残雪上で起きる事故について注意喚起。 島崎三歩の「山岳通信」 第75号

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長野県が県内で起きた山岳遭難事例について配信している「島崎三歩の山岳通信」。2017年6月23日に配信された第75号では、残雪上で起きる事故について注意喚起している。

 

6月23日に配信された『島崎三歩の「山岳通信」』第75号では、6月5日~11日の間に起きた山岳遭難の遭難事例が掲載されている。以下に抜粋・掲載する。

 

6月5日~11日の信州の山岳遭難現場より

6月5日~11日の間に長野県内で起きた山岳遭難は以下の6件でした。

  • 6月6日、乗鞍岳山麓・乗鞍高原の一の瀬園地で、62歳の女性がトレッキング中にコースを外れて道に迷い、行動不能となる山岳遭難が発生。北アルプス南部地区遭対協、および警察の捜索により無事発見救助された。

  • 6月9日、下水内郡栄村堺の苗場山で、66歳女性が山頂に向けて登山中に残雪で足を滑らせ転倒して右足首骨折などの重傷を負う山岳遭難が発生。県警ヘリで救助された。

    苗場山の遭難現場での救助活動の状況
    (写真提供:長野県警察本部 ホームページ 山岳遭難発生状況(週報)6月14日付)
  • 6月11日、中央アルプス・木曽駒ヶ岳の黒川谷駒飼ノ池雪渓上付近で、登山中の40歳男性が雪渓上で足を滑らせ滑落、左肩に軽傷を負う山岳遭難が発生。救助隊により救助された。

  • 6月11日、八ヶ岳連峰・天狗岳で、53歳男性が下山中に橋の金網に靴のソールを引っ掛けてバランスを崩して転倒、足を挫いて左足首骨折などの重傷を負う山岳遭難が発生。救助隊により救助された。

  • 6月11日、北アルプス焼岳で、36歳男性が上高地方面へ下山中にハシゴ場付近でバランスを崩し滑落し、左側頭部等に軽傷を負う山岳遭難が発生。県警ヘリで救助された。

  • 6月11日、北アルプス白馬鑓ケ岳で、33歳男性が下山中に雪渓上で足を踏み外し滑落し、左脚骨折の重傷を負う山岳遭難が発生。県警ヘリで救助された。

 

長野県警山岳安全対策課からのワンポイントアドバイス

6月2週は 6 件中 5 件が滑落・転倒事故でした。そのうち雪渓上で発生しているものが 3 件ありました。

滑落・転倒事故は、疲労やちょっとした気のゆるみが原因で発生します。行動中は漫然と歩くのではなく、足元や、見えない斜面の先の状況などに意識を向けて、慎重な行動を心がけてください。

 

なお、下記URLより、「島崎三歩の山岳通信」バックナンバーもご覧いただけます。今後の登山にぜひ役立ててください。
 ⇒長野県・島崎三歩の「山岳通信」

 

プロフィール

島崎三歩の「山岳通信」

信州の山岳遭難現場と全国の登山者をつなぐために発行。「登山用品店舗スタッフ」「登山情報サイトを利用する登山者」「長野県内の各地区山岳遭難防止対策協会」などに対して、長野県の山岳地域で発生した遭難事例を原則・1週間ごとに、「安全登山」のための情報提供をしている。

⇒バックナンバーはコチラ!

島崎三歩の「山岳通信」

長野県では、県内の山岳地域で発生した遭難事例をお伝えする「島崎三歩の山岳通信」を週刊で配信。その内容をダイジェストで紹介する。

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