このエントリーをはてなブックマークに追加

協力=岐阜県 写真=水谷和政 モデル=丹羽有加、大塚めぐみ 衣装協力=コロンビアスポーツウェアジャパン

岐阜県北部、飛騨市と白川村を隔てる山塊にある天生県立自然公園は、世界遺産白川郷から車で約30分の距離にある。標高約1300mにある駐車場から、標高1774mの籾糠山(もみぬかやま)まで、「飛騨の宝」と称される森を歩く。

入り口で、森の案内人・岩佐勝美さんと待ち合わせ。見どころや携帯トイレの使い方など、森歩きのための注意を伺う。

30分ほどで最初の見どころ、天生湿原へ到着。その昔、この場所に仏師が住んでいた伝説や古川の昔ばなしを岩佐さんが聞かせてくれた。

真っ赤に染まったカエデやツツジに囲まれた湿原を過ぎ、飛騨の宝と称される森へ。カツラの巨木が次々と現れ、丸い落ち葉から柔らかい甘い香りがただよう。倒木更新されたカツラの巨木には、人が入れるほどの大きな空間が残っていた。

5本の巨木が並ぶ「かつら門」を越えると日が差し始め、雨上がりのブナの葉が、太陽に照らされて黄金色に。森がいきいきと輝き出す。日々森を歩く岩佐さんも、「今日の紅葉はこれまでで一番」と、絶好のタイミングに興奮気味。

ブナの森が濾過した冷たい湧水を口に含み、森を進む。岩佐さんから、樹木や花のこと、動物のことなど自然の話を聞きながら歩く。冬、どのくらい雪が積もるのか?ブナの幹を見るとわかるのだという。

ガイドさんと一緒だと、普段の山歩きではわからない自然の不思議を教えてもらえる。岩佐さんは、飛騨の自然や天生の森への思い、郷土を愛する気持ちがあふれていて、一日があっという間だった。

急登を2つ越えたところが籾糠山の頂だ。晴れていれば、北アルプスの山並み、乗鞍岳や御嶽山までパノラマが広がるという。眼下に、今歩いてきた巨木の森が広がっていた。お弁当タイムには、岩佐さんもプロデュースに関わる「飛騨の森弁当」をいただく。地元の食材を中心に、ていねいに味付けされたお弁当。秋の味覚、甘く煮たナツメの実は、都会では食べられないひと品だ。飛騨古川は米どころ。大きな美味しいおにぎりを頬張った。

下山路では、真っ黄色に色付いたブナの大木が次々と現れた。2週間前の台風で倒れたばかりという幹もあり痛々しかったが、かえって自然の力と森の命を感じる景色ともいえた。

「ブナ姫」「ブナ太郎」と呼ぶ、岩佐さんお気に入りの大木を過ぎ、春にはミズバショウが見事という湿地のほとりで最後の休憩。郷土の昔ばなし絵本や、オコジョのぬいぐるみが登場した岩佐さんのザックから、最後のビックリグッズが!

ブナの幹に残された爪痕は、天生の森がクマの住む豊かな森、貴重な森であることを教えてくれた。そして、この森を守り、残していきたいという、森の案内人の気持ちが伝わってきた。

森を愛し、守る人たちの心遣いを感じながら、雨から晴れにドラマチックに変化する、飛騨の宝のような森歩きを終えることができた。





天生の森はガイドの案内で歩きたい。
森の魅力、自然の素晴らしさをより深く感じることができるだろう。
紅葉だけでなく、新緑も夏の花の季節もオススメだ。

コース:3時間コース お一人2000円~
お問い合わせ: 飛騨市・白川郷自然案内人協会
TEL 0577-65-2211

天生の森を歩いたあとは、トヨタ白川郷自然學校に宿泊。翌日は、絶好の登山日和となった。自然學校の黒坂 真さんの案内で、白山展望の三方岩岳(さんぽういわだけ)トレッキングへ。

本来は自然學校のある馬狩地区から4時間ほどかけて山頂を目指すのだが、今回は、山頂まで1時間という駐車場まで車で移動。歩き出すとすぐに輝く紅葉の中へ。どちらを向いても太陽に照らされた山肌が輝いていた。

三方岩岳は標高1736m。白山連山の一角を担う。北に笊ヶ岳、東に猿ヶ馬場山など、渋い山々が見え、急坂をひと登りしたところで視界が開けると、長い峰の向こうに名峰・白山(標高2702m)が現れた。

