もっと快適に! 一歩上のテント泊を目指す小物を揃えてみよう!

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テント・寝袋・マットが揃えば、ひとまず山で寝泊まりは可能になるものの、快適にテントで暮らすには少し心許ない。さらに快適にテント生活を送るためには、手にしておきたい快適アイテムがたくさんある。
石井山専新宿東口ビックロ店の増田さんの案内で、一歩上のテント泊を目指す便利グッズを確認する。

 

POINT
  • テントマットは是非とも購入したい。エマージェンシーシートで代用もオススメ。
  • テントのペグは、付属の標準ペグ以外にも数種類用意したい。
  • 快適性を高めれば、重量は増すかもしれないので、バランスも考えよう!

 

編集部T: テント泊登山で、あると便利・快適な小物について教えてください。

増田さん: 快適性を高めるグッズは、さまざまなものがありますが、基本的なもののみ挙げてみたいと思います。まずはテントマットです。

編集部T: テントの中に敷くのと、テントの下に敷くものがありますが・・・。

増田さん: テントの中に敷くものは「テントマット」、下に敷くものは「グランドシート」と呼んでいます。テントマットは、家の部屋で考えると、フローリングの上にカーペットを敷く感じです。地面からの冷えをかなり抑えることが出来るので、出来る限り持っておきましょう。

編集部T: テントマットには、とくに種類はないと思いますが、選び方のポイントは何かありますか?

増田さん: 大きめのマットを敷くことをオススメします。大きめのものを敷いておくと、テントに付いた結露が下に落ちた時に、テントマットとグランドの間に落ちるようになり、地面からの濡れ対策になります。
また、ブランケットタイプのエマージェンシーシートで代用するのもオススメです。緊急時のエマージェンシーシートとしてのみならず、しっりとした素材なのでマットにも使えます。さらにタープとしても利用できるもタイプもあります。汎用性を持たせたり、軽量化したりするための選択としておすすめです。

ブランケットタイプのエマージェンシーシートは、マットにも簡易タープにもなるので
便利でパフォーマンスが高い選択となる

編集部T: グランドシートについては、何か注意点はありますか?

増田さん: グランドシートの役割は、テントの破れ・穴空き対策や、汚れ対策が主です。最近のテントは軽量化したぶん、生地への"点の衝撃"には弱くなっています。テントを立てた後に、ズリズリの引きずるなどの行為は穴空きの原因の1つです。グランドシートを敷いておくと、うっかり引きずっても穴空きリスクは小さくなります。
また、グランドシートを敷いておくと、登山後のメンテナンスが楽になります。テントの汚れの多くは、底面の泥汚れですが、グランドシートを敷くだけで最小限の汚れで済むので、家に帰ってからがラクチンです。
テントを大事に使いたい人、長持ちしさせたい人は、テント専用のグランドシートを使ってください。

編集部T: テント場に行くと、工事現場で見るブルーシートを使っている人もいますね。

増田さん: もちろん専用のものでなくてもOKで、レジャーシートなどでも十分です。重要なことは「テントの底面積より小さいものにする」ことです。大きいものを使うと、雨が降った時に水が溜まる場所になりますからね。

 

快適性を高める方法はさまざま、重量と、快適性とのバランスを考えて購入しよう!

編集部T: ペグ(テント本体やロープを地面に固定する杭)は、テントに標準で付いていますが、アルプスのテント場のように岩場だと、刺さらないケースが多いですよね。

増田さん: そのためにも、どんなシチュエーションにも対応できるように、さまざまな種類のペグを用意しておきたいです。標準で付いているペグのほかに、ピンペグのように釘のような貫通力の強いものを何本か用意しておきたいです。
「全部おんなじ種類で揃えるとかっこいいし、見分けがつく」と考えますが、たとえ重量が増しても何種類か混ぜて持っていくと、対応力が高くなります。刺しやすいペグ、しっかり固定できるペグなど、さまざまな種類があります。いくつかの種類を持って、その上で軽量化やカラーなどを考えるのが良いと思います。

