早池峰山
北上山地の主峰、早池峰山は、『遠野物語』で柳田國男が「恰かも、かたかなのへの字に似たり」と表現したが、彼の足跡から推察しても、おそらく薬師岳の西稜と早池峰山の西稜とがオーバーラップしていることによるものと思われる。また詩人の宮沢賢治も好んで登り、作品に登場させている。それよりも、ロシア人、マキシモビッチ、須川長之助などの植物や高山蝶などの生物学方面で紹介され、古くから魅力的な山であった。
さらに古来から、拝峠という地名もあるように、女人禁制の山岳修験の山で、常民にとっては水分(みまくり)神の山で、旱(ひでり)のない豊饒の山でもあった。
南北250kmの北上山地を分断するクサビのように、古生代に貫入した蛇紋岩が浸食を受けたカンラン岩の残丘で、中岳南西緩斜面には、周氷河現象の線条痕も見られる。また、その高山植物帯は国定公園特別天然記念物に指定されるほど種類が多い。
この山の固有種の開花時期は6~8月で、梅雨期の7月下旬が好適。ナンブトウウチソウ、ナンブトウノオ、ヒメコザクラ、ミヤマヤマブキショウマ、ナンブイヌナズナ、この山の象徴のハヤチネウスユキソウ、早池峰山を分布上の南限とするナンブソモソモ、サマニヨモギ、チシマコザクラ、ナガバキタアザミなどがある。
なお久出内地区(つきせないちく)に大規模なダムが造られるので、その後の生態系の変化が心配される。
コースは大迫(おおはさま)側が一般的で、河原坊から3時間、小田越から2時間で山頂に立てる。さらに山頂から鶏頭山経由七折滝コースは5時間で下れる。また平津戸駅から高桧山へ4時間、さらに早池峰山山頂へ7時間のコースもある。
大迫側登山口には河原坊にキャンプ場があり、岳集落の民宿もよい。岳集落には早池峰神社がある。早池峰山山頂に奥宮を祭り、祭神は姫大神とされていたが、いつのころからか瀬織津姫神を主神とするようになった。早池峰神社の例祭には、重要無形文化財の早池峰神楽が奉納される。
一等三角点の山頂からは、岩手山を盟主として連なる奥羽山脈の山々、東方には三陸の海、そして北上山地の山並みなど360度の展望が楽しめる。
その昔、享保4年(1719)、幕府からの調査で、藩侯南部利幹(32代)の命を受け、一方井九郎右衛門、江刺家兵左衛門の両人が、早池峰山山頂から晴れた日に山座同定したところ、藩内のほか、遠く北は松前・絵山ヶ岳、津軽、羽州、伊達、南は常陸・筑波山の21座が見えた、と報告したという、眺望の一等地である。
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