グレゴリー「パラゴン」「メイブン」:背負い心地と軽さを両立したNEWモデルが誕生
Monitor's Voice #01
体にフィットして、「着る」という感じの背負い心地。
荷物の量が多くても少なくても、ザックの存在を忘れるほど自然に背負っていられる。
鈴木真琴さん(40代、女性)
登った山:岩殿山(日帰り)、奥多摩 盆堀川流域 石津窪&三郎ノ岩道窪(日帰り)
登山歴:4年
01
岩場の登りでも、さすがの安定感で振られることがない。
荷物が減っても、全体をコンパクトにできるので、体にフィットし続ける。

 GW初日の4月29日、駅からアクセスのよい岩殿山に行きました。せっかく「メイブン35」の初使用なので、夏山テント1泊装備を詰めていくことにしました。ソロテント一式、3シーズンシュラフ、マット、ジェットボイルミニモ、コッヘル、食糧、着替え、ハイドレーションで水2L。他、こまごまとしたものを入れても余裕で入り、重量は12kg程度になりました。

 さて背負うと、さすがグレゴリー様! と言いたくなる、安心の安定感。腰・肩ともにパッドの安定が感じられます。何度か小さい岩場の登りがあったのですが、ホールドを持って上を仰いでもザックが体にフィットし続けているので、荷物に振られることなくすみました。また、下山時、登山口から駅までの道のりを、電車に間に合わすため軽くジョグしたのですが、そのときも少し腰ベルトを抑えていればそれほど揺れることなくフィットし続けてくれます。ほんとうに、グレゴリーザックは「着る」という感じだなと実感しました。

 5月14日(日)には、今シーズン初の沢登りで奥多摩・盆堀川流域の石津窪&三郎ノ岩道窪に行きました。下りにも沢ルートを取ったことで、懸垂下降もすることになるなど充実の1日を過ごすことができました。ロープやギア、沢靴・スパッツ等の沢装備で持ち物が多い沢登りには、軽量で収納力のあるこの「メイブン35」はぴったりでした。また、アプローチの際は荷物が多いのに、山行中は装備を身に着けてしまうので意外と荷物が少なくなる沢登り。そんなときには、周囲の紐をギュギュっと閉めればザック全体がコンパクトになり、ぶかぶかした感じなく体にフィットをし続けてくれる対応力が見事でした。

 ちなみにヘルメット着用も問題なし。前側のベルトをしっかり占めると雨蓋が前側に倒れるので、一切ヘルメット干渉なしでした。また、実際の現場での使用を経て、こりゃ便利だ! と思ったのは雨蓋の作り。ファスナーがぐるりと広く開けられ、雨蓋全体をパカッと開けることができます。今まで、雨蓋に色々詰め込んだときには、手を突っ込み、触り心地でごそごそと探すことが多かったのですが、これだと開けばどこになにがあるか一目瞭然! 容量が大きいため、脱いだ薄手ジャケットもぎゅぎゅっと突っ込むことができました。しかもファスナーのつまみが大きいので、ちょっとのストレスも感じることがなく非常に使いやすいです。また、雨蓋の最上部に薄いポケットがついていて、日焼け止めやリップなど頻繁に出し入れする小物を入れておくのに便利でした。


     

重さは感じても、荷重分散もされ、ショルダーが下がったり、腰がずれたりしない。
背中に密着感や暑さを感じることがないが、安定感がある。

 「メイブン35」が届いたとき、どピンクの色にまずはびっくり。日頃身につけるのはネイビー~ブルー系のものが多いので、合うかな? とちょっと心配でしたが、使ってみたら、ネイビーにはピンク色が映えること映えること! なかなか良い配色でした。あと、生地の薄さに驚きました。「薄い! 軽い!」ことにびっくりです。滝登りや詰めのヤブで引っ掛けたりしたときに穴があかないか心配だったのですが、なんともなかったです。

