だいぼさつれい
大菩薩嶺
山梨県 | 大菩薩連嶺
大菩薩峠の北にあり、三等三角点が埋められている。伝説によると、甲斐源氏の祖、新羅三郎義光が奥州に遠征時、道を失ったが、木こりに化けた軍神の導きでここを越えた。彼は軍神の加護に感謝し、八幡大菩薩の名を高らかに称えた。これが山名の由来とのこと。
戦前、戦後ともにハイキングのメッカであり、中腹まで車が使える昨今はなおのことである。この山が有名になったのは、なんといっても、大正2年に始まった中里介山の小説『大菩薩峠』によってであろう。中腹の勝縁荘(休業中)には介山直筆の「大菩薩峠勝縁荘」の扁額も残る。
山頂こそ展望には恵まれないが、南面の尾根筋はカヤトの原で、日川の谷を前景にした富士山をはじめ、西側の甲府盆地を下にして連なる南アルプスは、上河内岳から甲斐駒ヶ岳まで、まさに一目千両といった感じである。
さて、昔、奈良の大仏を見た甲州人が、その大きさに驚いた。ところが彼は、「甲州に来れば小仏でも三里、大菩薩となれば八里もある」とほざいたという。甲州人はなんと負け惜しみの強い人種だろうか。
登山口の裂石(さけいし)から大菩薩峠経由山頂まで4時間、同じく丸川峠からも4時間で山頂に達する。
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