王道の縦走コースを歩こう! 南アルプス・中央アルプス編
2017年08月24日(木)
 
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限られた宿泊地、行動時間も長くなる、経験者向けコース揃い

前回は、人気の北アルプスの縦走コースを紹介したが、今回は南・中央アルプス編をお送りする。

南アルプス・中央アルプスと、北アルプスとの大きな違いと言えば、登山者の数・山小屋の数だ。縦走するとなると、テント泊で進むにしても、宿泊できる場所は限られている。途中で小屋で休憩、というわけにはいかない。そのため1日の行程時間は、必然と長くなるだろう。

南アルプスの稜線歩き(写真:alpenjapanさんの登山記録より)

 

 

また山小屋でのサービスも、北アルプスのような充実した設備・サービスは期待できないことも理解しなければならない。北岳や木曽駒ヶ岳のような人気山域を除けば、北アルプスの山小屋のような設備はなく、「お客様扱い」してもらえる場所は限られている。また、山小屋が閉まる時期も早いので、十分な下調べも必要とされるだろう。

空木岳付近から望む南アルプスの稜線(エインジさんの登山記録より)

 

また、登山道の整備や道標の数なども、北アルプスと比べると明らかに十分ではないだろう。場所によっては登山者の数もまばらで、アクセスも困難な場所も多い。難易度は明らかに高くなるだろう。

それでも、手付かずの自然と大きな山が連なる景観は、北アルプスでは味わえない魅力が詰まっている。

今回は人気の高い縦走コースを、南アルプスから5つ、中央アルプスから1つ紹介する。

 

Vol.1 南アルプスの人気コース、白峰三山縦走

標高日本2位と3位が並ぶ、白峰三山(北岳・間ノ岳・農鳥岳)を一挙に縦走するこのコースは、南アルプスの中でも屈指の人気コースだ。

縦走中に5箇所も山小屋があるコースは、登山者も多く、南アルプスの他の山域に比べると心強い。残雪が消えれば、北岳周辺と大門沢下降点からの下りなどに難所はあるが、それほどナーバスになる場所ではない。

しかしこのコースは、1日の行程時間は長く、歩行距離も標高差も大きい。1泊でこの行程を踏破する登山者も多いが、かなり厳しい登降を強いられる。

下山後は、霊泉・奈良田温泉で疲れを癒やしたい。

(写真:KHSACOB さんの登山記録より)

■行程
【1日目】広河原から白根御池小屋へ
■総コースタイム 3時間10分、標高差+779m、-66m
広河原(08:00)・・・白根御池小屋(11:10)
【2日目】北岳から間ノ岳を経て農鳥小屋へ
■総コースタイム 7時間50分、標高差+1365m、-792m
白根御池小屋(07:00)・・・小太郎尾根分岐(10:00)・・・北岳肩ノ小屋(10:30)・・・北岳(11:10)・・・北岳山荘(12:15)・・・中白峰(12:55)・・・間ノ岳(13:55)・・・農鳥小屋(14:55)
【3日目】農鳥岳を越えて奈良田へ下山する
■総コースタイム 8時間40分、標高差+647m、-2626m
農鳥小屋(07:00)・・・西農鳥岳(08:00)・・・農鳥岳(08:40)・・・大門沢下降点(09:20)・・・大門沢小屋(12:00)・・・吊橋(森山橋)(14:30)・・・奈良田第一発電所(農鳥岳登山口)(15:00)・・・奈良田(15:40)
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  • 南アルプス市 北岳山荘
    2017年11月06日(月)

    2017年の営業は終了しました。本年もありがとうございました。

  • 大門沢小屋
    2017年10月15日(日)

    2017年の営業は終了しました。ご利用ありがとうございました。

  • 白根御池小屋
    2017年08月25日(金)

    ここ数日は雨もふらず、太陽が出ています。気温が低くなり、風も強くなってきました。もう夏ではありません



Vol.2 南アルプスの中心を歩く、荒川三山3泊4日

塩見岳、荒川岳などへの入山口となる鳥倉登山口からのコースは、南アルプスの中では比較的人気のあるコースだ。ここから一般的には3泊を要する縦走コースは長く険しいが、南アルプスらしい景色が広がる縦走コースだ。

ハイライトは荒川三山を東西へ縦走する箇所だ。日本第6位の東岳(悪沢岳)周辺からは、どの方向にも重量感あるダイナミックな景観が広がる。

なお、下山口となる椹島からのバスは、東海フォレストが運営する山小屋を利用した人のみが利用できる。バスの利用方法をよく確認して、本コースを歩いて欲しい。

(写真:つりおね さんの登山記録より)