 「メイブン35」は、荷物詰め詰めで臨んだ重量重めの山行でも、アプローチ中と山行中で重量が大きく違う沢登りでも、その容量にあわせて体にフィットします。荷重分散もされ、ショルダーが下がってくることもなく腰がずれることもなく、また背中はフィットして安定感があるんだけど密着感とか暑さを感じることもありません。荷物の重さは感じますが、ザックの存在を忘れるほど自然に背負っていられました。特に2回目使用の沢は、滝を登るときなどもザックに邪魔されることなく、振られることもなく、さすがの装着感でした。ショルダー&腰ベルトも、使用中に違和感がありません。腰ベルトも肩ベルトも、調節ベルトを引いて合わせるのは問題なくできました。「異硬度2層フォーム」というのは、使用時に実際にそのことを自覚することはまったくありませんでしたが、感じてしまったらそれは違和感だと思うので、感じなかったことが良いことなのでしょう。

 背面長の調整は、マジックテープで簡単にできるので、ぴったり私のサイズに合いました。背面のメモリが目のように見えて、変な柄だなあと思っていたのですが、よくよく見ると SとかMと記載があるのですね。メッシュパネルは汗が溜まらない快適さ! 天候に恵まれ気温も高い山行により、だいぶ汗をかいたのですが、ザックを下ろすと背面はサラッとしています。他のザックだと、こういうときは汗が染み込んで冷たくなるのですが、サラサラメッシュで、少し残った水分もすぐに飛んで行きました。夏場には、これが快適そうです。泳ぐ沢にも使えそう。

 フロントメッシュポケットはメッシュに伸縮性がかなりありますね。脱いだ上着を入れたり、すぐ出したりできるので、いろいろ使えそうです。ただし、あまり詰めると見た目がかっこ悪くなりそうですが。移動中は、本や地図など、電車で取り出すのに便利なものなども入れておくのに良さそうです。腰ポケットには、コンパス、小さい行動食、熊鈴を入れていました。防水の方には「ヒトココ」など電子機器を入れておくには便利なのかな? サイドに伸縮性のあるメッシュポケットが付いていて、メイン気室に荷物をパンパンに詰め込んだ後でも、サイドにストックやテントのポールをギュッと差して収納できました。

 さらに、専用レインカバーが専用収納場所に備わっているというのは好みです。外付けのザックカバーだと、ついつい持たない選択をしてしまうことが多いのが事実。自動的にザックに備わっているとその判断をしなくて済むので、良いと思います。サングラスホルダーは、カメラをぶら下げるのに、とても便利に使いました。日頃から、ミニカラビナで吊り下げる形のカメラケースを用いています。今回、沢登りで装備解除した後、このサングラスホルダーが非常に便利だということを発見し、大変重宝しました。

 メイン気室へのアクセスの紐はほんとに便利! 閉めるときも開けるときも片手で引っ張るだけでできる簡単さ。また、下部からのメイン気室にアクセスできるので、テント泊装備をぎゅうぎゅうに詰め込んだ後、底の方にできてしまった微妙な隙間を最後に活用するのに、とっても便利でした! ファスナーの作りがしっかりしていて、詰め詰めの荷物でもファスナーが咬むことなく、スムーズに開閉できます。ファスナーのツマミが大きいので引っ張りやすいし使いやすいです。

 ただ、気になったのは、肩ベルトの、上側の調整紐(背中上部のフィット感を調整する紐)が細いので、引く時に、わずかながらも通常より余分な力が必要なこと。あと、紐類が全体的に長めにできているように感じました。徐々に自分仕様に調整をしないといけないかなと思いました。また、サイドの幅をギュッと締めるために左右それぞれ上下2箇所、合計4箇所に紐がついていますが、これが締めにくい。なんとか一発で締められる紐にしてくれないかなあと思います。

 「メイブン35」は夏山テント泊ハイク1泊程度なら十分いけますし、テント泊にするのにこのザックの軽量さは効果があるでしょう。テント泊装備を背負ってもしっかり荷重分散してくれるので、よいザックだと思います。背面メッシュなので雪は無理だし、生地が薄いので沢や岩だとちょっと傷着くのが心配かも。これから、厳しい岩や沢でないところは、バリバリ活用していきたいと思います。