ペグには、さまざまな種類がある。さまざまなシチュエーションに他王するために
数種類のペグを持っておくと対応力が高まる

編集部T: ペグと同じように、張り綱もカスタマイズできる場所ですね。

増田さん: 最近では蛍光・蓄光・リフレクター機能のある張り綱がありますが、基本的には好みで変えてみてください。目立つ張り綱を付ければ、引っ掛ける(引っ掛けられる)、つまづく(つまづかれる)リスクは減るでしょう。テント場に行くと、同じようなテントが並ぶことになるので、間違えられて揺らされるリスクも減るかもしれませんね(笑)。

編集部T: テント内で快適というものでは、枕などもありますね。

増田さん: 自分の着替えを袋に入れたり、ザックそのものだったりを枕にして寝る人は多いと思いますが、寝心地を高くするなら枕は快適なものを選びたいですね。登山用の枕となると、エア枕になりますが、こちらは完全に枕のものと、繊維の入ったものがります。繊維が入ったものは、スポンジ入りのエアマットと同じで勝手に膨らんでくれるので楽です。
空気の量で、固さや高さが調整できるので、睡眠の質にこだわりたい人は、手に入れておきたいでしょう。

左が空気のみのエア枕、右が繊維入りのエア枕。睡眠にこだわる人は枕は重要アイテム。
実際に膨らませてみて、寝心地を確認したい

編集部T: テント内部の快適性というところではランタンがありますが、最近流行りのものは?

増田さん: 昔は日が暮れたら寝るというのが山の過ごし方でしたが、LEDタイプのランタンになってからは軽量で長持ちするようになり、テント内の夜の過ごし方も少し変わったかもしれません。
「テント内でゆっくり読書する」などしたい場合は、できるだけ明るいものが良いでしょう。例えば、「ふだんはハンドライト、スライドするとランタンになる」というタイプもあります。トイレに行くときなどには便利です。
重量を軽くしたいという場合はソーラー発電タイプのライトタイプもいいかもしれません。

ハンドライトにも、ランタンにもなる、3WAYのLEDライト

編集部T: ほかに快適に過ごすグッズでは、何が挙がりますか?

増田さん: あと、サンダルやスニーカーを用意すると、テント生活を快適に過ごせるでしょう。トレッキングシューズのままで過ごすよりも圧倒的にリラックスできるし、テントからの出入りも快適です。
オススメなのは、スニーカータイプのサンダルです。カカトを潰して履けるスニーカー型のタイプ、足裏がしっかりしていて足場が悪い岩場でも大丈夫なものもあります。ビーチサンダルでは裸足にならなければならないしケガが怖いので、こうしたタイプがあると安心・快適になります。

サンダルがあればテント生活は快適になる。ほとんどスニーカーのようなタイプは、不安定な山では心強い

編集部T: 快適なテント生活を過ごそうとすると、どんどん重くなってしまいますね。

増田さん: 軽いテントを背負って長い距離をガンガン行きたいという場合は、こうした小物は、不要になると思いますが、ある程度の快適性を求めるならば、手に入れておきたいものも多くあります。登山スタイルと、重量と、快適性とのバランスを考えて、少しずつ揃えていけば良いと思います。

 

プロフィール

石井山専新宿東口ビックロ店

首都圏最大級の山・アウトドアの大型専門店。「安全」をテーマに、ユーザーのライフスタイルに合わせたさまざまな商品を提案している。店内では、登山学校の講習やワークショップなども開催中。

住所: 東京都新宿区新宿3-29-1 ビックロ 新宿東口店内 8F
TEL: 03-5312-9550
営業時間: 11:00~20:00
アクセス: 新宿三丁目駅A5直結、新宿駅・西武新宿線西武新宿駅下車徒歩5分

 ⇒ホームページ

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