■行程
【1日目】鳥倉登山口から三伏峠へ
■総コースタイム 2時間50分、標高差+875m、-75m
鳥倉(豊口山)登山口(08:00)・・・三伏峠(10:50)
【2日目】烏帽子岳、小河内岳を経て高山裏避難小屋へ
■総コースタイム 5時間10分、標高差+664m、-837m
三伏峠(07:00)・・・烏帽子岳(07:50)・・・小河内岳(09:15)・・・大日影山分岐(10:15)・・・板屋岳(11:10)・・・高山裏避難小屋(12:10)
【3日目】高山裏避難小屋から荒川三山を縦走
■総コースタイム 5時間40分、標高差+1095m、-961m
高山裏避難小屋(07:00)・・・前岳(09:40)・・・中岳(09:55)・・・悪沢岳(東岳)(11:15)・・・丸山(11:40)・・・千枚岳(12:10)・・・千枚小屋(12:40)
【4日目】千枚小屋から駒鳥池、蕨段を経て椹島へ下山
■総コースタイム 3時間35分、標高差+134m、-1616m
千枚小屋(07:00)・・・駒鳥池(07:25)・・・見晴岩(08:00)・・・蕨段(08:10)・・・清水平(08:35)・・・小石下(09:20)・・・吊橋(10:10)・・・滝見橋(10:20)・・・椹島ロッヂ(10:35)

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  • 椹島ロッヂ
    2017年11月06日(月)

    2017年の営業は終了しました。本年もありがとうございました。



Vol.3 満足感の高い、北岳から塩見岳への縦走

北岳から間ノ岳を経て塩見岳へと縦走するコースは、健脚でも2泊3日を要し(余裕を持つ場合は3泊4日)、長くハードなコースとなる。とくに間ノ岳から塩見岳への稜線は、登山者の姿も少なくなり、南アルプスらしいの魅力をタップリ楽しめる反面、行程は長いので早出早着を心がけたい。

コースのハイライトとなるのは塩見岳で、仙塩尾根を進むと独立峰のように聳える3000m峰は迫力があり、山頂からの展望も素晴らしい。

北岳や塩見岳の山頂付近は岩場が続く箇所があるので注意が必要だ。

(写真:take3 さんの登山記録より)

■行程
【1日目】広河原から北岳肩ノ小屋へ
■総コースタイム 5時間40分、標高差+1525m、-20m
広河原(08:00)・・・大樺沢二俣(10:40)・・・小太郎尾根分岐(13:10)・・・北岳肩ノ小屋(13:40)
【2日目】北岳肩ノ小屋から北岳、間ノ岳を経て熊ノ平へ
■総コースタイム 5時間20分、標高差+613m、-1051m
北岳肩ノ小屋(07:00)・・・北岳(07:40)・・・北岳山荘(08:45)・・・中白峰(09:25)・・・間ノ岳(10:25)・・・三峰岳(10:55)・・・三国平(11:55)・・・熊ノ平小屋(12:25)
【3日目】熊ノ平から仙塩尾根を 塩見岳を経て塩見小屋へ
■総コースタイム 7時間10分、標高差+903m、-717m
熊ノ平小屋(07:00)・・・北荒川岳(10:20)・・・北俣岳分岐(12:35)・・・塩見岳(13:10)・・・塩見小屋(14:10)
【4日目】塩見小屋から三伏峠を経て鳥倉登山口へ
■総コースタイム 5時間10分、標高差+426m、-1402m
塩見小屋(07:00)・・・本谷山(09:00)・・・三伏峠(10:10)・・・鳥倉(豊口山)登山口(12:10)

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  • 南アルプス市 北岳山荘
    2017年11月06日(月)

    2017年の営業は終了しました。本年もありがとうございました。



Vol.4 南アルプス南部の3000m峰、赤石岳・聖岳を制覇

10座ある南アルプスの3000m峰の最南端に位置する聖岳と、南アルプスの盟主となる赤石岳(南アルプスの正式名称は赤石山脈)を一挙に制覇するのが本コースだ。南アルプス南部の山らしく、みずみずしい緑に包まれている山々が特徴だ。

赤石岳、聖岳ともに大きな山容を持ち迫力がある。危険な岩場などは少ないが、それだけ厳しい登りと長い行程を強いられる。その分、充実感も高い。

南に行けば行くほど、訪れる登山者も少なくなる南アルプス。登山者の姿も他の山域に比べると少なく、静かな稜線歩きが楽しめるだろう。

なお、アクセスは東海フォレスト井川観光協会の送迎バスが利用できるが、利用方法については事前に確認が必要だ。

(写真:hi-yamakei さんの登山記録より)