     


● Check Point
  • 雨蓋のファスナーがぐるりと広く開けられ、雨蓋全体をパカッと開けることができる。
  • メッシュパネルは汗をかいてもサラッとしていて、少し残った水分もすぐに飛ぶ。
  • ショルダー&腰ベルトも違和感がなく、調節ベルトを引いて簡単に合わせられる。

 

Monitor's Voice #02
思っていたより軽いのに、テント1泊分の荷物が余裕で入る収納力。
背中全体で支えている感があり、追従性が高いのでザックがブレない。
谷口和久さん(40代、男性)
登った山:京都北山の魚谷山・桟敷ヶ岳(日帰り)、六甲の荒地山・六甲最高峰(日帰り)
登山歴:約10年
02
1泊の山行の荷物が余裕で収まり、重量も軽い。
金属製のかさばる荷物を入れても、パッキングが安定してガタつかない。

 5月5日に京都北山の魚谷山・桟敷ヶ岳に行きました。ゴールデンウィーク第一弾のテント一泊の山行は前のザック(65L)で行ったのですが、その後、「パラゴン38」に前のザックに入れてあった荷物一式(テント、シュラフ、水3.5Lなど)を試しに詰めたところ、なんとほとんど収まってしまいました。省いたものといえば若干の食料と着替え、それとスリーピングマットくらいです。実際のところ1泊程度では前のザックもかなり余裕がありましたが、それでも38Lのザックにほぼ同じ分量が入るとは思ってもみませんでした。重量も、前のザック20kgに対し、「パラゴン38」は13kgでした。

 また、5月7日に六甲の荒地山・六甲最高峰に行きました。岩場も登る予定だったのでテント類は省きましたが、山頂でコーヒーを楽しもうと、「マッキネッタ」(簡易エスプレッソマシン)を持って行きました。金属製のかさばる物ですが、正面や脇のストラップをきちんと締めることで、中でガタガタ言わず安定のパッキングでした。また、六甲では新調したトレランシューズを下ろしたのですが、10kgの荷物ではさすがに走るには厳しかったですが、軽快なシューズでの早歩き(こういうのを「ファストパッキング」と言うのでしょうか?)に「パラゴン38」はピッタリですね。


     

軽量なのに、生地やパーツがしっかりしている。
背面長をスムースに調整できるので、ザックサイズがなかなか合わない人でも安心。

 「パラゴン38」を手に取った第一印象は「軽っ!」でした。このサイズで思っていた重さより、かなり軽かったです。背負い心地がソフトでありながら背中全体で支えている感があります。また追従性も高く、倒木をくぐり抜けたり岩場でチョックストーンを潜ったりと、体を大きく動かした時もブレないので、安心して動作できました。また、背面長を無段階で調整できるのは素晴らしいですね。マジックテープの耐久性が気になるところですが、おそらく問題ないかと思います。

 メッシュパネルは撥水性ウェアとの組み合わせで、蒸れや不快感ゼロでした。また、想定重量が違うので単純比較はできませんが、以前のザックのハーネスやヒップベルトと比べて、「パラゴン38」の方が細身でしなやかで、私には快適でした。

 フロントメッシュポケットには雨具(上)を入れました。メッシュがしなやかなので出し入れしやすく、しかもしっかり本体と密着しているので落とす気遣いもなかったです。

 今回の山行では、MAX13kgでしたので、ポールは使いませんでした。ただ、ポールアタッチメント部とフロントストラップが重なっていて、荷物の少ない時など、フロントストラップのバックルがちょうどポールアタッチメントのループ内に潜り込んでしまったため、少々使い勝手が悪かったです。ヒップベルトポケットの右側にはスマホ、左側(メッシュ)には行動食を入れました。引き手の形状が大きくしっかりしているので、引きやすかったです。サングラスホルダーは一応使ってみました。確かにしっかり保持してくれる印象ですが、さすがにこれはオーバースペックかな。

