフ」「登山情報サイトを利用する登山者」「長野県内の各地区山岳遭難防止対策協会」などに対して、長野県の山岳地域で発生した遭難事例を原則・1週間ごとに、「安全登山」のための情報提供をしている。

⇒バックナンバーはコチラ!

島崎三歩の「山岳通信」

長野県では、県内の山岳地域で発生した遭難事例をお伝えする「島崎三歩の山岳通信」を週刊で配信。その内容をダイジェストで紹介する。

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