ヤマケイオンライン登山白書特別編 山とケータイアンケート調査
ドコモが山でつながる理由 NTTドコモ無線アクセスネットワーク部 赤松 亮
安全登山をサポートしたい

今年は、国民の祝日「山の日」がスタートして登山ブームはさらに加速する予感がします。また、昨今の各地の火山活動活発化や山岳遭難の増加もあって、山に関する行政やメディアの注目度が高くなって、わたしたち通信事業者に対して、情報連絡手段として“通信可能な場所の開示”と“携帯通信エリアの充実”が強く求められています。

ドコモでは、山岳エリアの通信状況を“見える化”し、その上で登山者の要望を含めた一層の携帯通信エリアの充実を図り、少しでもあんしん・安全な登山をサポートしていきたいと考えています。

山岳エリアの通信状況を“見える化”する

現状、山での通信状況の“見える化”に関しては、まずは2016年度から日本百名山エリアマップをドコモのウェブサイトで順次公開しています(→リンク )。

これは、実際にわたしたちが山を歩いて調査したものです。

調査には、登山経験のある者をチームに加えています。山によっては登山ガイドの方に案内してもらいました。山やコースによりますが、縦走コースのように1日で調査困難なルートの場合は山小屋に宿泊しています。もちろん、山小屋は登山者にとって重要なスポットであるため、宿泊するしないにかかわらず調査を実施しており、その際に普段の電波状況や山小屋を訪れた登山者の声を教えてもらっています。

正直、登山経験がないメンバーもいて、慣れない山道を調査することも。実際、山頂付近で突然雷雨になったことがあって、さすが山の環境は厳しくて、なおさら通信状況が重要だと心から思いました。

この調査を通じて、「山の、この場所であれば、携帯電話が利用できる」ということを登山者に事前に把握していただくことで、安全登山につなげられたら…と考えています。もちろん、調査によってさらなる対策が必要だと判断した山については、改めてできることがないかを再検討しています。

携帯通信エリアの充実をめざして

通信エリアの充実に関しては、例えば、登山者が多い富士山は、より快適なネットワークの提供をめざし、PREMIUM 4Gを導入しています。また、その他の山岳エリアも、お客様の要望に合わせて、単につながるだけでなく、より快適な通信環境作りに取り組んでいきたいと思っています。

しかし、山岳エリアは、基地局の設置がとても難しく、苦労しています。基地局は、電気(あるいはソーラー発電のための光)が確保でき、かつ通話可能エリアにしたい場所への見通しがある場所に設置するのですが、そういった場所は人や車が簡単に入れず、事前の調査や基地局の装置を運ぶことが困難な場所が多く、ヘリコプターやモノラック(作業用のモノレール軌道)で装置を運んでいます。

そもそも、山に設置するので、工事用の機材が平地に基地局を建設する場合と同じものが利用できないため、手の作業になることもあります。また、宿泊場所と工事場所が離れていることも多いので、毎日山の上り下りが発生することで1日の作業時間が短くなったり、降雪時期は工事ができないため、工期短縮の工夫が必要です。もちろん施設そのものを強い風や低温に負けないものにする必要があります。

このような対策には多くのコストと時間を要し、通話可能エリア化に向けて根気と覚悟が必要です。ドコモでは、広く・つながるネットワークを提供することが、お客様の安心・安全につながると考え、日々取り組みを強化しています。

(提供:NTTドコモ)