 「パラゴン38」は軽量でありながら、生地やパーツがしっかりしているので、少々雑に扱っても問題ない印象でした。登山道具は様々な環境・条件の下で使用するので、自分にとってこれは大切なことです。「パラゴン38」は無雪期の日帰りから小屋数泊、慣れた人ならテント1泊でも十分行けると思います。それと、ザックのサイズがなかなか合わないという方にもオススメですね。背面のサイズ調節機能は優れものです。私もそうですが、特に小柄な人はややもするとザックに振られがちなので、軽量・コンパクトで追従性の高い「パラゴン38」は最適と思います。軽量・コンパクトで使い勝手が良いこと、それと動作時の追従性の高さのため、日帰りから小屋泊それとテント1泊などで使っていきたいと思います。


     


● Check Point
  • ハーネスやヒップベルトが以前のものと比べて、細身でしなやか。
  • フロントメッシュポケットのメッシュがしなやかなので出し入れしやすい。
  • ヒップベルトポケットの引き手の形状が大きく、しっかりしているので引きやすい。

 

Monitor's Voice #03
重量が体に無理なく装着されている感じで、重さで振られたり肩に食い込んだりしない。
背面長を簡単に自分のサイズに調節できるクイック調節が助かる。
ミソサザイさん(50代、女性)
登った山:雲取山(1泊2日山小屋泊)、瑞牆山(日帰り)
登山歴:5年
03
乱雑にパッキングしても、型崩れがなく、中身にアクセスしやすい。
荷物が少なくても、背負い心地が変わらない。

 5月3〜4日に、奥多摩側の鴨沢から入り、雲取山に行きました。春らしい薄曇りの日で気温は12℃くらい。長袖Tシャツ一枚で丁度よかったです。雲取山荘で1泊しましたが、曇りでご来光は拝めませんでした。山頂でご来光を待っていた時はさすがに寒くてダウンジャケットを着込みましたが、下るにつれて気温が上がり、秩父側の三峰神社に降りてくる頃には20℃を超えていたと思います。長袖Tシャツ1枚で汗をかきました。

 1泊2日の2日目などは大抵、荷物をいい加減に突っ込んでザックが盛大に形崩れするものだと思っていました。今回も、1日目後半あたりからパッキングが乱雑になっていった訳ですが、「メイブン35」の収納力の底力でしょうか、ほとんど形崩れもせず、中身へのアクセスのしやすさも変わりありませんでした。ちょっとパッキングが上手になったような気分です。

 今回約10㎏を背負ったのですが、重量が体に無理なく装着されている感じでした。重さで振られたり肩に食い込んだりもせず、とても歩きやすかったです。ザックの背負心地でここまで疲労感が軽減されるのかと思いました。また、下山後に温泉に入るつもりで着替え一式、コーヒーをいれるためのガスコンロ一式とコッヘルなど、1泊2日の小屋泊には多めの荷物でしたが、全部詰め込んでまだ余裕があります。巾着を縛る部分と雨蓋との間に隠れた実力がありそうです。底に開閉できるファスナーがあり、荷物が形崩れすることなく底に収納した雨具などを取り出せるのも便利でした。

 5月21日には、瑞牆山荘から往復で、瑞牆山に行きました。平地は最高気温30℃を超える真夏日でした。さすがに標高2,230mの山頂は涼しくて、山頂の気温は15℃くらい。雪を被った北岳、間ノ岳など南アルプスの峰々、八ヶ岳連峰など圧巻の展望でした。行動中は半袖Tシャツで、かなり汗をかきました。

 瑞牆山は初夏の日帰りハイキングで、35Lの「メイブン35」には申し訳ないくらいの荷物でした。荷物が少ないとつい、いい加減に突っ込んでしまいますが、荷物の収まり具合も悪くなく背負い心地も変わりありませんでした。鎖場や、両手で岩や木の根を掴みながらの登りで荷物に振られないのはありがたいです。


     

