マメ・靴ずれはトコトン対策! 登山前・中に出来ること

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登山中の足に関するトラブルはさまざまですが、見逃しやすい問題の1つが「靴ずれ・マメ」。出来てしまうと歩くこともままならず、そのツラさは味わったことのある人しかわからない。この対策法は「ならないようにする」のが最も大切となりますが・・・。

 

靴ずれ・マメができやすい

質問:
自分は靴ずれやマメが出来やすいようです。長時間歩くと、だいたい靴ずれが出来てしまいます。どんな対策が有効でしょうか?

 

マメ対策を語る前に、一番大切なのは自分にピッタリと合った靴選びと、しっかりとした靴の履き方です。これである程度の対策が出来ます。

登山の基本と言えば歩くこと、そう考えると装備の中で一番大切なのは、やはり靴となります。小さければ爪先が当たって爪が黒くなって痛いし、大きければ中で足が動いて不安定で危険。そのうえ、本題のマメ・靴ずれができやすくなります。

登山用具の専門店では一番トラブルが多いのが靴売り場。そのため、一番経験のある店員が対応するのが普通と言われています。靴ずれ対策の最初の一歩は、絶対に妥協しないでお気に入りの靴を手に入れることでしょう。

そして、靴紐の締め方も大切です。靴紐は中で足が不安定にならないように丁寧に締め上げ、かつ血行を妨げないように締めることが重要です。

ただし、この「紐の締め方」は経験の産物であったりします。普段、登山用の靴のような深くて硬い靴を履くことのない人にとっては、ガッチリした靴を履いてしっかりと締め上げるのは難しいのも事実です。そのため、どんなにピッタリの靴でも、マメや靴擦れは「あって当然」とも考えられます。

 

歩いていて少しでも異変を感じたら、すぐ対策を!

そこで、マメや靴ずれの出来やすい場所は、あらかじめ対策しておくのも1つの手です。対策する場所としては「踵」「親指」「小指の外側」といったマメを作りやすい箇所です。こうした場所には、最初からテーピングテープで保護をしてしまうことが第一です。

そして、歩いていて少しでも「靴が当たる」と感じたら、靴下の状況を調べましょう。ちょっとした靴下のシワが原因だったりします。靴紐の締め方を確認しながら、違和感があったらいち早い対策が大切です。

それでも、実際にマメや靴擦れができてしまったら――、新しい靴を履いた時などは起こりうる事態ですので、最初から何か準備する慎重さは必要です。あらかじめ「マメ対策」のクッション付きの絆創膏などは携行しておきたいものです。

どんなに良い靴でも最初から全くトラブルのない靴は少なと考えてください。新規に靴を購入した時には、散歩に履いたり、小さな山で使ってみたり、慣らすための努力は必要です。登山の前日に購入して玄関先で箱から出して履いて来たという使い方で、最初から快適な登山は無理です。

最初は、「どうもなぁ?」という相性の悪い靴でも、5~6回も履いていれば必ず改善するのが登山靴です。当たる所は購入した店に持っていけば伸ばしてもらえるものもあります。納得いくまで治す努力もマメ対策ですので、妥協せずに靴と付き合ってください。

 

プロフィール

山田 哲哉

1954年東京都生まれ。小学5年より、奥多摩、大菩薩、奥秩父を中心に、登山を続け、専業の山岳ガイドとして活動。現在は山岳ガイド「風の谷」主宰。海外登山の経験も豊富。 著書に『奥多摩、山、谷、峠そして人』『縦走登山』(山と溪谷社)、『山は真剣勝負』(東京新聞出版局)など多数。
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