「ジップロック」で洗濯上手!!

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文=小川郁代、イラスト=ヤマサキミノリ

 

Report14 「ジップロック」で洗濯上手!!

こんにちは。六郎です。

先日2泊3日で、一人でテントを担いで山に行ってきました。今回はピークハントではなく、低山をめぐるロングトレイルです。
途中何度か天気が崩れたんですが、またそれもいいんですよね。雨に濡れた緑がきれいで、日本の山のよさを満喫しました。

山は楽しいのですが、いつも憂鬱なのが帰ってきてからの洗濯。とくに今回のように雨に降られると、どうしても着替える回数が増えて洗濯物も増えてしまいます。疲れて帰って、次の日からは仕事。洗濯はできるだけ手早く効率的に済ませたい。

そこで今回は、「ジップロック」を使った洗濯のコツを研究テーマに選びました。

 

アウトドアウェアの洗濯の基本を知ろう

山で使う衣類の特徴は、何と言っても素材の機能性。運動量が多い登山では、かいた大量の汗を、すばやく乾して体を冷やさないことが大前提です。

だから普段街で身につけることの多いコットン100%素材は使わず、化繊やウール素材を身につけるのが基本なのは、もうみなさんご存知ですよね。

 

洗濯表示をチェック

洗濯の方法は、それぞれの衣類に必ずついている洗濯表示に示されています。アウトドアウェアの機能を損なったり、素材を傷めたりしないために、洗濯表示マークどおりの洗い方をするのが重要です。

シンプルなマークですが、この中に、たくさんの情報が含まれています。例えばこちらは、今年僕が買ったシャツについていた洗濯表示。マークの見方について、これを例にご紹介していきます!

 

①「おけマーク」があるかを確認しよう

まず確認するのが、洗濯ラベルにある「おけマーク」。手おけに×印がついていなければ、家庭で洗濯ができます。

そして手の形がないものは、洗濯機でOK。アウトドアウェアは、自宅で洗濯できるものがほとんどなんですね。

洗濯機で洗えるものの例 
※中の数字は、水温の上限を表す

 

②線の数に注目

そして次に大切なのが、おけの下にある線の数。

線の数は、洗濯の強度を示します。線がないもの、そのまま洗濯機に放り込んで通常コースで洗えますが線1本のものは洗濯ネットに入れてから洗うと安心。

線2本のものは、洗濯機の「弱コース」や「手洗いコース」などで洗います。洗濯ネットに入れたり、おしゃれ着用洗剤など、デリケートな衣類用の洗剤を使ったりするとさらに安心です。

ソックスやインナーなどに使われるウールを含むものは、2本線表示になっていることが多いようですね。

 

汚れ物を分類して持ち帰ろう

洗濯表示の話が続いて、「ジップロック」と関係ないんじゃないかと思い始めていたあなた!
お待たせしました。ここからが僕の研究成果の本題です。

山で出た着替えや汚れ物、もちろん僕はいつも、まとめて「ジップロック」に入れて持ちかえります。
濡れや汚れがほかの荷物に移らないし、ニオイも気にならない。空気を抜いてパッキングすれば、かさも抑えられます。

これまでは、家に帰るとすぐに「ジップロック」を開けて洗濯物を取り出し、ウールや化繊、帰りの温泉で使ったタオルなどに分けて洗濯をしていたわけなんですが、これがどうにも面倒で・・・。

「だったら山にいる間に、汚れ物を洗い方別に分けておけばいいじゃないか!」

家に帰ったら、バッグの中身をそのまま洗濯機に入れて、それぞれに合った洗い方をすれば、ひと手間省くことができます。

さすがに汚れ物をみなさんにお見せするわけにはいかないので、ちゃんときれいに洗ったものを使って、前回の山行の様子を再現してみます。

今回使ったのは「イージージッパー」と「スタンディングバッグ」。もちろん「ストックバッグ」や「フリーザーバッグ」でもいいのですが、「イージージッパー」は、開閉が簡単にできるので、衣類を入れて空気を抜くときに便利。
「スタンディングバッグ」は、マチがあるので、靴下などを丸めて入れやすいんです。

今回山で出た洗濯物の洗い方の表示を確認したところ、この3種類の洗いおけマークがありました。
こうしてみると、同じ化繊の衣類でも、洗い方が違うものがあるんですね。

実際には、これらのものを脱ぐたびに、それぞれの洗い方別に分類して「ジップロック」に入れていきました。

山から戻ったときにはこの状態に。これならすぐに洗濯にとりかかれます。

 

化繊インナーの汚れにはつけおき洗いがいいらしい

ところで、吸湿速乾素材のインナーやTシャツ類って、なんだか洗ってもニオイが気になることってありませんか?

肌に直接つけるインナー類は、特に汗や汚れがつきやすいものですが、吸湿速乾性を高めるための繊維は、汗をすばやく吸い込むように工夫がされているため、汚れも奥までしみこみやすく、どうしてもニオイが残りがちなのだそうです。

それを解消するために効果的なのが、つけおき洗い。ここで、山で衣類を洗い方別に分類しておいた「ジップロック」が大活躍するのです。

つけおき洗いに適しているのは、ポリエステルなどの化繊素材のもの。ウールなどはつけおきできません。

山で、衣類をまとめて入れた「イージージッパー」に、衣類全体が浸る程度のお湯(表示の温度以下のもの)を入れます。

次に洗濯機で1回洗うときに使う分の洗剤を入れます。つけ置き洗いするものの量が少なくても、一緒に洗えるものがほかにあれば、全部を洗う量の洗剤を入れましょう。

この時点では、洗剤液はかなり濃い目です。

洗剤液がこぼれないように、たらいなどに入れてそのまま1時間ほどつけおき。

時間がたったら、「ジップロック」の中身を洗剤液ごと洗濯機に移します。繊細な素材のものは、ネットを使用しました。

あとはつけおきしなかったほかの洗濯物と一緒に、いつもと同じように洗濯機を回せばOKです。
これでニオイも汚れもすっきり落とせます。

汚れ物の持ち運びから洗濯の分類、そしてつけおき洗いまで「ジップロック」が大活躍しました!

山で使ったものはもちろん、普段のお洗濯でも参考にしていただけるアイディアだと思います。

 

ちなみに洗剤は、アウトドア用に作られたものはもちろん、家庭用の普通の洗剤でも大丈夫。ただ、漂白剤や柔軟剤が入っていないものを選ぶのがポイントだそうです。また、すすぎは2回するのがおすすめだとか。

柔軟剤は透湿性などの機能を損なうことがあるので、使用できないものも多いようです。それぞれの衣類のラベルや、メーカーのサイトなどを参考にしてください。

ほかにも干し方やアイロンの方法なども洗濯表示のマークで知ることができます。昨年12月に表示方法が変わってまだなじみのない方も多いと思うので、みなさんもWebなどを参考に、正しい洗濯の方法を確認しておきましょう。

⇒新しい洗濯表示について

「ジップロック」を使って、賢く楽してお洗濯。みなさんも正しいお洗濯方法を知って大切なウェアをきれいに気持ちよく、長く使ってください!

※「ジップロック」「イージージッパー」「スクリューロック」は旭化成ホームプロダクツ(株)の登録商標です。

山ジップロック研究所

生活必需品的存在の「ジップロック」や、山でも強力な便利アイテムです。パッキング・料理など、山の様々な場面でジップロックを使ったアイデアを紹介していきます。