■行程
【1日目】椹島から東尾根を登り赤石小屋へ
■総コースタイム 4時間、標高差+1616m、-54m
椹島ロッヂ(08:00)・・・カンバ段(09:25)・・・赤石小屋(12:00)
【2日目】赤石岳に立ち、百間洞山の家へ
■総コースタイム 4時間45分、標高差+848m、-901m
赤石小屋(07:00)・・・富士見平(07:40)・・・北沢源頭(08:40)・・・赤石小屋分岐(09:40)・・・赤石岳(10:00)・・・百間平(11:05)・・・百間洞山の家(11:45)
【3日目】中盛丸山、兎岳などを縦走し、聖岳から聖平に下る
■総コースタイム 7時間35分、標高差+1226m、-1450m
百間洞山の家(07:00)・・・大沢岳(08:05)・・・中盛丸山(08:45)・・・小兎岳(09:25)・・・兎岳避難小屋(10:05)・・・聖岳(12:00)・・・奥聖岳(12:20)・・・聖岳(12:40)・・・小聖岳(13:30)・・・薊畑分岐(14:15)・・・聖平小屋(14:35)
【4日目】聖沢沿いに下り椹島へ下山
■総コースタイム 4時間20分、標高差+553m、-1695m
聖平小屋(07:00)・・・滝見台(08:05)・・・聖沢吊橋(09:30)・・・聖岳登山口(10:30)・・・椹島ロッヂ(11:20)

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  • 椹島ロッヂ
    2017年11月06日(月)

    2017年の営業は終了しました。本年もありがとうございました。



Vol.5 南アルプス入門に最適、鳳凰三山を縦走

南アルプス北部の玄関口にそびえる鳳凰三山は南アルプス縦走の入門コースとして、オススメしたいコースだ。登山口やコース途中に山小屋があり安心感も高いうえに、コースタイムも長すぎず丁度いい。登山口へのアクセス方法も他の南アルプスと比べれば、圧倒的に便利だ。

白峰三山の絶景が望めるロケーションも素晴らしい。深い樹林帯、白砂の美しい稜線、独特の岩稜の景観、美しい滝を眺めながら歩けるドンドコ沢と、変化に富んだ登山道も楽しい。

難しい場所も少ないので、南アルプス縦走の第一歩に選びたい縦走コースだ。

(写真:ambit_hiro さんの登山記録より)

■行程
【1日目】夜叉神峠登山口から薬師岳小屋へ
■総コースタイム 6時間40分、標高差+1559m、-230m
夜叉神峠登山口(08:00)・・・夜叉神峠(09:00)・・・杖立峠(10:50)・・・苺平(12:40)・・・南御室小屋(13:10)・・・薬師岳小屋(14:40)
【2日目】薬師岳から青木鉱泉へ
■総コースタイム 5時間50分、標高差+374m、-1937m
薬師岳小屋(07:00)・・・観音岳(08:00)・・・アカヌケ沢ノ頭(09:00)・・・鳳凰小屋(09:50)・・・五色ノ滝(10:40)・・・南精進ノ滝(12:20)・・・青木鉱泉(13:40)

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Vol.6 中央アルプスの人気の山を一挙踏破、北部主脈縦走

北・南アルプスと比べると、こじんまりとした印象を受ける中央アルプス。それでも南北約100kmにも及ぶ山脈が続き、3000mに近い標高の山が並ぶ。

木曽駒ヶ岳周辺はロープウェイを使った登山者の姿が多く、山小屋も多く立ち並ぶが、南に行くに従い登山者の姿は減り静かな山旅となる。宿泊できる場所も限られているので、十分な経験を持って挑戦したい。

北部縦走コースは、木曽駒ヶ岳、宝剣岳、空木岳など、中央アルプスの中でも人気の山を縦走するコースだ。

宝剣岳や濁沢大峰周辺では、稜線上に岩場や難所も多く体力的にも技術的にも難しいコースとなる。

(写真:舘山 さんの登山記録より)

■行程
【1日目】千畳敷から木曽駒ヶ岳へ
■総コースタイム 1時間45分、累積標高差 +338m、-28m
千畳敷(08:00)・・・乗越浄土(08:50)・・・宝剣山荘(08:55)・・・木曽駒ヶ岳(09:45)
【2日目】木曽駒ヶ岳から木曽殿山荘へ
■総コースタイム 7時間5分、累積標高差 +693m、-1158m
木曽駒ヶ岳(07:00)・・・宝剣山荘(07:40)・・・宝剣岳(08:05)・・・三ノ沢分岐(08:45)・・・極楽平(08:55)・・・濁沢大峰(09:45)・・・檜尾岳(11:05)・・・熊沢岳(12:15)・・・東川岳(13:45)・・・木曽殿山荘(14:05)
【3日目】空木岳を越え越百山へ
■総コースタイム 6時間、累積標高差 +810m、-983m
木曽殿山荘(07:00)・・・空木岳(08:50)・・・摺鉢窪分岐(09:35)・・・南駒ヶ岳(10:05)・・・仙涯嶺(11:05)・・・越百山(12:35)・・・越百小屋(13:00)
【4日目】越百山から伊奈川ダムへ
■総コースタイム 4時間20分、累積標高差 +72m、-1339m
越百小屋(07:00)・・・七合目(07:40)・・・五合目(09:00)・・・福栃橋(10:30)・・・伊奈川ダム上登山口(11:20)

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  • 宝剣山荘
    2017年11月17日(金)

    宝剣山荘は週末営業になっています。本日は降雪中、千畳敷で積雪30cm。アイゼン・ピッケルが必要です

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