山料理に使う「クッカー」の選び方は? 小雀陣二の3ステップで作る『山料理』番外編

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

新刊レシピ集『3ステップで簡単 ご馳走 山料理』はレシピだけではなく、調理用具選びのポイントも紹介しています。今回は、山料理には欠かせない、クッカー(コッヘル)の選び方のポイントを指南します。

 

お盆も終わって夏山も終盤! それでも山料理シーズンは、まだまだ本番です! コンパクトなワンバーナーと、クッカー(コッヘル)だけでシンプルに調理するのが山料理。ところで、登山用品店に行くとたくさんの種類のクッカーがあり、何を買ってよいか迷います。そこで今回は、アウトドアクッキングの第一人者、小雀陣二さんに、クッカー選びのポイントを教えてもらいました。

なお、小雀さんの新刊レシピ集『3ステップで簡単 ご馳走 山料理』では、レシピ以外に用具選びのポイントも紹介しています。ぜひ、手にとってみてくださいね。

自分の場合はソロ登山の場合、フライパンを使うことが多いです。フライパン型のクッカーは多くの料理で万能で、さまざまな料理に使うことができ、初めてクッカーを買う人にはとくにおすすめです。人数やメニューによっては、フライパンの2個セットを使っています。小さめのフライパンは皿代わりにもなるので重宝しますよ。

 

EVERNEW/アルミフライパン #16マーブル

シリーズで展開されているので大きさ、形状も選べる老舗メーカーの定番アイテム。最新のクッカーと比べると地味なデザインに見えるかもしれないけれど、ある程度深さもあり、とても調理しやすい僕のお気に入りのフライパンシリーズです。

山用具専門店で最新のフライパンをチェックすると、軽量さやデザインに凝ったものもありますが、まずは料理のしやすさや、後片付けのしやすさを優先したクッカー選びを心がけてほしいです。

具体的には、ある程度の厚みがあり、鍋の内側がノンスティック加工されたものがおすすめ。厚みのあるアルミは蓄熱しやすいので、料理をよりおいしくします。

ノンスティック加工は焦げつきを最小限に抑え、使った後の拭き取りが簡単になります。加えて、鍋底が渦巻き状に加工されたものだと、さらにベターです。鍋底が渦巻き加工されていると、バーナーの火を受ける表面積を増え、焼きムラを抑え、調理時間の短縮にもつながります。そしてバーナーの五徳の上では滑りにくくなります。

鍋底の渦巻き加工は表面積を増やし、熱効率を上げて、五徳の上でも滑りにくく、安定して料理が行えます

ノンスティック加工は焦げつきを最小限にとどめ、料理後の拭き取りも容易になります。写真のように内側に目盛があるとさらに便利です

 

COLEMAN/パックアウェイクッカーセット

深鍋とフライパンをセットで販売しているクッカーセットもおすすめです。クッカーセットも商品が数多く展開していますが、僕が愛用しているものをひとつ紹介します。

料理のしやすさを追求した1~2人用のセット。老舗のキャンプメーカーとして知られる「コールマン」が開発。キャンプ用品のイメージが強いですが、隠れた名品山用具だと思って愛用しています。

 

おまけ:オクラとショウガの冷汁

今回は料理の紹介がなかったので、おまけでひとつご紹介します。小雀さんの新刊著書より、猛暑の夏山にぴったりなメニュー「オクラとショウガの冷汁」です。

疲れた時や食欲のない時にもサラサラと食せるバーナーいらずの味噌汁ごはんは、生オクラのシャキシャキ感とミョウガの香味が大人味です。小雀さんの定番食材「塩むすび」と「調味味噌」を使った超簡単メニューです。

あれ、でもこのレシピ、バーナーもクッカーもいらないですね~。

とはいえおすすめなので、ぜひ『3ステップで簡単 ご馳走 山料理』でくわしい作り方をチェックしてみてくださいね! それでは皆さんエンジョイ夏山! エンジョイ山料理!!

 

このレシピについて

本レシピは、アウトドアコーディネイターとして著名な小雀陣二氏の新刊著書『3ステップで簡単! ご馳走 山料理』から紹介しています。もっとたくさん知りたい、詳しく知りたい方は、ぜひ、こちらの書籍をご参照ください!

⇒『3ステップで簡単! ご馳走 山料理』を見る

 

プロフィール

小雀 陣二

1969年、東京生まれ。アウトドア・コーディネーター。
アウトドアメーカー、カヤックショップ、などでの勤務経験を経て独立。雑誌や広告、CMの撮影などのサポート、スタイリングを担当するほか、得意の料理を活かし、野外料理レシピの連載執筆も行う。各地のアウトドアイベントでは、自らの体験を持ってアウトドアの魅力を伝えている。
日本各地のガイド仲間と共にカヤックやMTBのツアーを行い、夏のアラスカでは川下りやハイキングをエスコートしている。
週末は自らのカフェ「雀家 」をオープン。著書に『おかわり山グルメ』『お手軽アウトドア燻製レシピ』(エイ出版社)、『3ステップで簡単! ご馳走 山料理』(山と溪谷社)など、アウトドア料理に関する著書多数。
⇒雀家 suzumeya

小雀陣二の3ステップで作る『山料理』

アウトドアクッキングの第一人者、小雀陣二氏が、3ステップで簡単に作れる『山料理』を紹介。条件が限られている山のなかで、おいしい料理を作るコツが詰まっています。

編集部おすすめ記事