秋は、栗駒山の紅葉を見に行こう!!
栗駒山の魅力
栗駒山地図

 宮城・岩手・秋田の三県にまたがる栗駒山(標高1,626メートル)は、奥羽山脈のほぼ中央に位置する。  一般的には、「栗駒山」と呼ばれているが、岩手県では須川岳、秋田県では大日岳とも呼ばれている。宮城県側からは、5月に現れる残雪の形が駒(馬)に似ている事が栗駒山の名前の由来になったと言われるが、9月中旬から10月中旬にかけて「神の絨毯」とも表現される全山紅葉のシーズンを迎える。

 夏は高山植物が豊富で「花の百名山」のひとつとして数えられるほど。ブナやミズナラ、カエデ類の落葉広葉樹林が広がり、新緑、紅葉ともに美しい。深田久弥氏は『日本百名山』のあとがきで「栗駒山も百名山に入れるべきであったかもしれない」と記している。

紅葉を中心に秋の魅力

 三県にまたがる栗駒山は、宮城県側から6つ、岩手県から2つ、秋田県から1つと、登山コースが豊富なことも魅力のひとつ。

 約1時間半と最短距離で登ることができる初級者向けのコースから、ブナの原生林や、山上お花畑を歩く標高差約1,000mの健脚向けロングコースまである。

 紅葉のシーズンは、日照時間も短いため、コース計画は慎重に。いわかがみ平から中央コース、東栗駒コースを往復するのが一般的。紅葉の斜面が広がる柔らかな印象を受ける宮城県側の景観に対し、秋田、岩手県側は、火山活動の痕跡が色濃く残り、昭和湖などの火山地形からの山旅も楽しめる縦走コースも魅力的。自身の力量を見極めて計画しよう。

 40年以上の登山歴という栗駒山山岳指導隊の狩野 浩さんに聞いたところ「9月下旬、山頂から徐々に紅葉が始まります。東栗駒コースを登ると写真に見るような、紅葉の栗駒山を見渡せるパノラマが広がるでしょう。山頂からは、鳥海山を間近に眺め、遠くは岩手山、早池峰山、南には月山、朝日岳、飯豊連峰まで大展望が広がります。往復30分程度の展望岩頭に立てば、須川側の火山地形、カルデラの広がりもまた素晴らしい景観です。縦走することで、宮城県側の赤、岩手県側の黄色と、樹相による紅葉の違いも感じることができるでしょう」とその魅力を語ってくれた。

 また宮城県側、秋田・岩手県側のどちらに下山しても、温泉地が近いため、紅葉の山と温泉を楽しめるのも、栗駒山の魅力といえるだろう。

 紅葉だけでなく、新緑、高山植物など、季節を変え、コースを変え、何度となく楽しめる栗駒山、この秋、ぜひ足を運んでみよう。

便利な栗駒山アクセスバスが臨時運行!

栗原市観光物産協会では、遠方からの登山者のために、9月22日(木・祝)~10月16日(日)の金・土・日・祝にあたる14日間限定で、紅葉シーズン限定の栗駒山アクセスバスを運行する。

東北新幹線のくりこま高原駅を9時に出発し、登山口のいわかがみ平には10時10分に到着。栗駒山山頂を往復した下山後は、いわかがみ平を15時10分発でくりこま高原駅に16時30分に到着する。料金は往復利用で3,500円。須川温泉へ縦走するなどの場合、片道料金は1,800円となる。

バスは予約制のため、運行4日前までに予約が必要。最少催行人数に満たない場合は運行されない。運行日、スケジュール、予約方法など詳細は栗原市観光物産協会のウェブサイトをチェックしよう。

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どこに下山しても温泉!

栗駒山の楽しみのひとつは、どの入下山口にも湧いている温泉。宮城県側には長い温泉の歴史があり、いくつもの温泉が楽しめる。
写真は宮城県側「新湯温泉くりこま荘」の露天風呂。
秋田・岩手県境の須川高原温泉も古くから湯治場として知られている。

山のめぐみ イワナ、そば

イワナの養殖発祥の地とされる栗駒山麓の耕英地区では、清流が育てたイワナを「岩魚丼」で提供し、栗原の名物となっている。 昼夜の温度差が大きい山間地、花山地区では香りの高いそばも名産。「花山そばの里」では3軒のそば店が味を競っている。 最近では、新たな郷土料理として「そばだんご」も栗原の名産品として、飲食店、旅館等で提供されている。

水が育てる お米、お餅、日本酒

栗駒山麓の地形と豊かな水によって育まれてきた郷土料理。米どころの平野部は「栗原米」を生み、ずんだ餅、くるみ餅に始まり、じゅうね餅、ふすべ餅など、50種以上ある餅料理を産み出している。水と米が美味しければ、酒造りには好条件で、栗原市内だけでも6つの蔵元が存在する。


自然の力を感じるジオパーク

記憶に新しい2008年の岩手・宮城内陸地震。栗駒山周辺では、数百ヶ所も斜面崩落や地すべりが発生した。なかでも国内最大規模の崩落である荒砥沢地すべり跡は藍染湖ふれあい公園から眺めることができ、大地の偉大な力を感じることができる。周囲は栗駒山麓ジオパークのジオサイトとして登録されている。

アクセス
東北新幹線で
東京からくりこま高原駅まで、約2時間20分。
くりこま高原駅下車後、いわかがみ平まで、車で約60分。
東北自動車道で
若柳金成ICからいわかがみ平まで、車で約50分
(川口JCTから若柳金成ICまで402km、約5時間)
築舘ICからいわかがみ平まで、車で約60分)
お問い合わせ
栗原市
産業経済部 田園観光課
〒987-2293 宮城県栗原市築館薬師一丁目7番1号
TEL:0228-22-1151
http://www.kuriharacity.jp/
自然豊かな「栗原市」に来てけいらん
栗原市観光物産協会
〒989-5612 宮城県栗原市志波姫新熊谷284番地3
TEL:0228-25-4166
http://kurihara-kb.net/