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peakperformanceの原点の山小屋
始まりは雪深い北欧の山小屋

 スウェーデンの首都ストックホルムから北西600kmにあるÅre(オーレ)。この街の一角に佇む山小屋で、1986年に「PeakPerformance」は創業された。
 創業者はワールドカップ準優勝経験のあるモーグルスキーヤー、ステファン・エングストロームと「スキーマガジン」の編集長ピーター・ブロム。そして、アートディレクター兼デザイナーのクリスター・マーテンソン。3人はスキーへの熱い情熱から、どんな過酷なシチュエーションにも耐えうる機能と、美しいデザインを持つスキーウェアを求めていた。その想いから作られた1枚のジャケットがきっかけとなり「PeakPerformance」が誕生したのだ。

日本の山小屋との関わり

 その後、欧州のトップブランドにまで成長し、スキーウェアづくりのみならず、今では登山やランニング、サイクリングなど、幅広いフィールドで使えるウェアを展開している。スポーツ、カジュアルラインとの中間的なウェアも新たに手がけ、その優れたデザインと機能性が高次元に融合された製品の評価は高い。
 そんなルーツを持つ「PeakPerformance」だが、 ここ日本でも山小屋との関わりを大切にしている。スキーイベントのスポンサーや、山小屋のスタッフに積極的に製品を使ってもらうことで、現場の声に耳を傾け、製品づくりに生かしているのだ。
 そこで今回は、「PeakPerformance」をよく知る南アルプスの「北沢峠 こもれび山荘」の竹元さんと、北アルプスの「太郎平小屋」の河野さんにブランドの魅力を聞いてみた。

北沢峠 こもれび山荘 竹元直亮さん竹元直亮さん
驚いたのはウェアを着た瞬間

—— はじめて「PeakPerformance」のアイテムを見た時、どんな印象を持ちましたか?
竹元:「(センスが)尖ってる北欧のスキーウェアブランド」という印象でした。カタログで見かけた時の強烈な個性は、今でも鮮烈に覚えています。おしゃれだけど華奢そうで、実際に山で使うとなると、ちょっと苦労しそう…というか、癖が強いのかな、と勝手に思っていましたね。
—— 製品を使っていく中で、その印象は変わった?
竹元:そうですね。最初に驚いたのは、ウェアを着た時でした。例えば、動く時にしなやかであってほしい部分が驚くほどしなやかなんです。あとはポケットのジッパーの向きとか、そういう細かいところまでしっかりと作り込んである感じ。現場からの声がしっかり製品に生かされているんだなと感じました。
—— 想像と違ったと。
竹元:それまでのイメージは完全に覆されましたね。特に、見た目の印象と違ったのは「タフさ」です。普段使っている「BL Light Softshell Pants」は使い始めて3シーズン目になるんですが、破れやほつれはまったくないんです。夏の登山道整備や、狩猟シーズンの藪漕ぎみたいなハードな状況で使ってもですよ(笑)。一般的な登山だったら、もっと持つんじゃないでしょうか。

街で過ごすときも重宝します

—— 竹元さんがオススメする「PeakPerformance」のアイテムは何ですか?
竹元:「BL Light Softshell Pants」と「Civil Lite Pants」です。「BL Light Softshell Pants」は万能で、春から冬の始まりまでしっかり使えます。真冬のトレイルランニングなんかにもおすすめです。ベンチレーションがしっかり開くので、発汗量が多い時などでも幅広く対応できるのが良いですね。
—— シーズン通して使えそうですね。
竹元:「Civil Lite Pants」はシルエットの良さと、素材の持つ肌触り、軽さが魅力です。夏はハーフパンツとタイツを履く方も多いと思いますが、ザックにこれを忍ばせておけば、テント場や山小屋でのリラックスウェアとしても良いと思います。もちろん縦走でハードに使っても問題ないくらい丈夫です。シルエットがとても良いので、山行先や旅行先、街で過ごすときも重宝しますね。自分はこのパンツにジャケットを合わせて、結婚式のパーティーに行ったりもしてますよ(笑)。
—— 最後に、「PeakPerformance」に求めていることはありますか?
竹元:これからも新しい素材やシルエット、カラーリングに挑戦していってほしいです。尖ったイメージを持ち続けたまま、どこまでも行ってもらいたいです。