見た目が小さいのに背面やハーネスがしっかりしていて頼もしい。
背面長を自在に調節できるので、背負うというより装着している感じにできる。

 「メイブン35」を背負ってみて、背中にピッタリとフィットする感覚に驚きました。見た目は小さいのに背面やハーネスがしっかりしていて頼もしいです。背面長を自在に調節できるので鏡の前で何度も試しているうちに、背負うというより装着している感じになりました。背面長をクイック調節できる「トルソーサイズ」は、背負い心地がちょっと気になると簡単にペリペリと剥がして好きなようにサイズ調整することができて助かります。トレッキングポールの長さを調整するのと同じくらいの気軽さです。

 行動中はかなり汗をかきましたが、背中に不快感があまりなく、普通に背負ったままで歩き通しました。これまでは歩きながら背中とザックの間に手を入れてみたり、ザックをおんぶするように持ち上げて背中に風を通していたのでこれは驚きです。背負った感じでは背中と荷物の間があいているようには見えないのに、通気性が良いということでしょうか。また、ショルダーハーネスとヒップベルトは体の形に十分に沿って、しっかりした作りで安心感があります。荷物の重量が食い込まず、背負い心地が大変良いです。

 フロントメッシュポケットには地図とクッションシートを入れてみました。便利なので山行中はついロールペーパーやゴミ袋も突っ込んでしまいましたが、さすがに格好悪かったかも。伸縮性があるので、ここには濡れた雨具などを突っ込んでも良さそうです。ヒップベルトのポケットは右側が通常のポケットで、左側がメッシュ。今回は右側にカメラを入れてみました。コンデジもスマホも収納できる大きさです。左側のメッシュポケットに飴などの行動食を入れてみました。サイドのメッシュポケットも伸縮性があり、600mlのペットボトルがいいあんばいで入りました。もう少し大きなボトルもいけそうです。メッシュの布地だけだと重いものを入れた時に不安ですが、ストラップがついているのでしっかり固定できます。ヒップベルトのポケットはメッシュではない方が自分は何かと使い勝手が良いような気がします。また、ファスナーの取手が大きくてつかみやすいのですが、ポケットの形状が立体的なせいか、引っ張っても引っ掛かってスムーズに開閉できないことが多いのが残念です。

 レインカバーはフロントメッシュポケットの内側のファスナーに収納されていました。取り出しやすい場所で、入れっぱなしにしておけば忘れなくていいです。

 ただ、持っているトレッキングポールは少々長くて、ポールアタッチメントで取り付けてみるとグラグラするのが気になりました。サイドポケットに収納する方が好みかもしれません。ゴムとストラップで簡単に取り付けできるので、コンパクトなタイプのポールであれば便利に使えそうです。また、「メイブン35」は女性用だからでしょうか、カラーが少し派手な気がします。男性用と同じくらいの落ち着いたトーンの方が自分は好みです。

 「メイブン35」は百名山クラスの日帰りから2泊3日くらいの小屋泊にも使えると思います。夏期なら小屋泊3〜4日程度の北アルプスにも使ってみたいです。荷物を詰めた時の背負い心地の良さが大変気に入りました。頼もしい相棒になりそうです。


     


● Check Point
  • 底に開閉できるファスナーがあり、荷物が形崩れすることなく底のものを取り出せる。
  • 汗をかいても背中に不快感がないので、普通に背負ったまま歩き続けることができる。
  • ポールの長さを調節する気軽さで、背面長をクイック調節できる。

 

Monitor's Voice #04
ショルダーハーネスを少し調整するだけで、重みが腰に収まるので、重さを感じにくい。
軽いのに背負い心地に妥協しない「パラゴン38」は今後も活躍しそう。
山野けいすけさん(30代、男性)
登った山:南八ヶ岳・桜平から硫黄岳・横岳(日帰り)、浅間外輪山〔車坂峠より黒斑山・蛇骨岳・湯ノ平分岐〕(日帰り)、常念岳(1泊2日)
登山歴:5年
04
しっかりと腰に収まる感覚と爽快感で、背負った時からしっかりと体にフィット。
ザックを背負うのではなく体の一部として「着る」感覚。