三方岩岳の頂上部分は意外に広い。休憩中、黒坂さんが温かい飲み物を用意してくれた。どこまでも広がっている飛騨の山々を眺める。

前日のブナの黄色に対して、ここは赤い色が多め。太陽の光も強く、澄んだ秋空と眼下に続く鮮やかな紅葉は心に残る絶景だった。

山頂下のダケカンバの大木は黒坂さんのお気に入り。「力強く枝を広げるダケカンバは、角度を変えて、いろんな方向から見て」とのこと。ここでも飛騨の自然をこよなく愛する人に出逢うことができた。



三方岩岳へのトレッキングは、トヨタ白川郷自然學校のある馬狩地区からチャレンジしたい。
さまざまな自然体験プログラムがある

お問い合わせ: トヨタ白川郷自然學校
TEL 05769-6-1187

世界中から観光客が集まる世界文化遺産の白川郷・萩町集落は、昔ばなしの舞台に飛び込んでしまったかのような不思議な空間。

ガイドの里見実さんに案内され、合掌造りの構造や、その暮らしについて教えてもらう。燃えやすい建物のため、数軒ごとに放水銃があり、毎年、防火訓練を兼ねて、一斉放水を行う行事もあるという。

集落の端から、標高差50mの丘を登ると、バスで観光客が集まる萩町城跡の展望台だ。そこから人気のない棚田の坂へ。里山トレッキングが始まった。山では水がとうとうと流れていた。ここの貯水タンクが集落の放水銃につながっていて、山からの水圧によって屋根まで放水できるという。里山の水が、防火に欠かせないのだ。

適度なアップダウンの広葉樹の山から、集落が見え隠れする。トチやクリの実が落ちていた。昔なら食べ物を採りながら歩く道だったのだろう。ブナが広がる場所もあり、湧水が豊富なことも想像できた。昔の暮らしに思いを馳せ、風や光に心を傾けながらゆっくり歩いた。

集落の守り神、白川八幡宮に下って、里山トレッキングは終了。里山の自然と合掌造りの暮らしが密接につながっていることを感じられる貴重な体験になった。




白川郷の暮らしをもっとよく知ることができる里山トレッキングは、「白山白川郷トレイルクラブ」で!

2013年に結成した「白山白川郷トレイルクラブ」。
トヨタ白川郷自然學校に事務局をおき、名峰・白山と白川郷を舞台に、日本山岳ガイド協会認定ガイドが地元ならではの楽しいガイディングを行います。

お問い合わせ: 白山白川郷トレイルクラブ事務局
TEL 05769-6-1187(トヨタ白川郷自然學校内)

世界遺産・白川郷に拠点を置き、雄大な自然の中でのアウトドア体験プログラムを用意するトヨタ白川郷自然學校には、何日滞在しても飽きることがないだろう。
今回は「焚き火プログラム」に参加。インタープリターのアレンジで、大人でも感動の焚き火体験だった。ほかにも、具材集めから始まるピザづくりや、子ども向けの各種体験プログラムが用意されている。

お問い合わせ:トヨタ白川郷自然學校 TEL 05769-6-1187

高山に隠れた岐阜の名所、飛騨古川は、古い町並みが趣深く、代々受け継がれ、大切に保存されていることが感じられる。
飛騨古川で体験したいのが「SATOYAMA EXPERIENCE」のサイクリング。古川の美しい街並みと里山風景に惚れ込んだiターン移住のオーナーが、この魅力をサイクリングで味わってもらおうと企画。外国人観光客にも人気が高い、里山の田園風景を楽しむサイクリングプログラムだ。

お問い合わせ:SATOYAMA EXPERIENCE TEL 0577-73-5715

宇津江四十八滝は、飛騨古川の町から車で20分ほどにある、全国自然100選地、岐阜県名水50選地に選定される県立自然公園。
大小さまざまな滝が、次々に現れ、間近に迫る場所も。最奥の上平滝までは約1時間のハイキング。

お問い合わせ:飛騨高山こくふ観光協会

※クリックすると大きな画像で見られます
今回の訪問先 ※アイコンをクリックするとリンクが表示されます
ぎふの旅ガイド 高山市公式観光サイト 飛騨市公式観光サイト 飛騨の旅 トヨタ白川郷自然學校