竹元 直亮(たけもと なおあき)
北沢峠 こもれび山荘 支配人


1973年、長崎県生まれ。信州大学中退。9年前に、長野県伊那市で林業に就き、市が経営する北沢峠こもれび山荘の支配人になる。「小屋経営なんて経験がなかったから、最初の数年は大変だった」と振り返る。

北沢峠 こもれび山荘(旧・長衛荘)からの現地情報
太郎平小屋 河野一樹さん河野一樹さん
はじめは夏山用だけでしたが、今では一年中着てますね

——河野さんがはじめてPeakPerformanceのアイテムを見たり、触った時、どんな印象を持ちましたか?
河野:PeakPerformanceのウェアを最初に見たのは4〜5年前、富山の駅前のマニアックな山道具屋でした。デザインのシンプルさ、美しい色使いと配色が目に留まって、山はもちろん、タウンユースにも使えそうだな、という印象でしたね。その時は、ロングスリーブシャツとショートパンツ、ロングパンツを購入しました。ウェアを買う時は色々迷ってしまうのですが、PeakPerformanceのウェアは迷わず買ったのを覚えています。
——実際に着てみて、感じたことはありますか?
河野:まず、サイズですね。自分は体が大きいので、国産メーカーだとXLでも小さくて着れない場合があるんですよ。でもPeakPerformanceは、だいたいのウェアがLサイズでもゆったり着れて良いです(※)。はじめは小屋で着るための、いわゆる夏山用のウェアしか持っていなかったんですが、そのうちスキーウェアも買うようになり、今では1年中PeakPerformanceのウェアを着るようになりましたね。デザイン性の高さだけでなく、耐久性や保温性などの機能も優れているので、どんなシーンでも使えるウェアだと感じています。

着用しているのは「Maroon Block Jacket」と「Maroon Pants」(河野さんのフェイスブックより)

満足しているので、今の路線を貫いてほしい

——河野さんがオススメするPeakPerformanceのアイテムを教えてください。
河野:今、冬物で使っている「Maroon Block Jacket」と「Maroon Pants」です。配色もデザインも良くて、かつ価格もPeakPerformanceのウェアの中ではリーズナブル。保温性や耐久性も優れていると感じています。ただ、綿入りなので、どちらかというとゲレンデ向きかも。温かい時期のバックカントリーには「Tour SS Jacket」と「Tour SS Pants」に切り替えるといいと思います。バックカントリーでの理想は、ゴアテックスで軽量な「Heli Gravity」シリーズか、「 BL Core Jacket」シリーズだと思います。
——シーンによって使い分けたいと。
河野:他にもインナーで「Heli Mid Jacket」を2枚持っていますが、小屋着にもいいですし、冬のスキーのインナーにも使えて、年間通じて大変重宝しています。とにかく、どれをとってもスタイリッシュでカッコいいです。
——今後、PeakPerformanceに求めていることがあれば教えてください。
河野:デザインや機能に満足していますので、今の路線を貫いてほしいです。あとは、スウェーデンの山小屋から始まったということなので、山小屋とコラボ商品なんかできたら面白いですね。例えば、PeakPerformanceと山小屋のダブルネームで、コーヒーカップや、お皿なんかを作ったら…登山客にも使っていただけるし、良いかもしれません。

※EUサイズ表記となっているため 日本人のサイズ表記で合わせると、ワンサイズ大きめ。XS〜XLまであるので、幅広いサイズに対応している。

河野 一樹(かわの かずき)
太郎平小屋 支配人


1974年生まれ、京都府出身。太郎平小屋支配人・薬師岳方面遭難対策協議会副隊長・環境省自然公園指導員。2000年に太郎平小屋・現オーナーの次女との結婚を期に、山小屋の仕事を始める。それと同時に登山に傾倒、2004年には、北米最高峰のマッキンリー山(現デナリ、6,194m)を登頂する。現在は、日本100名山のうち70座に登頂。

太郎平小屋からの現地情報
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