 5月3日に南八ヶ岳へ、翌日5月4日に浅間山外輪山へと行って来ました。

 天気は晴れで、残雪が残る山域だったので、さっそくサングラスクイックストウ(サングラスホルダー)が大活躍。ありそうでなかったサングラスの保持機能で、状況により使い分けられるのは便利ですし、サングラスケースを本体気室に収納できるので雨蓋の空いた空間を有効活用できました。

 「パラゴン38」を写真で見た時は肉抜きが多く、フレームなしの軽量ザックのようにぺなぺなで背負い心地が悪いのではと不安でしたが、手に取ってみると背面パット側からもチラリと見える金色のアルミフレームが通っていて予想外でした。実際に背負ってみた所、しっかりと腰に収まる感覚と爽快感もあり、最初に背負った時からしっかりと体にフィットし、文字通りザックを背負うのではなく体の一部として「着る」感覚でした。軽量と堅牢さのいいとこどりな気がします。バックパネルやショルダーハーネスの肉抜きは単に軽量化だけでなく、マトリックス通気システムとして背負い心地や汗抜けの良さにも直結。2日目の湯ノ平分岐からトーミの頭までは、一部夏道が雪で埋もれていたためにそのまま直登しましたが、その時にも汗濡れとは無縁でした。

 ヒップベルトポケットも右にカメラや地図、左のメッシュポケットにはメモ帳と行動食を入れるなど必要十分。サイドポケットはしっかりしていてストック等を指すのに使えるので、給水方法は自然とハイドレーションを使うことになりますが、無駄がない感じがしました。2年ぶりのハイドレーションの使用で手間取り、誤って配線前にチューブをハイドレーションパックに付けてしまいましたが、チューブを外に出すフラップ部分から、バイトバルブ(飲み口カバー)を付けたまま外に出せたので助かりました。右胸にあるチューブホルダーもしっかり保持してくれて、行動中も飲み口が邪魔にならなく便利でした。

 レインカバーが付属なのは嬉しいですし、フロントメッシュポケットの入口にレインカバーポケットがある構造はいいですね。今までは雨が降って来たのにザックを地面におろして底や雨蓋の裏側からレインカバーを取り出していたので、目から鱗の進化でした。

 5月20・21日と幕営装備を持って残雪の常念岳に登って来ました。15㎏を超える荷物で雪渓を登りましたが、荷物がしっかりと体にフィットしていて最後まで安心して登れました。当日は快晴で風もなく、うだるような暑さでしたが、マトリックス通気システムのお陰か背中の汗冷えとは無縁でした。寒さが心配で今回は寝具を多めに持っていきましたが、この収納量なら無雪期の長期縦走にも活用できそうです。


     

自然と腰に重さがかかり、肩への負担が少ないので、重量感を感じない。
軽量なのに耐重量が大きく、収納力と安定性がある。

 「3Dショルダーハーネス&ヒップベルト」には一番びっくりしました。ショルダーハーネスを少し調整するだけで、自然と腰にすとんと重さがかかってきます。肩への重さが3割位しか感じないため、雪山登山用のツールが多くなっても、重量感を感じないのは快適でした。今までグレゴリー製品は「着るザック」と言う噂は聞いてましたが、納得です。

 メッシュポケットのストラップと、雨蓋のストラップが疑似的に繋がっているのが面白く、ここにヘルメットを挟むと、着脱が瞬時にできて素晴らしいと思いました。ただ、アイゼンは12本爪でクランポンラップに包んで保管していましたが、メッシュポケットには突き抜けや泥垂れが嫌で入れませんでした。化繊のインサレーションは入れましたが、それ以上の収納は不安な感じでした。ポケットに他の物を入れるとフロントメッシュポケットにアクセスするときに引っかかりそうです。メッシュポケット自体はもう一回り大きく、しっかりとした材質の方が使い勝手はいいかも。

 ポールアタッチメントの、上部のクイックリリースも可能な定番の構造と、下部の絞れる機能は面白いですね。ただ、アタッチメント下部が上にあり過ぎていて、ポールアタッチメントだけで付けようとするとアイスツールが暴れたりするので、使いこなすのは正直難しいかも。また、本体気室を閉じる巾着部分の、紐(プラチューブ)のまとめがあまりスッキリしないのが気になりました。そのまま雨蓋をはめると紐がだらっと外に出てしまいますし、プラチューブに巻くと外しずらくなります。紐まとめのパーツにすれば、今のようにがばっと開放できる利便性を損なわず、余った紐をまとめられて便利だと思います。後はアイスツール(ピッケル)ループの使い勝手が少し悪いように感じました。詳しい使い方(特にサングラスホルダー)が、公式サイトでもないのが少し不便な気がしますね。

 「パラゴン38」は軽量で堅牢な40Lザックなので、これからの季節の幕営にオススメ。夏の南アルプス縦走にも使えそうです。「パラゴン38」には、冬山装備をものともしない収納量と安定性があり、同容量のモデルに比べ、軽量にも関わらず耐重量が増しているのは心強いです。こういったオーバースペックさは心の余裕にも繋がるので大歓迎です。特にサングラスクイックストウは他のザックにない便利機能なので、活躍できそうです。軽いのに背負い心地に妥協しない「パラゴン38」と今年の夏には色々な山に登りたいですね。


     


● Check Point
  • ありそうでなかったサングラスの保持機能で、状況により使い分けられるのが便利。
  • 付属のレインカバーは、ザックに下におろさずにつけることができる。
  • うだるような暑さでも、マトリックス通気システムのお陰で背中の汗冷えとは無縁。

 

Monitor's Voice #05
背負った時の収まりがよく、背中から離れない感じ。
重さに応じてマジックテープで簡単に背面長を変えることができる点も重宝する。
丹波沢 一二さん(50代、男性)
登った山:丹沢・檜洞丸(日帰り)、丹沢・丹沢山~塔ノ岳の丹沢主稜コース(1泊2日山小屋泊)
登山歴:5年
05
荷物が少なくても、背中にしっかり張り付く感じで、鎖場でも気にならない。
4Lの水を入れて荷物が重くなっても、背負うと重さを感じない。

 4月30日、西丹沢ビジターセンター→犬越路→檜洞丸→つつじ新道を歩いてきました。1日中晴れ、気温10℃越えくらい、下山まで富士山を見ることができました。今回は荷物が少なく、いつもなら28Lのもので行くところなので、荷が少なくザックの中で動いてしまうのではないかと心配していたのですが、そんな心配は全く不要でした。しっかりと絞ることができ、スカスカなのに荷物がぶれませんでした。おかげで小笄、大笄の鎖場でもしっかりと背中に張り付いていてまったく気にすることなく通過しました。

 また、5月19日から20日には、宮ケ瀬(三叉路バス停)→丹沢三峰コース→丹沢山;宿泊→塔ノ岳→丹沢主稜コース→檜洞丸→つつじ新道→西丹沢ビジターセンターに行きました。1日目9.9km、2日目11.9㎞、計21.8kmと若干長丁場です。ハイドレーションに2Lのペットボトル2本、900mlの水筒と約4Lの水を背負いました(これだけの水を背負ったのは初めてです)。これにいつも通りの荷物(帰りに入浴するので着替えも)を詰めてもスペースに余裕がありました。両日とも晴れ、特に20日は快晴で20℃越えだったと思います。

 このときは天蓋上部に文庫本、ティッシュ、サングラス、ヘッドランプ、充電器、下部に行動食を詰めましたが、出し入れがしやすかったです。サイドポケットには、ペットボトルとゼリー飲料、ゴミ袋をしまいました。腰ベルトは、右に交通系カードの入った財布、左にスマートフォンです。ここまで詰めてもまだまだ入ります。フロントメッシュポケットには、地図と手ぬぐいを入れましたが、発展形がその時々でいくらでもありそうです。ヒップベルトポケットにはスマートフォンと財布を入れましたが、出し入れも困りませんでした。腕時計はサングラスホルダーにはめています。

 背負うときにはさすがに重く感じたのですが、背負ってみてびっくり、重さが気にならないのです。これなら大丈夫だなと自信を持ちました。さらに駅まで歩くうちに、トルソーサイズを思い出し、車内で短く調整しました。いよいよコース入口、いつもよりペースを落としてゆっくり歩くこととし、初日の宿にコースタイムどおりに到着しました。食後、入り日と同時に富士山を堪能しました。

 2日目、東に日の出、西に富士山をみて、午前6時に出発、腰のベルトをしっかり締めました。さすがに水が2Lに減っただけあって、1日目に比べ軽く感じます。今日は稜線歩き、何度も上り下りを繰り返すコース。富士山を見ながら歩くのはとても気持ち良いのですが、太陽が照りつけ何度もハイドレーションのお世話になりながら歩き続け、やっと檜洞丸直下の青が岳山荘、ここで微炭酸を求め、のどを潤しました。さすがにシロヤシオの季節、ツツジ新道を登ってくるたくさんの登山者とすれ違いながらの下山開始。いつもだと下山時には痛くなる膝もまったく問題ありませんでした。


     

肩にしっかり乗り、腰でしっかり支えるハーネスとベルトが、肩に重さを感じさせない。
いつも以上に汗をかいた時も背中の蒸れ感がない「マトリックス通気システム」。

 「パラゴン38」を手に持った時の軽さにはとても驚きました。背負った時にも収まりが良いと感じました。とにかく、背中から離れないというか、背で揺れません。フィッティング感が良いですね。鎖場を登る時もまったく背を意識せずに登ることができました。肩にしっかり乗り、腰でしっかり支えるハーネスとベルトは、肩に重さを感じさせず、腰でしっかり荷重を受けとめてくれます。特に腰骨のあたりがとても太くしっかり作られていて安定しています。

 背面長をクイック調節できる機能があるので、若干長くしたり、短くしたりしてちょうど良い長さを見つけました。マジックテープの調整なので、扱いにくいかと思いましたが、簡単に調整可能です。5月19日・20日には、丹沢は水がないこともあり自宅から4Lを背負ったので、その重さにリュックが下がりました。そこで一番短くして背負いました。重さに応じて調整できることの重宝さを実感しました。今まで、とにかく背がメッシュのものでないと背中が暑くなってしまうと思っていましたが、今回歩いてみて、「マトリックス通気システム」なら大丈夫と思えました。特に5月19日は背中にいつも以上に汗をかいたよう気がしましたが、いずれの日も蒸れ感はなかったです。

 ポールアタッチメントについては、私のポールは5年前の3段式のものなので畳んでも長く、アタッチメントは若干短いです。下の受けにポールのバスケットを指すとバックからポールが出てしまうので、下部は受けを通して長さを調整して止めました。頭は出なくなりましたが、下が出てしまい、地面においたときにバランスが悪くなります。しかし、今はポールが進化して短くなっているしこのままでの良いのではないかとも思います。

 「パラゴン38」は、軽アイゼンの必要のない時期の日帰りには、少し大きいです。軽アイゼン等が必要な時期の日帰り、また、これからの時期の山小屋泊には、大きさがぴったりだと思います。大きさ、重さ、フィット感、使用時の蒸れがないということで、これからの山小屋泊や冬の低山歩きという私にぴったりと言えます。軽アイゼン、雨具などをバックの底に入れても底面から取り出せるので使いやすそうです。背中にぴったりと合うのでとても頼もしい! これから、夏にかけて何度か山小屋泊の山行を予定していますので、とても重宝しそうです。


     


● Check Point
  • 背面長をクイック調節できるので、背負う重さに合わせて変えることができる。
  • ベルトの腰骨のあたりが太くなっていて、安定感がある。
  • 軽アイゼン、雨具などをバックの底に入れても底面から取り出せる。
モニター募集商品

グレゴリー
パラゴン38とメイブン35の
モニターを合計5名募集します


パラゴン38


メイブン35